高級住宅に住む良き隣人
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2021年5月25日】私は2009年に新しい住宅地に引っ越しました。家は広々として南向きで太陽の光はたくさん入るし、外には専用ガーデンがついています。引っ越す前からこの住宅地には金持ちまたは有力な権力者が住んでいると聞きました。私の部屋は建物の最上階なので、引っ越しと内装が人に迷惑にならないように気を付けていました。しかしある日、内装業者が工事をしていたら、玄関のドアを蹴る音がして、2階に住んでいる中年男性が中に入るや否や、工事の人の襟をつかんで「うちの妻は心臓病があるんだ! こんな騒音には耐えられない! 休憩時間にこのような騒音を出してみろ、殴り殺すぞ!」と罵って去っていきました。

 工事の人は慌てて私に電話してきて、2階の男性のことを教えてくれました。私がそのあと急いで駆け付けると、3階の女性も上がってきました。女性は、さっき来た2階の男性はあるコンクリート工場のオーナーで、横柄な人で、自分の内装の時にも工事の人がそのオーナーに殴られたと言いました。そこで私は、工事の人と3階の女性に「昼休憩に大きな音を出したのは、私達の間違いでした。今後は気を付けます。私も謝りにいきますよ」と言いました。

 3階の女性は私の話には同意できなかったようです。彼女はこっそり私に、「私の主人が収賄の罪で実刑判決を言い渡されたことで、隣人との付き合いが大変しづらいのです。普段から外出するとき、2階のオーナーは挨拶をしても返事をしてくれないので気まずくなり、外出する時は相手のいない時間帯を選んで出ています。また、1階に住んでいる人は地元の政治家で、普段見かけても話すことがないし、この建物に住む人と近所付き合いがないので、時間があれば海外に住む娘の家に行くようにしています」と話しました。彼女の話では、2階の人は私の好意を受け取ってくれないだろう、でなければ直接工事の人を殴ることもしなかったでしょうに、ということです。

 数日後、私は3階の女性が言ったことを自ら体験しました。2階の男性が階段を降りるとき、私の挨拶を無視しただけでなく、非常に近づきづらいオーラを放っていました。良かったことに彼の妻は比較的やさしく、私に「主人はあのような性格だからごめんね」と言ってくれました。

 ある日の夜、私は主人と外で散歩していたところ、2階の男性の高級乗用車(ベンツ)の車体に削られた痕があることに気づきました。どうやら飲酒運転をして車をぶつけてできたかすり傷のようです。飲酒運転の車もちょうどその近くに停車していました。このことに気づいた私は2階のオーナーに伝えようとしたところ、主人に止められました。主人曰く、2階の男性はあまりにも横柄なので、このことが起きたのはちょうど彼にとって教訓になるだろうと言いました。しかし私はふと、2階の男性がいつも愛車のベンツを見守る視線を思い出しました。その視線には愛情が感じられます。この輸入車は少なくとも250万人民元(およそ4千万円)はするでしょうから、修理代と保険金はかなり高額になりそうだと感じました。そこで私は2階のオーナーに自分が見たことを伝えたところ、夫婦二人はこれを聞いて感謝してくれました。それ以来態度もよくなりました。

 2階の男性の態度の変化はこの件だけではありません。例えば、彼が家の鍵を挿したままにしたときに教えてあげたり、ベンツを我が家の車庫の前に停車して我が家の車を出すのを邪魔した時いつも車の移動をやさしくお願いしたり、2階を通るとき、たまったゴミ袋があったらついでに捨てに行くなどのことをしました。このような小さいことの積み重ねによって、2階の男性の固い心が柔らかくなったと感じました。今では2階の男性は、私たちを見かけると挨拶するばかりでなく、少し雑談もしたりします。ある日、自宅に誰もいないとき、私宛の速達が届いたのですが、彼が親切に代わりに受取のサインまでしてくれました。

 このように隣人との関係が良り、引き続き私はいつものように行っていました。例えば、下の階を通るときに床に落ちている広告の紙やごみをついでに拾ったり、時間があったら共用の床の汚れを掃除したりしました。少しずつ、いつも家にいない3階の女性も建物内の変化に気づきました。あるとき彼女が私を見かけると、「私のドアに貼っていた広告をきれいにしてくれたのは、あなたですか」と聞き、感謝してくれました。どうやら彼女の場合、毎回海外から帰国するたびに玄関扉の前に山のような広告がたまっていたのでいつも処分に困っていたようです。これらの広告を捨てることは問題ないが、たくさんたまるということはこの家は長期間誰も住んでいないことを意味するのでセキュリティが心配だったようです。私が入居してからこのようなごみが無くなったので、自ずと私が掃除していたのだと分かるようになりました。

 ある日の昼、1階の女性が私の家のドアをたたきました。彼女は私が小さい時の同級生で、今は地方政治家の奥さんになっています。私たちは互いが同じ建物に住んでいることは知っていましたが、今回、向こうから訪れてきたのは意外でした。どうやら彼女の家に水漏れの現象があり、修理工の話によれば4階の太陽光発電システムによる漏水が原因だと疑っています。そこで、私は彼女と一緒に家の太陽光コントロールパネルを見ても問題はありませんでした。それでも彼女は信用できないので修理工に屋上に上がって確認してもらったところ、漏水は我が家と関係ないことが分かりました。

 その後もこのようなことが何度もありました。1階に漏水が起きるたびに、1階の女性は私の問題だと指摘し、どんなに説明しても信じてもらえませんでした。最後には仕方なく彼女の漏水の原因究明に協力するため太陽光を3日間止めました。数日後に彼女に原因が分かったかと聞くと、「とっくに分かりました。あなたには関係なかったみたいです。言い忘れましたが…」と彼女が言いました。私はそれなら早く言ってよ、という表情を見せると、彼女はやっと悪いと感じたようです。それ以来、1階の女性はいつも農家直送の新鮮な野菜をたくさん届けてくれます。私も彼女の息子が結婚するときに祝儀を渡しました。

 こうして、少しずつ、全く会話がなかった隣人同士は、声をかけ合い、助け合うような良き隣人になりました。

 ある日、私が雑巾で共用ドアの取っ手を拭いているとき、2階の女性が帰ってきてそれを見て「あなたって本当に良い人ですね。うちの建物にあなたのような人がいて本当に幸運です!」と言ってくれました。それは、私が法輪功を学んでいるからです。警官は以前私の家に来て嫌がらせに来たことがありますが、建物のみんなが私が法輪功を修煉していることを知っています。今ではみな、私を通じて修煉者に対する考えが変わり、法輪功に対する認識もよくなりました。

 現代のこの利益を追求する社会では、人々は棘になっています。少しでも思い通りにならないと怒りだして、弱い人と思われたくないようです。そのため隣人同士が敵同士のようになり、他人に何が起きようと自分には関係ない、でも自分の利益が侵害されたら倍にして返す、という始末です。この弱肉強食の生活は動物と何か違うのでしょうか? 人間同士の関係がこのような状態になることは恐ろしくありませんか?

 法輪功学習者は名利を求めず、他人のことを大事にしています。この心の底から発した思いが最終的に世の人々に感動を与えます。ですから、共産党の嘘の宣伝に騙されないように、周りの法輪功学習者ともっと触れ合ってみてください。ご自身で法輪功とは何かを感じ取ってください。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2019/12/17/397101.html)
 
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