宇宙探索:宇宙では天体の消滅と新生が絶え間なく起きている
■ 印刷版
 

 【明慧日本2021年3月18日】(明慧記者=新宇報道)2019年8月、天文学者はある巨大な恒星(番号PHL 293B)が数年のうちに消滅したことを発見した。この珍しい恒星は太陽より250万倍も明るく、太陽の約100倍の体積を持ち、前回観測されたのは2011年だった。これほど大きな恒星が明るい超新星の爆発を起こさずに消滅するのは、非常に珍しい現象である。

 2019年12月、天文学者は星空全体で消えて行った天体の研究結果を公開した。当該プロジェクト(VASCOプロジェクト)では、1950年以降に撮影された天体写真のアーカイブに対して分析を行い、小惑星や明るさに変化があった恒星、および明らかに移動した星などを除いた後、15万個の天体が消失したことを発見した。さらに詳しく分析していくと、説明もつかないまま忽然と消えてしまった恒星が100個ほどあることが分かった。

'旧拍摄档案(左)的恒星在新拍摄档案(右)中消失(Image credit:Villarroel et al. (2019))'

旧撮影アーカイブ(左)にあった恒星が新撮影アーカイブ(右)では消えた

(Image credit:Villarroel et al. (2019))

 新しい天体が大量に生まれている

 天文学界では、銀河系での恒星(新しい天体)の形成速度は1年に1〜10個程度と言われている。しかし、近年では新しい天体が大量に誕生していることが発見された。

 2000年以降、天文学者たちは新しく生まれた「太陽系」(恒星系)の中で、円型や螺旋腕型などの特徴を発見した。

 2005年には、銀河系のNGC 3372星雲が生まれたての恒星で埋め尽くされており、これまで観測されたことがなかった新星に覆われた新しい雲柱も発見された。

 2007年にも、銀河系のNGC 3603星雲で大量の新星が誕生していることが判明した。巨大な塵埃やガスの中には、若い星団がある。

 2010年には、これまでに見たことのない400個の新星誕生区域が初めて発見され、そこでは大きな星が生まれている。このような新星誕生区域は、探索の範囲を拡大すれば2000~2万5000個が見つかると推定されている。しかも、これもまだ氷山の一角に過ぎないかもしれない。なぜならば、宇宙には、現在の最先端の望遠鏡でも到達できない区域がまだまだたくさんあるからである。

 2011年10月、天文学者たちは、生まれたばかりの「太陽系」の細部を初めて観測した。それは銀河系のおおいぬ座のα星の中にあり、SAO206462(HD135344B)という番号をつけられており、100万年ほど前の非常に若い「太陽系」である。

'婴儿“太阳系”SAO 206462 (HD 135344B)(Image Credit:ESO, T. Stolker et al.)'

赤ちゃん「太陽系」SAO 206462 (HD 135344B)

(Image Credit:ESO, T. Stolker et al.)

 (注:螺旋腕型を撮影するために、中央のまぶしい「太陽」を遮っている。以下同様)

 2012年、欧州南天天文台の天文学者たちは超大型望遠鏡で、地球から約670光年離れた場所にある生まれたばかりの別の「太陽系」を観測し、MWC 758という番号をつけた。この新しい「太陽系」には、一対の巨大な螺旋腕がある。

'婴儿“太阳系”MWC 758(Image credit:NASA / ESA / ESO / M. Benisty et al )'

赤ちゃん「太陽系」MWC 758

(Image credit:NASA / ESA / ESO / M. Benisty et al)

 理論的には、螺旋腕の先端には惑星が駆動しているはずであるが、今回の観測データでは、惑星の存在は確認できなかった。科学者たちはこれらの特徴を説明するのに苦労しており、どのようにして生まれたのかが大きな謎となっている。

 2020年7月、太陽系の近くでは250個の恒星を含む星団が発見された。これらの恒星は銀河系の外から来たものである可能性が高いと言われている。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/3/9/421751.html)
 
関連文章