【明慧日本2024年6月16日】(明慧オーストラリア記者センターの報道)オーストラリア全土から集まった法輪功学習者(以下、学習者)は6月4日、首都キャンベラの国会議事堂前で記者会見を開催した。中国共産党(以下、中共)による法輪功に対する25年間続く残酷な迫害を制止するよう、また、公に声明を出し立法措置をとるなどをオーストラリア政府に求めた。
オーストラリア連邦議会の上下両院の会期中は、中共首相のオーストラリア訪問を前にしたタイミングであった。
各地の学習者は、1週間の活動を通じて、国会議事堂前で集会を開催した。学習者は、法輪功の功法の実演、記者会見、市中心部の幹線道路での真相横断幕の掲示、連邦議員や首都の非政府組織への訪問、街頭での反迫害署名活動など、様々な方法でオーストラリアの各界に法輪功が迫害されている実態を伝えた。そして、罪を犯していない善良な人々への中共による迫害事実をさらに詳しく伝え、オーストラリア政府が立法などの行動を取って、強制的な臓器収奪という反人類犯罪を制止するよう呼びかけた。
6月3日から6日まで毎日、国会議事堂前で集会を行い五式の功法を実演する学習者 |
市中心部の幹線道路の沿道で横断幕を掲げ街頭で反迫害の署名を集める学習者 |
6月4日の記者会見では、オーストラリアの主要メディアの取材と報道を受けた。
超党派の議員、学習者の代表、著名なカナダの人権弁護士のマタス氏、元中共のスパイなどが集会で発言した。学習者は、最近オーストラリアの市民から集めた署名入りの請願書を2人の議員に提出した。この請願書は、中共による法輪功への迫害を制止するように政府に求めるものである。
オーストラリア法輪大法学会会長「貿易は人権の犠牲の上に成り立つべきではない」
「今日は悲しい日です」オーストラリア法輪大法学会会長の趙博士は、記者会見でこのように述べた。
6月4日、キャンベラの国会議事堂前で開催された記者会見で発言したオーストラリア法輪大法学会会長の趙博士 |
中共は35年前の6月4日、天安門広場で多くの学生を殺害した。10年後、中共は法輪功を迫害し始め、1999年から25年間で無数の家庭が崩壊し、子供は孤児となった。何千人もの学習者が刑務所、留置場、精神病院、洗脳班に送られ、電気ショック、睡眠剥奪、灌食、性的虐待などの様々な身体的および精神的迫害を受け、さらには臓器取引のために殺害されることもあった。
趙博士は、中共の李強首相が今月中旬にオーストラリアを訪問すると述べ、「人権を犠牲にして貿易を成り立たせるべきではないので、私たちは外相や政治家の方たちが中共に対する人権問題を提起することを望みます。法輪功は、中国で最も迫害を受けている集団であるため、人権問題として議論されなければなりません」と語った。
上院議員「オーストラリアは、法輪功グループを支援する道義的な責任があります」
上院議員のポール・スカー氏は「今日、私はこの記者会見で発言するためにここに来ました。強い道義的責任を感じます。この道義的な責任は、私がクインズランド州の議員を務めていた時に、オーストラリアの家族、市民、住民の代表たちから受けた訴えに由来します。彼らは、法輪功を修煉している家族や友人が迫害を受けていることへの深い関心、苦しみ、悲しみを私に訴えていました」と述べた。
6月4日の記者会見で発言した連邦上院議員のポール・スカー氏 |
また、スカー議員は「私は、中国における法輪功学習者に対する迫害への懸念を表明することが、私の重要な道義的責任であると考えています。私は、オーストラリア政府には政治的責任だけでなく、道義的な責任もあると考えています。中共に対してこれらの懸念を提起し、学習者に対する迫害が終わるまで、継続的に提起することは、当然のことです」
「特に今年は、オーストラリアは中共が25年間継続的に法輪功を迫害している状況について深い責任感を持つべき時です」と語った。
「真・善・忍」は全人類を激励する普遍的な価値観である
学習者が25年間、平和的かつ理性的な方法で迫害に反対し続けていることに関して、スカー議員は記者に、「迫害の停止を訴え、引き続き迫害の終結を呼びかけることは、絶対に重要なことです」と語った。
法輪功の原則である真・善・忍は、全人類を激励する普遍的な価値観であることを示し、スカー議員はさらに、「真・善・忍は、美しい三つの価値観です。私たち一人一人が日常生活の中で、真・善・忍が普遍的な価値観であることをよく考えておく必要があると思います」と述べた。
上院議員「法輪功学習者のみなさんが、人類のために立ち上がってくださったことに、心より感謝申し上げます」
マルコム・ロバーツ上院議員は、集会でのスピーチで、学習者が中共によって迫害されていることに対する深い悲しみと怒りを表明した。「私はまず、みなさんが経験してきたすべてのことについて、深い同情の意を表します。中国にいるご家族が拘禁と拷問を受けていることを知っています。また、みなさんの中にも、迫害と拷問を受けたことがある人がいることも私は知っています」
「同時に、学習者のみなさんが信仰の自由を守るために払ってきた努力に、深く敬い、感謝します。みなさんが行っていることに私は深い敬意を表します。なぜなら、自由を取り戻す唯一の方法は自由を擁護することであり、まさにみなさんが今行っていることだからです」と語った。
6月4日の記者会見でスピーチをする連邦上院議員のマルコム・ロバーツ氏 |
「皆さんの素晴らしいご尽力に心から感謝を申し上げます。生命の自由、言論の自由、行動の自由ほど大切なものはありません。人類のために立ち上がってくださったことに、心からの敬意を表します」とマルコム・ロバーツ氏は語った。
法輪功グループが議員に請願書を提出
学習者が最近、オーストラリアの各界の人々から請願書の署名を集めており、請願書では中共による法輪功グループへの迫害を終わらせるよう支援することを政府に求めている。集会当日、学習者たちは約2万4千の署名を集めた請願書を、2人の連邦議会議員に提出した。
6月4日、学習者は連邦議会議員スカール氏に請願書を提出 |
6月4日、学習者は連邦議会議員ロバーツ氏に請願書を提出 |
上院議員のスカール氏は、「オーストラリアの地域社会の何万人もの人々によって署名された請願書を受け入れることは、私の道徳的義務でもあります。これが、今日私が果たさなければならないもう一つの道徳的義務です。それは、皆さんの声に耳を傾け、オーストラリア政府に行動を促すこの請願書を受理することです」と語った。
また、上院議員ロバーツ氏も「学習者が提出した請願書を受け取ることができて、非常に誇りに思い光栄です」と述べた。
著名な人権弁護士がオーストラリアを訪問し中共の犯罪を阻止するための立法を促進
国際人権法専門の著名なカナダ人弁護士・デービッド・マタス氏が長年にわたり各国で立法を推進し、多くの国家が中国による強制的な臓器収奪の共犯となることを阻止してきた。前日、デービッド・マタス氏は再びカナダからわざわざオーストラリアにやってきて、当日、記者会見に参加して発言した。
6月4日の記者会見で発言したカナダの国際人権弁護士であるデービッド・マタス氏 |
デービッド・マタス氏は、メディアに対して今回の訪問の目的を「私は、立法、政策、行動を通じて、オーストラリアが中国の臓器移植乱用(犯罪行為)に関与することを阻止したいと考えています」と説明した。
また、デービッド・マタス氏は発言の中で、2006年に彼と故デービッド・キルガー氏が初期に報告書を作成した時、中国で法輪功学習者が大規模に虐殺され、臓器を摘出されているという結論に達したことを強調した。
「中国は、良心犯を組織的に大量虐殺して臓器を摘出する唯一の国です。この状況は当初、主に法輪功学習者を標的としていましたが、2017年以降、この悲劇はウイグル人にも急速に拡大しています。もちろん、他にも影響を受けている少数民族はいます。これらの国境を越えて行われる立法とデータ収集に関する国際的なレベルで行われる措置に加えて、中国の濫用行為と被害を受けたグループ、特にウイグル人、チベット人、家庭教会のキリスト教徒、そして法輪功学習者に対する特別の関心が必要です。彼らは深刻な迫害を受けており、国際社会がもっと関心を向けるべきです」とデービッド・マタス氏は語った。
オーストラリアにおけるこの立法の進展について、マタス弁護士は「一定の進展は得られたものの、最終的な目標にはまだ到達していません」
「多くの国がすでに、国民が海外で違法な移植手術に関与することを禁止する法律を制定していますが、オーストラリアはまだそのような法律を制定していません」
「立法は連邦レベルで行うことも、州レベルで行うこともできます。したがって、私は連邦議会と州議会が行動を起こし、このような共犯行為を防止することを望みます」と語った。
マタス弁護士は最後に、「現在、人権問題に関する議案が積極的に討論されています。世界各国の議会、例えば米国議会、欧州連合議会、カナダ議会、人権小委員会、外交事務委員会などでは、いずれも同様の議案や決議を採択しています。オーストラリアで同様の議案を提出することは有益かつ重要なことです」と述べた。
亡命したスパイが、一般の人々に中共の真の姿を認識するよう呼びかける
オーストラリアに亡命した元中共スパイのエリック氏も当日の記者会見に現れた。
エリック氏は、「35年前の『六・四事件』(訳注:天安門事件)によって一部の人々が中共の本質を認識するようになりました。しかし、中共の歴史における数々の残虐行為に目を向けると、みなさんは彼ら(中共)の真の姿をもっと早く認識すべきだったことに気付くでしょう」
「人々に中共の真の姿に関する一つの現実を認識するよう呼びかけ、共産党は、みなさんが信仰を持っていようと、道徳を持っていようと、犯罪者であろうと、常に最もシンプルで実用的な原則を実行します。それは『あなたは中共の側に立っていますか?』というものです。それ以外に、中共はみなさんの個々の特性や立場を気にしません」と語った。
6月4日に記者会見で発言したオーストラリアに亡命した元中共スパイのエリック氏 |
エリック氏は、タイにいる学習者である李桂新さんを中共が連行しようとしたことを例に挙げた。「秘密警察による彼の逮捕の詳細に、当人は衝撃を受けました。秘密警察による彼の逮捕の詳細については、世界中の人々もほとんど知りません。今後、これらの詳細を徐々に明らかにします」
エリック氏は、中共は必ず失敗し、自由を求める非暴力的抵抗者が必ず成功すると考えている。
集会当日、他にも多くのオーストラリア人の家族が発言した。中国にいる彼らの親族は、法輪功学習者であるために中共による迫害を受け、不当な逮捕、判刑、拷問などの被害を受けているという内容であった。家族たちは、オーストラリア政府に対し、中共による法輪功グループへの迫害を制止するように支援を求め、一日も早く親族と再会できるようにと訴えた。