【明慧日本2022年7月8日】2007年に中国共産党(以下、中共)による臓器狩りの現場を目撃した日本の経済評論家・菅原潮氏が、6月20日に東京で『大紀元時報』のインタビューに応じた。
菅原氏は、中共に対してしばしば批判の言論を発するネット上の名人であり、ツイッターで22万人のフォロワーを持ち、経済に関する本を十数冊出版している。
2007年、菅原氏の友人の兄は肝臓が悪化し、余命宣告を受け、臓器移植を提案された。その友人はまもなく、仲介業者を通じて中国でドナーを見つけ、手術を受ける準備に入った。しかし、手術前に病院が用意したアルブミンという血液製剤が偽物で、手術には使用できないことが判明した。友人は菅原氏に、日本でアルブミンを調達し、北京に持ってきてほしいと頼んだ。そこで、菅原氏は、中共による法輪功学習者(以下、学習者)からの生体臓器摘出の闇の部分を知ることができた。
インタビュー
記者:菅原さん、まずは当時の経緯を話して頂けますか?
菅原氏:2007年、友人の兄は肝臓が悪化して、「もう時間があまりない。肝臓移植しかない」と言われました。当時、肝臓移植はアメリカかフランス、または中国でしかできなかったのです。アメリカやフランスは待ち時間が長く費用もかかる上、法的規制も厳しいので、彼は中国での手術を選択しました。
北京武装警察総合病院では、日本からの患者だけでなく、サウジアラビアやドイツの富裕層が手術を受けに来ることもあるそうです。病院側は「ドナーはすぐに見つかります。費用は3000万円です」と言いました。
2007年8月、中国側から「ドナーが見つかりました。いつでも手術ができます」と伝えられました。手術には、人間の血液を濃縮したアルブミンが必要でした。しかし、手術前に病院にあるアルブミンが偽物で、手術には使えないことが判明しました。そこで、日本で買って北京まで持って来てほしいと頼まれました。
それがきっかけで、内情を知ることができました。
アルブミンは日本で何とか手に入りましたが、医薬品なので輸出入には免許が必要です。日本側では、何とか税関から持ち出すことができました。中国側の仲介者の指示に従い、大連から入国し、彼らが指定した便で北京に向かいました。北京では、トラブルに見舞われました。当時、武装警察の幹部が迎えに来てくれたのですが、預けた荷物の中に薬があるのを空港職員が見つけて、許可なく持ち出すことはできないと言われて、身柄を拘束されてしまいました。
空港警察、公安警察、そして武装警察は同じシステムに属していないため、互いに譲らず、何時間も言い争っていました。結局、政治家のコネを活かして、ようやく空港から出られるようになりました。
北京に着いてから病院に薬を預けて、手術前日に友人の兄を訪ねました。
そこで、受付担当の医師から「ドナーがすぐ隣にいるから、見てみますか?」と言われました。彼が布のカーテンを開けると、ベッドに横たわるドナーが見えました。21歳の若い男性でした。麻酔が効いていて、意識がないように見えました。
この医師は日本に留学したことがあり、日本語が話せます。
彼は私に、ドナーは死刑判決を受けた悪人で、どうせいずれ死ぬのだから、死ぬ前に少し貢献してもらってもいいのではと言い、「彼はとても若くて、非常に健康な肝臓を持っています」と続けました。
何をする人なのかと尋ねてみると、彼は「テロ組織のメンバーです」と答え、一体何をしたのかと問い続けると、「法輪功学習者です」と答えました。
しかし、手術は失敗して、患者さんは手術中に亡くなられました。
記者:あの若者が見えた時、彼はどんな様子でしたか?
菅原氏:彼は手足に包帯を巻いたまま横たわっていて、前日に両手と両足の腱を切断されていたそうです。医師によると、逃げるのを防ぐためと、人が怖がると体が縮んで臓器の質に影響が出るので、腱の切断手術をしたとのことでした。
記者:臓器移植が行われた際、彼はまだ生きていましたか?
菅原氏:もちろんです。私が見に行ったときはまだ生きていましたが、臓器を摘出したらその人が死んでしまうわけですから、生体移植なのです。臓器摘出と同時に手術をするのが一番効果的です。その後、ご遺体がどうなったかは私には分かりません。
記者:ご友人はどれくらいの時間をかけてドナーを見つけましたか?
菅原氏:彼はまず中国に行って検査を受けて、それから日本に帰って待っていました。その1カ月後、中国側は一致したドナーを見つけました。
記者:仲介はどんな人ですか?
菅原氏:彼は医療仲介の仕事をしています。2007年から多くの金持ちの中国人が団体で医療旅行をしに日本に来始めて、彼はそれもやっていました。彼は日本に留学したことがある中国人で、かなり広い人脈を持っていて、日本の多くの有名な医者とも付き合いがあります。
記者:武装警察総合病院は臓器移植手術を積極的に展開していますか?
菅原氏:そうですね。彼らの話によると、欧米、ロシア、サウジアラビア、その他の中東諸国の富裕層が手術のためにやってくるそうです。何人かの欧米人を見かけました。日本人と言えば、当時は私の友人しかいませんでしたが、多くの日本人も手術をしに来ていると聞きました。
患者さんたちには、特別な待機場所が用意されていて、近くのホテルだと思います。 病院は定期的に彼らの健康診断を行っていました。
記者:中共の高官も関与していますか?
菅原氏:もちろんです。彼らは、中共の高官が関与しないと臓器移植ができず、多くのことが対処できないと言っていました。
空港では、高官専用の特別な出口、通路、秘密の地下トンネルを使っていて、他の車は見かけませんでした。当時、迎えに来てくれた高官のほかに、銃を持った武装警察が4人いました。空港から北京に入るまで、武装警察の車が道を開けてくれていました。
来てくれたその高官の階級はよく分かりませんでしたが、それなりの権力を持っていると感じました。彼が空港に迎えに来てくれた時、彼の専用車は飛行機の真横まで走ってきて、税関職員が飛行機のすぐそばで私のパスポートにスタンプを押しました。その後、専用車は「貴賓(VIP)口」と書いてあるところから出ていきました。
迎えに来た車は、前に旗を立てた黒のレクサス2台で、専用通路と秘密通路を走っていました。
その高官と名刺を交換しましたが、時間が経ちすぎて、今はもう持っていません。
記者:日本の主要メディアもこのことを知っていると思いますか?
菅原氏:彼らは知っていますが、報道しないだけです。中国での事業展開を続けたいからです。
当時は日本の大手メディアの記者もいて、臓器移植を取材したいと申し出ましたが、病院側に断わられました。仲介の人と食事をしていたとき、記者もいました。
このことは本当に残酷で、今になって話しても、とても残酷に思います。3000万円を費やして2人の命もかけて、誰にとっても良いことではありませんでした。
しかし、中国人は正しいことをしていると思っていて、見かけは堂々としていました。彼らは洗脳されていました。
中国の医師たちも、自分が悪いことをしているとは思っておらず、死刑囚を処理していると考えていました。皆が洗脳されていて、皆がそう考えていました。
実に残酷なことです。