【明慧日本2024年5月30日】米国国際宗教自由委員会(USCIRF)は5月、2024年の年次報告書を発表した。報告書によると、2023年、中国における信仰の自由状況はさらに悪化し、中国共産党(中共)は法輪功を迫害し続けていると述べた。
最初のUSCIRF年次報告書は2000年5月に発表され、中国、ロシア、スーダンに焦点を当てたという。今でも、中共当局は、信仰の自由に対する権利を侵害する世界最悪の加害者であり続けている。
USCIRFは、党派を超えた米国連邦政府の独立機関であり、その主な役割は、世界各国における信仰の自由の状況や、信仰の自由に対する侵害の有無を監視し、米国大統領、米国国務省、米国議会に政策提言を行うことである。
国際宗教の自由年次報告書の表紙のスクリーンショット(USCIRF) |
この最新の報告書は、米国務省に対し、中共、ロシア、北朝鮮、キューバを含む12カ国に再び「特別に懸念すべき国」としてリストアップするよう勧告している。
昨年迫害されて死亡した法輪功学習者は209人
報告書によると、2023年、法輪功学習者に対して6514件の嫌がらせと逮捕(法輪功学習者)、1190件の実刑判決、209人の迫害による死亡の記録があった。
同報告書によると、中共当局は海外の宗教信仰団体に対しても、国境を越えた弾圧を行ったという。2023年、米国政府は中共のために、これらの違法活動に従事した個人を訴追した。
2023年4月、米司法省はニューヨークで中共の「秘密警察署」を違法に運営したとして、盧建旺と陳金平を逮捕・起訴した。盧は中共当局に代わり、米国内の宗教団体や反体制派を標的に、国境を越えた弾圧に関与した過去がある。
昨年5月、米司法省は、中共による米国内の法輪功学習者(以下、学習者)に対する国境を越えた弾圧を助長したとして、陳軍(ジョン・チェン)と林峰を起訴した。
USCIRFの委員「中共は、生きた法輪功学習者から臓器を摘出」
USCIRFのエイブラハム・クーパー委員長、フレデリック・A・デイビー副委員長らも意見を表明した。
彼らは、宗教的信仰に対する恐ろしい迫害を続けている中共当局のためにロビー活動を行うことを禁止することが急務であると主張した。こうした過酷な迫害は、中国のあらゆる信仰団体に影響を及ぼしている。
彼らは中共は法輪功学習者やウイグル人から臓器を摘出し、その中には臓器摘出時にまだ生きていた者もいたと述べた。
2023年、クリス・スミス下院議員(ニューヨーク州選出)が「生体臓器摘出停止法」を提唱し、同年3月に米下院を通過したという。
クリス・スミス下院議員(大紀元の写真) |
スミス下院議員は、下院での法案審議中に「国家主導の生体臓器摘出は、中共にとって大きなビジネスであり、全く衰える気配がない」と述べた。
「中共のもとで、毎年6万~10万人、平均年齢28歳の若い被害者が冷酷に殺されている。生きたまま臓器を摘出することは、反人類の犯罪であり、想像を絶する残酷さである」
「大量臓器摘出のドナーには、法輪功学習者やウイグル人が含まれる。彼らは平和的な坐禅やトレーニングをしており、並外れた健康状態であるため、臓器摘出のドナーになった」と指摘した。
USCIRFは、中国が「国際信教の自由法」(IRFA)で定義されている信仰の自由に対する組織的、持続的かつ深刻な侵害に関与しているとして、米国政府に対し、中国を「特に懸念すべき国」に再指定するよう勧告した。
また同委員会は、信仰の自由に対する深刻な侵害を犯した中共幹部や団体、特に中共統一戦線工作部、公安部、国家安全保障機構に対して制裁を科し続けるよう勧告した。