【明慧日本2024年8月17日】(ワシントン=明慧記者)中国共産党(以下、中共)の迫害を逃れた黒竜江省の法輪功学習者・程佩明さんは8月9日、ワシントンD.C.で開かれた記者会見で、臓器を強制的に摘出された実体験を語った。複数の移植専門家が声明を発表したり、ビデオを録画したりして、程さんの肝臓と肺の一部が摘出されたことを証明した。ワシントンの人権活動家たちは、中共による臓器収奪の残虐行為を制止するために、各国政府に行動を起こすよう呼びかけている。アメリカとイギリスの複数のメディアがこの事件を報じた。
8月9日、ワシントンD.C.で記者会見が開かれた |
李祥春医師「程佩明さんの左肝臓と左肺は一部切除された」
ハーバード大学医学部でMRI画像診断研究に従事し、法輪功を広めたとして中国で3年間拘禁されたアメリカ籍の法輪功学習者の李祥春医師は記者会見で、2020年に程さんが米国に到着した後、CTスキャン3回、超音波検査3回、X線検査2回(うち1回はバリウムを使用)、MRI検査1回を含む9回の異なる医療画像検査を受けたと述べた。
李祥春医師は、「私たちは約4000件の医療スキャンを収集しました。検査の結果、程さんの肝臓の2セグメントと3セグメント、および左肺の左下葉の半分が欠損していることが判明しました」と述べた。
8月9日の記者会見で臓器を強制摘出された実体験を語る程さん(中) |
移植専門家 程さんの臓器が摘出されたことを確認
オーストラリア、メルボルンの心臓・肺移植外科医であるデイビッド・マクギフィン教授は声明で次のように述べた。「2023年7月、中国における臓器移植濫用をなくす国際連合(ETAC)のスージー・ヒューズ執行役から、強制移植の被害者である可能性のある患者の胸部CTスキャンに関する専門的な意見を提供してほしいと連絡がありました。私はボランティアの立場でETACの国際委員会とオーストラリア委員会の委員を務めています。CTスキャンは程佩明さんのものです。胸部CTスキャンでは、肺の左下葉の少なくとも半分が切除されていました」
マクギフィン教授はオーストラリアで訓練を受け、米国アラバマ州バーミンガムにあるアラバマ大学バーミンガム校で長年勤務していた。2013 年にオーストラリアに戻り、アルフレッド病院の心臓胸部外科の部長およびメルボルンのモナッシュ大学の心臓胸部外科教授を務めている。
肝胆膵外科および肝移植分野におけるもう一人のアジア太平洋地域および国際的な先駆者であるラッセル・W・ストロング教授は、1985年にオーストラリア初の肝移植プロジェクトを設立し、多くの分野を開拓してきた。同教授は声明で「私が見たCTスキャンでは、肝臓の左側部分(第2と3セグメント)が欠損しています。 肝セグメント4は存在し、肥大していますが、おそらく左側部分の切除によるものだと思います」と述べた。
記者会見では、台湾人医師の于楷庭氏が意見を語るビデオも上映された。
1つ目は、肝臓の左外葉の一部が欠損しています。具体的には、8葉の分割を用いると、本来の第2葉と第3葉が欠けていることを意味します。
2つ目は、肝第4小葉と肝右葉のサイズが大きくなっています。 これらの増大は、肝左葉の部分切除によってもたらされた肝組織の対応する再生に関連している可能性があります。
第3に、3D再構成コンピューター断層撮影画像から、肝臓左葉の一部の表面に凹凸があることが分かります。これらの凹凸は、手術後に残った瘢痕組織が原因である可能性が最も高くなります。 肝硬変、肝線維化、慢性肝炎、バルド・ギアリー症候群など、肝臓の表面に凹凸を生じさせる問題は通常、肝臓全体の全身的な変化をもたらすため、肝臓の表面は局所的な部分だけでなく全体的に凹凸があるはずです。程さんの画像では、肝臓の左葉の表面だけが部分的に凹凸があります。さらに、程さんの病歴には肝腫瘍や肝膿瘍などの関連記録はありません。これらの症状は、アメリカの臨床医の観察や検査報告には見られませんでした。したがって、肝臓左葉の表面の凸凹の原因は、やはり前回の手術によるものである可能性が高いです。
于楷庭医師は現在、大学病院に勤務している。内科の主治医であり、消化器、肝胆道、胃腸科の内科医でもある。
8月9日の記者会見で、国際移植専門家らは、程さんの肝臓と肺の一部が切除されたことを確認した |
程佩明さん「迫害され亡くなった仲間のために声を上げる」
程さんは2015年に中国から逃亡し、2020年にタイから米国官員の援助を受けて渡米した。
程さんは記者会見で、「今日、私が立ち上がった理由は、かつて私と一緒に拘束された仲間の同修たちが、もう声を上げることができず、亡くなってしまったからです。 私たちはかつて、誰かが生きて釈放される限り、そこで起きたことの真実を世界に伝えなければならないという約束をしました。アメリカに来るのはとても大変で、私を助けてくれたアメリカ政府に感謝しています」と語った。
程さんの救出に参加した元国務次官補のロバート・A・デストロ氏は記者会見で、「我々は程さんに一連の健康診断を実施し、事件を研究し、専門家に専門的な診断と評価を依頼しました。それらの写真(と証拠)は非常に説得力のあるものでした」と述べた。
デストロ氏は「私が言いたいのは、これは大きな問題だということです。これが単なる法輪功の問題だとは言わないでください、そうではありません。これは大きな問題です」と強調した。
デストロ氏は以前、米国務省で民主・人権・労働問題担当国務次官補を務め、現在はカトリック大学コロンバス法学部の法学教授である。
記者会見でスピーチする元国務次官補のロバート・デストロ氏 |
人権活動家 中共による臓器収奪の停止を呼びかける
ラントス人権正義財団の理事長であるカトリーナ・ラントス・スウェット博士は声明の中で、中共政権による国境を越えた弾圧に直面しながらも声を上げる勇気を持った程さんを称賛した。
同博士は次のように述べた。「ランタス財団は以前、程さんへの取材の機会があり、彼が加害者の手中で経験した衝撃的な苦難を知りました。我々は彼の直接の証言が信頼できるものであり、非常に憂慮すべきものであると認識しています。本日提供された情報は非常に重要です。なぜなら、それは中国における臓器の強制摘出という形で発生している人権侵害の衝撃的な証拠をさらに提供するものだからです」
「私たちは、このことに注意を喚起し、これを阻止するための法律や政策を実施するよう各国政府に呼びかけるために、もっと努力しなければなりません 」
共産主義被害者記念財団(VOC)の会長、エリック・パターソン博士は声明で、「生存者の証言は、強制手術と重大な人権侵害の深く憂慮すべき証拠を明らかにしています。 共産主義被害者記念財団では、いかなる形態の強制的な医療介入や虐待、特に弱い立場の人々を標的にした強制的な臓器摘出を強く非難します。この事件は、中共による医療残虐行為に対処する緊急の必要性を浮き彫りにしています。 私たちはすべての被害者とともに立ち上がり、最近導入された法輪功保護法などの措置への支援を含め、このような残虐行為を防止するための強力な行動を求めます。我々は、これらの人権侵害を終わらせ、加害者の責任を追及しなければなりません」と述べた。
中国における臓器移植濫用をなくす国際連合(ETAC)の顧問委員会の会長、ウェンディ・ロジャース教授は声明で次のように述べた。「程さんは強制的に手術を受け、一部の肝臓と肺が切除されました。彼には手術の必要がある病歴もなく、手術に同意もしていませんでした。したがって、これは外科手術によって臓器の一部が盗まれ、痛みと苦しみを引き起こす事件です。この事件は、中国における良心の囚人に対する人権の無視を示しています」
「私の知る限り、程さんが外科手術による攻撃を受けたことは、より広範な迫害、監禁、拷問の一部であり、これらの事件は彼が法輪功の修煉者であるために彼に降りかかったものです」
中国における臓器移植濫用をなくす国際連合(ETAC)の共同創設者で人権弁護士のデービッド・マタス氏は、次のように述べた。「これはある意味では、程さんは臓器を摘出された法輪功学習者の典型的な例です。しかし別の意味では、彼は珍しいケースです。なぜなら、彼は臓器摘出からの生存者で、肝心な臓器である肝臓と肺が部分的に摘出されただけであり、中共当局と中国から逃れることができたからです」
「他の法輪功学習者と同様に、程さんは臓器が摘出されることを決して告げられませんでした。後にも彼が臓器を摘出されたことも知らせられることはありませんでした」
「程さんの案件は非常に異例の性質を持っており、生存と脱出ができました。しかし彼の被害は、法輪功に対する残酷さが普遍的であることを示しています。この残酷さは臓器収奪にまで及んでいます。彼の証言は、日常的な状態を証明するものであり、法輪功学習者が大規模に殺害され、臓器を摘出されるという中共の恐ろしい現実を証明するものです」
記者会見でスピーチするデービッド・マタス氏 |
ワシントンD.C.を拠点とする法輪功の迫害を調査する連合(CIPFG)は2006年5月、カナダ・アジア太平洋担当大臣デービッド・キルガー氏と著名な国際人権弁護士デービッド・マタス氏に、中共による法輪功学習者から臓器収奪事件の調査を依頼した。2カ月間の調査を経て、「中国における法輪功学習者の臓器収奪疑惑に関する報告書」は、2006年7月6日に発表された。 報告書は、特に法輪功学習者に対する組織的な臓器収奪の悲しい疑惑が事実であることを確認した。報告書はまた、中国における政府主導の無実の被害者に対する迫害は、世界でも前例がない邪悪さだと言及している。