振り返るに忍びない日々の中で(下篇3)
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文/李文明

 【明慧日本2024年3月22日】(前文に続く)

 三、蘭州刑務所の過酷な環境と強制労働

 張永維が天水刑務所から蘭州刑務所の刑務所長として赴任して以来、彼は「自分の顔に金を貼る」ために「イメージ・プロジェクト」に着手しました。彼は蘭州刑務所に割り当てられた受刑者の食費を使って、いわゆる「積極的改造受刑者」と「一流受刑者」の食事を改善しました。そして、写真を撮ったり、新聞に掲載したり、テレビで宣伝したりして、自分の個人的なイメージを高めようとしましたが、他の受刑者の食事には豚肉はなく、豚肉が食べられるのは、新年、5月1日、10月1日だけでした。

 普段、週3、4回の改善された食事は、肉眼で見つけるのが難しいほど細かく刻んだ鶏の胸肉と野菜の炒め物しかなく、油がないため、野菜は焦げていることが多く、食堂からは、トラック1台分のサラダ油が行方不明になりました。彼らは市場で売れ残った鶏の骨を買い、ジャガイモと一緒に煮込んだものを「鶏肉の煮込み」という名前を付けたり、細かく刻んだ鶏の胸肉と野菜の炒めたものを「肉と〇〇野菜の炒め物」と表現したりしましたが、野菜というのはジャガイモ、セロリ、ニンジンなど一番安い3、4種類だけで、掲示されたメニューはバラエティに富み、高栄養食品と見せかけて受刑者の家族を騙していました。

 しかし、強制労働の生産作業は年々増えていました。張永維が蘭州刑務所に着任したばかりの1年目、各刑務所区に割り当てられた作業量は2倍になりました。2年目はさらに60%増加し、その後は年々増加し、その幅は50%に達しました。朝6時半に仕事を始めて、夕方6時半に仕事が終わり、昼食時間は30分ですが、これが通常のスケジュールです。残業する場合は、午後8時半か9時まで働かなければなりません。ノルマを完成できなければ、電気ショックを加えられ、ゴム棒で殴られるほか、冬には手錠をかけられて電柱に拘束され、夏には太陽の真下に晒されるなどの方法も使われました。

 蘭州刑務所は肌着、掛け布団、敷き布団などの日用品を提供してくれず、刑務所に入る際に持参したものは着用も使用も認められていません。刑務所が検査を行うたびに服や布団類がゴミ捨て場に山積みになりますが、中には刑務所のスーパーで購入したばかりのものもあり、着用も使用も許可されませんでした。刑務所の売店では、かつてラジオ、セーター、ズボン、上着、靴などが売られていましたが、後にそれらはすべて「禁止制品」となり、無条件で押収されました。

 ラジオ2台、ヘッドフォン2組、服、靴、ベルト、湯呑みなどが取り上げられましたが、説明はありませんでした。 暖房は非常に弱く、刑務所の建物は四方八方からすきま風が入っていたため、まったく暖かさを保つことができませんでした。夜は掛け布団と敷き布団を2枚使っても寒さで何度も目が覚めましたが、刑務所では掛け布団と敷き布団の使用は1人につき1枚までと制限されていました。

 受刑者が病気になった場合、通常、適切な治療を受けられません。 2020年、蘭州刑務所では20人以上の受刑者が病気の治療を受けられずに死亡しました。2019年から2020年までの2年足らずで、第10区では3人が死亡しました。冉鴻挙は心臓病を患い、何日も治療を受けられず、危篤状態に陥ったとき「康泰」病院に搬送許可が出されましたが、刑務所の門を出る前に死亡しました。

 蘭州刑務所では、死者が死亡した後、点滴を吊って酸素を注入し「緊急措置を採ったが助からず、死亡した」ふりをする、あるいは点滴を吊って酸素を注入して救急車に乗せ、病院に搬送しているふりをする習慣がありますが、実際にはすでに死亡している。

 情報筋によると、冉(ぜん)鴻挙は生前、酒鋼会社の財務責任者だったのですが、上司から違法な経費の支払いを依頼され、その後事件が発覚し、横領の罪で有期懲役が言い渡されました。判決を不服として冉鴻挙は、プロの詐欺師・龔積徳に出会い、龔積徳は「訴訟に勝つために良い弁護士を見つけますが、訴訟費用は50万元(約1000万円)かかります」と言ったそうです。冉鴻挙はそれを信じ、家族を通じて龔積徳の姉に15万元を前払いしました。

 しかしその後、冉鴻挙はずっと弁護士に会うことができなかったので、何かがおかしいと感じ、龔積徳を訪ねました。龔積徳は「弁護士は他の裁判を行っており、残りの35万元を支払えば弁護士との面会ができます」と言いました。冉鴻挙は騙されたのではないかと感じていましたが、依然として積極的に資金を集めました。弁護士と会えない状況下で、冉鴻挙はいっそうに焦り心臓発作を起こし、蘭州刑務所で死亡しました。

 しかし、問題はそれほど単純ではありません。15万元という金額は決して小さい額ではないので、誰が見知らぬ人に簡単に15万元を渡すことができるでしょうか?  龔積徳と冉鴻挙が家族に連絡しなければこのことはできないはずです。しかし、何度も電話をかけてこのような便宜を図れるのは警官だけであり、両者の間にはどのような利害関係があったのでしょうか? このような刑務所は毎年「模範刑務所」として評価され、王子卓は「優秀労働者」に選ばれました。

 結び

 21年6カ月の不当拘禁中に仕事を解雇され、林家荘市の家は取り壊され、家の家具もなくなりました。私は被害届を派出所に出しましたが、派出所は受理を拒否しました。私が住んでいた晏家坪の家は、水道、電気、暖房、ガスの改修工事中に蘭州刑務所に拘禁されていたため、改修工事が行われませんでした。そのため、水道や電気は隣の家から調達しなければなりません。隣の家は長い間私の家を占拠したいと思っていたので、それを利用して水道と電気を止めました。今、私は他の所で借家しなければなりません。妻は多大なプレッシャーで離婚を迫り、もともと幸せだった家族は引き裂かれました。本来なら、22カ月分の失業手当を受け取ることができますが、蘭州市社会保障局は申請を拒否し、最低生活の保障さえありません。

 これらすべての迫害は、私が真、善、忍を信じ、心身の健康に良い気功・法輪功を学ぶことを堅持したことが原因であるとされています。世界の人々が中共の虚言から離れ、法輪功について理解していただけるよう願っています。

 (完)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/3/1/473726.html)
 
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