EUが中国と人権対話 法輪功学習者への迫害停止を求める
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 【明慧日本2024年7月7日】(ヨーロッパ=明慧記者)第39回欧州連合(EU)・中国人権対話が6月16日、中国の重慶市で開催された。EUは6月17日に声明を発表し、中国共産党(以下、中共)に対し、人権迫害を停止し、不法に拘束されている法輪功学習者(以下、学習者)の釈放を促した。

图1:欧盟网:二零二四年六月十六日,第三十九次欧中人权对话在重庆举行。

第39回EU・中国人権対話が重慶市で開催された(EUホームページより)

 EUは声明の中で、中国の人権状況は「非常に深刻」であり、憂慮すべきものであると繰り返し述べた。 同会合でEUは、中共による人権擁護者、弁護士、ジャーナリストに対する弾圧の報告に特に言及し、中共に対し、人権侵害を調査し、停止するよう促した。 EUはまた、不法拘留、強制失踪、拷問、虐待の事例についても懸念を表明した。

 声明は、学習者の許娜さんと丁元徳さんを含む、信教の自由の権利を行使したために、個人の自由を奪われたことについて再び言及している。

 北京の画家が不当に懲役8年を言い渡され、いまだ行方不明

图2:北京法轮功学员、独立画家许那

北京の学習者であり、独立画家の許娜さん

 北京の学習者で、画家・詩人の許娜さん(56)は、疫病流行中の北京の実際の街頭風景の写真を発表したとして、中共に迫害されている。2020年7月19日、彼女は北京市公安局国家安全保衛隊、順義区公安国家安全保衛隊、順義空港派出所によって自宅から連行された。翌日、警察は許さんの自宅で家宅捜索を行い、パソコン、携帯電話、ビデオカメラなどの私有財産を持ち去った。同日、学習者の李宗澤さん、李立鑫さん、鄭玉洁さん、鄭艳美さん、鄧静静さん、張任飛さん、劉強さん、孟慶霞さん、李佳軒さん、焦孟嬌さんの13人も連行された。

 2021年10月15日、北京市東城区法院(地裁に相当)は不法に開廷審理を行った。 2022年1月14日、東城区法院は、許娜さんに対して懲役8年、罰金2万元、李宗澤さん、李立鑫さん、鄭玉洁さん、鄭艳美さんに対し懲役5年、罰金1万元、鄧静静さん、張任飛さん、劉強さん、孟慶霞さんに対して懲役4年、罰金8千元、李佳軒さん、焦孟嬌さんに対して懲役2年、罰金4千元の不当な判決を言い渡した、 

 その後、徐娜さんと他の学習者は上訴した。2023年5月18日、北京市第二中級法院(高裁に相当)は審理を開かずに、一審の原判決を維持する判決を下した。

 2023年9月20日、許娜さんは北京市東城区拘置所から天河刑務所に移送され、同年11月頃、北京女子刑務所第三区10組に移送されたが、その後、突然第三区を離れ、所在がわからなくなり、現在も行方不明となっている。

 善良な農民への長期にわたる迫害 欧州議会が非難決議を採択

图3:法轮功学员丁元德和他的妻子马瑞梅

丁元徳さんと妻の馬瑞梅さん

 中国の山東省日照市五聯県に住む丁元徳さんは2023年5月12日早朝、日照市東港区公安局、五聯県公安局、叩官鎮公安局などの悪辣な警官と、いわゆる公安、検察、法院(裁判所)関係者と呼ばれる10数人が、人目を避けるために私服と普通の乗用車で学習者の丁さんと馬さんを強制連行した。丁さんは6月13日から日照市留置場に留置され、7月20日に日照市東港区公安局に不法に逮捕された。

 丁さんが拘束されて以来、ドイツにいる息子の丁楽斌さんは、国際的な注目と両親の救出を求める運動を積極的に展開している。6月14日、2人の警察官が丁さんの自宅を訪れ、馬さんを威嚇・脅迫し、丁さんを実刑に処するとわめき立て、その理由は海外で丁夫妻を救出する活動が展開されているからだと言い、丁夫妻への迫害に参加した直接の責任者である元日照市党委員会書記・張慧らに対して、海外の政治家から丁夫妻への迫害を直ちに停止するように、無条件で釈放することを要求したからだという。

 2023年11月28日、五聯県法院は丁さんに対して不法に開廷審理を行い、12月15日に丁さんに3年の実刑、罰金1万5千元の不当な判決を言い渡した。

 2024年1月29日、日照市中級法院は、審理を行うことなく、丁さんの上訴を却下し、一審の判決を支持するとの判決を下した。

 丁さんの82歳の母親は、丁さんの不法な逮捕と迫害、判決を受けてから、一日中涙と悲しみと恐怖の中で、日夜息子の生命の安否を心配していた。特に、旧正月の時期に、家で再会する息子に会えず、2023年12月26日に突然亡くなった。丁さんの妻・馬さんは、現在も自宅に軟禁された状態にあり、盗聴されているという。

 2024年3月20日、日照市当局は丁さんを日照市拘置所から山東省の刑務所に移送し、それ以来拘禁されている。

 明慧ネットの2023年12月の報道によると、日照市公安局政治委員と国家安全保衛隊の指揮で、各地区・県公安局・派出所がいわゆる「特例事件303」の執行により、2023年5月12日と13日、全市で数十人の学習者を逮捕し、丁さん、洪梅霜さんと郭欣さんなど少なくとも21人の学習者が連行されたという。その後、五聯県法院に有罪判決を言い渡され、罰金を科せられた。その中で、洪梅霜さんは、5年6カ月の懲役と1万元の罰金を言い渡された。 郭欣さんは、懲役4年3カ月、罰金3万元を言い渡された。

 国際社会からの救出 欧州議会が緊急決議

 両親が連行されたことを知り、丁さんの息子である丁楽斌さんは直ちに国際社会に救出を訴え、多くの努力をした。2024年1月18日、欧州議会は「中国で続く法輪功への迫害、特に丁さんへの迫害」に関する緊急決議を採択し、中共に対し、丁さんとすべての学習者を即時かつ無条件で釈放するよう求めた。

 このほか、決議案は、EUとその加盟国に対し、中国の濫用的な臓器移植の慣行を公に非難し、EUの世界的な人権制裁制度とそれに対応する各国の制裁制度を利用して、中国内外の学習者への迫害に関与するすべての加害者と団体を制裁するよう求めている。EUの措置として、ビザの発給拒否、資産の凍結、EU領域からの追放、域外裁判管轄権に基づくものを含む刑事訴追、および国際法に基づく刑事告発が含まれるべきであることを強調した。

 同時に欧州議会は、EUおよびその加盟国に対し、法輪功への迫害に関する国際的な調査を支持し、中国(中共)当局とのすべての政治的・人権的対話において、(中共による)宗教的少数派への迫害を提起するよう求めるとともに、加盟国および駐中国EU代表部に対し、学習者およびその他の迫害されている集団に対する不法な裁判を監督するよう求めた。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/6/29/479167.html)
 
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