10年拘禁された公務員 勤続22年のすべてが保障されず
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 【明慧日本2021年3月3日】雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市の法輪功学習者・劉燕さん(55歳女性)は、10年間刑務所に拘禁された。2020年7月3日、刑期が満了になって出所した劉さんは、すでに公職を解かれ、22年の勤続年数は通算されずにゼロにされたことを知った。劉さんは本来長年勤めていたので、年金、医療保険、社会保険などの老後の生活を守るための公的な保障を得られるはずであったが、これらのすべてが無くなってしまったのである。

 劉さんは1984年、雲南省工学院(現在の昆明理工大学)の電気工学部に進学し、1988年学士号を取得し、卒業した。そして同年8月、紅河州水利局に就職し、電気エンジニアの資格を取った。

 1996年、劉さんの夫の同僚が『轉法輪』を劉さん夫婦に贈った。劉さんは『轉法輪』を読んだ後、強く心が惹かれた! 「人が宇宙の特性の『真・善・忍』に従って修めると、道徳と生命の次元を向上できる」と知って、法輪功を学ぼうと決心した。その後、公園で煉功点を見つけ、法輪功の修煉の道を歩み始めた。それから、劉さんは法輪功の教えで自分を律し、穏やかな家庭を築き、同僚と仲良くして、心身ともに健康になった。

 しかし、1999年7.20、中国共産党当局が法輪功への迫害を開始した。劉さんは法輪功を学び続けているため3回も連行され、労働教養処分2年を科された。2010年7月3日、ほかの法輪功学習者に法輪功の資料を渡すとき、蒙自市610弁公室と市公安局の国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下、国保)、紅河州610弁公室と国保の警官らに連行された。その後、劉さんは懲役10年の重刑を言い渡され、刑務所に収容された。

 2010年7月3日、箇旧市、開遠市、蒙自市の610弁公室と国保の警官らは、劉さんの夫と劉さんと連絡していた学習者5、6人を連行した。紅河州610弁公室と国保の警官らは劉さんの自宅を家宅捜索し、法輪功創始者の写真、法輪功関連書籍、法輪功紹介の資料、DVDディスク数千枚、DVDレコーダー2台、プリンター3台、携帯電話7台、パソコン5台、バイク1台、法輪功の真相が書かれた紙幣2000元、封筒、切手など、多くの私物を押収した。

 警官はまた、劉さんの娘の大学の学費1万元(約16万円)あまりの現金と娘の貯金箱を壊して小銭まで押収した。1カ月後、劉さんの夫は留置場から戻ってきて、娘の学費を取り戻し、娘は大学を続けることができたという。

 刑務所に拘禁されていた10年間

 劉さんは刑務所に収容された最初の2年間、毎日、朝7時から夜10時15分まで座る姿勢を変えることは許されず、小さい釘72本を座面に打ち付けた(釘の頭が出っ張る状態)プラスチック製の小さい椅子に座らされた。しかも、2人の受刑者によって監視された。

中共体罚示意图:长时间罚坐

拷問のイメージ図:長時間、小さい椅子に座らされる

 劉さんは2012年8月24日、第六監区に移された。それでも「転向」しないため、さらに日曜日も休むことは許されず、小さい椅子に座らされ、食事の時間も監視する人が食事を持ってきて、立つことさえ許されなかった。

 劉さんは残酷な迫害によって障害を負うかもしれず、死ぬ可能性もあると気づいた。そんなある日曜日の朝、劉さんは監視役の人の制止を振り切って、小さい椅子から立った。誰に押されても、劉さんは決して座らなかった。

 劉さんは3回も断食して迫害に抗議した。そのため、長袖の束縛服を着せられ、鼻から野蛮な灌食をされた。

酷刑演示:野蛮灌食(绘画)

拷問のイメージ図:野蛮な灌食

 劉さんはまた、奴隷的な労働を拒否したため、警察の支持で集まった数人の受刑者によって地面に引きずられた。服は破れて切り裂かれ、臀部と足から血が出るほど酷い迫害を受けた。

中共酷刑示意图:拖拽

拷問のイメージ図:引きずられる

 ある時期、300人以上の刺繍作業場の隣の小さな電話室に、劉さんは監禁させられた。その部屋で劉さんは「法輪大法は素晴らしい」と叫び、法輪功の真実を説き、法輪功の歌を歌ったりした。このことで警官は、劉さんと同じチームの受刑者たちに懲罰を下した。その後、反迫害した劉さんは、労働現場に行かないことを許され、部屋で学法したり、無罪で釈放されるように控訴状を書いた。

 学法を通じて、「無罪の釈放を求めており、罪もないのに囚人服を着たままで、自ら罪を認めている」と悟った劉さんは、2014年10月27日から囚人服を着るのを止めた。

 2016年2月14日まで、私服だった劉さんが洗濯しようと部屋を出た時、警官が劉さんの私服を全部持ち去り、囚人服をベッドに置いた。そして、私服が無くなった劉さんは、その囚人服を裏返し、刑務所のマークが見えないようにして、釈放されるまでそのまま着ていた。

 入所している人たちは毎日、何回も点呼されるが、300人以上の人たちがすべてしゃがんでいる中で、劉さんが呼ばれるときは、「無罪放免! 動くな! 死んでも絶対立つ、しゃがむことはしない!」と大声で返答した。その結果、警官らは基本的に劉さんを点呼しなくなった。

 裁判官や検察官に真相を伝えるための訴状を書くことは、迫害を抑制する上で大きな効果がある。劉さんは刑務所に拘禁されている間、7通の控訴状を雲南省高等裁判所に提出した。2016年11月29日、劉さんは雲南省高等裁判所から(2016)第127号「控訴状を却下する通知書」を受け取ったが、引き続き、最高裁判所と最高検察庁に控訴状を書き始めた。

 劉さんはほぼ毎月1通の控訴状を書き、出所するまでに50通くらい書いた。控訴状を読んだ刑務所の職員幹部は、警官が影響されないように、すぐに劉さんと話すことを禁止したという。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2021/2/27/421399.html)