【明慧日本2019年5月9日】(米国=明慧記者・王英)カトリック教新聞は2019年4月4日のネットニュースで、イギリス保守党人権委員会主席・ベネディクト・ロジャーズ議員の「中国共産党の唯一無二のジェノサイド犯罪」(China's genocide unlike any other)というタイトルで記事を掲載した。記事では「中国共産党は国力をもって臓器を獲得するため、罪のない人々を大規模に殺害している。国際社会は必ず行動を取らなければならず、中国の良心の受刑者からの強制臓器強奪を制止し、罪のない人々が殺害されるのを阻止しなけらばならない」と述べている。
記事では「中国共産党が犯した罪は『大虐殺』一書の作者・イーサン・ガットマン氏が描写したように、一種の手術衣の下に隠されたジェノサイドである。あるいはイギリス保守党人権委員会主席・ベネディクト・ロジャーズ議員が先週の討論会で、これは『人道に反する犯罪』であり、21世紀のジェノサイド犯罪に劣らず、良心の受刑者から臓器を強制的に強奪していることは、一種の唯一無二の犯罪である」と述べている。
セルビア前大統領・スロボダン・ミロシェビッチの裁判を主導したことのあるジェフリー卿は、7人の陪審員と「民衆法廷」を2018年12月に開廷し、一回目の公聴会が開かれた。2019年4月6日、ロンドンで第二回目の公聴会が開かれる予定で、6月ごろ最終判決を言い渡すことになっている。
2018年12月に開かれた公聴会のあと、陪審員が一致した意見として臨時判決を発表した。「中国は良心の受刑者から相当長期にわたって、強制的に臓器狩りが行われ、かつ大量の被害者に及んでいる。かつ国家組織あるいは認可された機構及び個人が関与している」と断定している。
このような傑出したグループにとって、従来の順序を乱してまで臨時判決を行うのは異例であり、きっと人々に注目される。彼らがこのような決定を下したのは、罪のない人々を被害から救いたいからだという。
しかし、この人権侵害行為を立証するのは最も難しく、なぜならば、ほかの虐待と違い、証人は医者や警察官であり、刑務所官員らであるからだ。病院の手術室での証拠は消すことができるからだ。まさに先週ロジャーズ議員が述べたように「一種のほぼ完全犯罪」だといい、なぜならば、被害者の証言が取れず、彼らは生存していないからである。
訴えによれば、死刑囚にのみならず、良心の受刑者が含まれ、それは法輪功学習者であり、チベット人佛教徒であり、キリスト教家庭教会の信者である。彼らは強制的に必要以上に身体検査を受けさせられ、臓器の適合のために行われている。彼らの同意なしに強制的に臓器を摘出されるのである。これらの臓器は臓器移植の巨大な交易(こうえき:物品を交換すること。そのあきない)に使われている。
3年前、カナダ政府前アジア太平洋局長・デービッド・キルガー氏、カナダ国際弁護士・デービッド・マタス氏、米国ベテラン記者・イーサン・ガットマン氏の3人が共同で『血まみれの臓器狩り/大虐殺』更新版を発表した。この報告書は以前の報告書に基づき、新たに中国の臓器移植病院712軒の記録に対して調査し、その結果を発表した。
調査で分かったことは、臓器の移植件数は以前の調査より遥かに超え、そのため彼らが出した結論として、天津第一センター医院だけで年に6000例の移植が行われ、全国規模では年に6万〜10万件の移植が行われていると推測している。これは一つの問題を提示し、これらの臓器はどこから来ているのか? ということだ。
中国には自発的な臓器提供という伝統はない。2018年中国政府のデーターで明らかなっているのは、ドナーになったのは6000人で、1万8000回の臓器移植をしたという。この数字について3氏の調査によれば、数軒の病院を合計すればすでに超えている。
このほか、中国においてはわずか数日以内に符合する健康な臓器を見つけることができるといい、西洋の先進国では数カ月乃び数年間待たなければならない。臓器移植患者になりすました調査員はこのことを立証している。
中国前衛生部の部長・黄潔夫は新疆で肝臓移植を行った際、予備として二つの肝臓を準備したという。
簡単に言えば、これらの数字が合わないこと。数日で臓器が見つかり、全国では千軒近い臓器移植の病院があり、年に6000人のドナーでは間に合わない、となればほかの臓器の源があるということだ。
死刑囚の臓器使用はわずかであり、中国では死刑判決を受けたら7日以内に死刑を執行しなければならない。3氏の調査では臓器の源は良心の受刑者だという。彼らが出した結論として「この人道に反する犯罪はとても猖狂(しょうきょう:荒々しく常軌を逸した振る舞いをすること)であり、中国共産党は国力をもって罪のない人々を大規模に殺害し、臓器を獲得している」。
新疆のある病院で外科医として勤務していた、ウイグル人のエンヴァー・トフティ氏の証言によると、彼は1995年に主任医師の指示により、死刑処刑場の近くで待機していたという。
彼はその時のことを回想した。「私たちは小山の背後で待機し、銃声が聞こえたら処刑場に向かうようにとの指示を受けました。しばらくして銃声が聞こえ、それは一発ではなく数発の銃声でした。私たちが現場に駆け付けると、1人の警官がそこに行くようにと指図をしました。そこには死刑囚が横たわっており、この時主任医師が突然現れ、肝臓と腎臓を摘出するように命じられました。彼は早く行うように私を促し、そして切り取った臓器を箱に入れ車で走り去った。この出来ことについて主任医師からは誰にも言うなと口留めされました」。
専門家や世界各国の立法機構、米国を含めてこの臓器狩りの公聴会を開催した。米国と欧州議会では決議案が採択され、中国の暴行を非難した。イスラエル、イタリア、スペインと台湾は中国への臓器移植を目的とする旅行を禁止する法律が施行され、カナダ上院は臓器移植を目的とする旅行を禁止する法案を作成した。国連弁務官は中国に臓器の出所を説明するよう求めたが、回答を得ていないという。国際臓器移植権威者・アニカ・ティベル博士はこのことを調査するよう世界に向けて呼びかけている。
中国から何らかの回答があったのでしょうか? もしあったとすれば、その回答を聞きたい。もしなければ、国際社会と政府、マスコミ、弁護士、医者、移植学会と非政府組織は彼らに回答を考慮すべき。もし「民衆法廷」での裁判で真相が暴かれることになると、正義を貫かなければならず、責任者は責任を取らなければならない。もしそれが真実であれば、責任者との関係を新たに測る必要がある。
ほかの国は臓器移植旅行を禁止した国を模範にすべきである。国連は中国の人権問題の担当特派員を任命し、同時に調査委員会を設立すること。もしこれらのことが事実であれば、救急な行動を取る必要があり、罪のない多くの人々が殺害されるのを阻止しなければならない。
まさにブルース氏が述べたように「最終の真相が出てきた時、我々は再び遺憾に思い『絶対に再び発生してはならない』という言葉を聞くことになるのでしょうか? 私たちは何もできないのではなく、事実はそうではなく、切迫して問題を解決をする必要があります」。
ベネディクト・ロジャーズ氏は人権組織CSW東アジアの責任者であり、イギリス保守党人権委員会の主席であり、中国での臓器移植濫用停止国際連盟(ETAC)の顧問である。