香港の法輪功ブースを破壊した被告が上訴 裁判所は棄却
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 【明慧日本2024年8月6日】香港では近年、法輪功の街頭展示物が破壊される事件が発生している。昨年、香港当局は、黄大仙と旺角で法輪功の展示板や横断幕を損壊したとして、胡愛民ら3人を逮捕、起訴した。九龍城裁判所(一審)は胡愛民に有罪判決を言い渡したが、被告は不服を申し立て、上訴した。今年7月25日に開かれた香港高等法院(二審)では、上訴を棄却し、一審判決を維持した。

图1:二零二一年四月三日,四名歹徒在旺角豉油街法轮功<span class='voca' kid='62'>真相</span>点实施暴行,他们扯烂罗马旗,用尖刀划破展板,将黑墨喷在横幅上。

2021年4月3日、4人の男が旺角にある法輪功展示ブースを破壊した。のぼり旗を引き裂き、展示板を割り、横断幕に黒インクを吹きつけた

 一審の九龍城裁判所は2023年、2件の「刑事毀損」罪を判じ、支持役を担った胡愛民に即時15週間の懲役刑を、実行犯の周永林には即時9週間の懲役刑を言い渡した。さらに、2人はそれぞれ被害者に2,300香港ドルの賠償金の支払いを命じた。

 有罪判決に不服を申し立て上訴した胡愛民の弁護士は、胡が直接的に破壊行為に加わっていないことを強調していた。しかし、二審である高等法院の姚勲智裁判官は、被告の主張は成立しないとして棄却した。

 姚勲智裁判官によれば事件前夜、胡愛民は携帯電話から、微信(ウィーチャット)で「明日、香港全土で法輪功(への破壊活動)をやる。有志者を募集する。支持するか」というメッセージを送っていた。これは、被告側が主張するような単なる法輪功への不満の表明ではなく、刑事事件と直接関連していると指摘した。

 胡愛民の携帯電話には、共犯である周永林と32件の通話記録もあった。多数の防犯カメラ映像、現場写真、動画などの証拠の累積効果を考慮し、裁判所は胡愛民が他の2人と共同で犯行を行い、共謀して「刑事毀損(器物損壊)」に及んだとの結論を下した。

 姚裁判官は、胡愛民が共謀し、前夜までに犯罪計画を立て、事件で主導的役割を果たし、さらに繁華街における公然の犯行だったことから、「15週間の懲役刑は既に寛大な処置だ」として一審判決を支持した。

 2020年から2021年にかけて、香港における法輪功の街頭資料展示やブースを破壊する事件が何度も発生しており、胡愛民がいくつもの事件に関与している。2020年には5回に渡りブースを破壊し、一審で2週間の懲役刑、30か月の執行猶予が言い渡された。このほか、4度の刑事罰の記録があり、暴力犯罪や賭博で罰金を科されている。

 事件の被害者の一人である法輪功学習者の黄氏も、7月25日の法廷を傍聴していた。「裁判官が上訴を棄却したのは正しく、結果は予想通りだった」と述べた。

 この裁判の審理では証言台に立っている。事件当日、黄大仙広場付近で活動し、横断幕や展示板を展示していたところ、2人の暴徒が突然ナイフで展示物を切り割き、スプレーで汚損したと証言した。

 また、街頭で法輪功が中国共産党に迫害されていると伝えるだけで、暴徒は嫌がらせや脅迫を行い、時には暴力を振るうと話した。黄氏は、事件の判決が警告的な効果を持つと考え、法輪功を迫害する人々に協力するといった悪事を止め、悔い改めることを促した。

图2~3:案件审讯期间出庭作证的法轮功学员黄先生,二零二四年七月二十五日到高等法院旁听。

法輪功学習者の黄氏は、2024年7月25日に高等法院で傍聴した。この裁判の審理中には証言台にも立っている

 「善悪には報いがあり、人の行いを天は見ていると信じています。これらの人々が手を引き、中国共産党のために悪事を働くのをやめることを願っています」と黄氏は述べた。

 米国務省報告書 香港の事件に言及

 この事件は国際的な注目も集めている。今年6月26日、米国務省が発表した「2023年世界宗教自由報告書」の香港に関する章では、この事件の判決結果に言及し、香港の法輪功学習者が中国共産党関連組織からの嫌がらせを受けていると指摘している。

 香港の法輪功学習者は中国共産党の迫害に対して平和的に抗議しているが、長期にわたり中国共産党の外郭組織や暴力団の暴徒からの攻撃を受けている。この事件の前後1週間で、香港全土の少なくとも6つの法輪功ブースは10回以上の破壊行為を受けた。警察はその後8人を逮捕し、そのうち6人が有罪判決を受けた。警察筋によると、関与者の大部分に暴力団の背景があるという。

 2021年4月12日には、香港の「大紀元時報」を印刷する印刷工場が襲撃を受け、印刷機やコンピューターが破壊されたが、警察は今日まで事件を解決していない。同年5月11日には、香港法輪大法仏学会の会長である梁珍氏が暴徒に路上で棒で殴打され、複数か所の打撲を負った。警察はその後1人を逮捕したが、起訴するには証拠が不十分だと述べた。

 もう一件は、2019年9月に法輪功学習者の廖氏が警察と10月1日のデモについて話し合った後、暴徒に殴打され頭部から出血したものだ。「見張り役」を務めた22歳の男性、柯衍湛は2022年に「故意傷害」罪で2年9ヶ月の懲役刑を言い渡された。

 法輪功の反迫害25年

 今年7月20日で、中国共産党による法輪功迫害は25周年を迎えた。中国共産党による法輪功学習者からの強制臓器摘出などの残虐行為は国際的な非難を受けている。今年6月25日には、米国議会下院が「法輪功保護法案」を可決した。この法案が施行されると、中国国内で臓器摘出に関与した人物に制裁が課されることになる。

 法輪功は創始者の李洪志氏が1992年に公に伝え始めたもので、5通りの功法と、真・善・忍の原則に基づいて修煉者の道徳性を向上させることを含む。32年間で法輪功は世界中に広まり、主要な著作である『転法輪』は40以上の言語に翻訳されている。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/7/30/480302.html)
 
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