【明慧日本 2024年12月15日】カナダ・トロントの法輪功学習者(以下、学習者)は12月10日の「国際人権デー」に中国領事館前で集会を開いた。中国共産党(以下、中共)による25年にわたる学習者への迫害に抗議し、中共当局に対してカナダ在住の何立志さんの弟で甘粛省の学習者である何立忠さんの即時無条件釈放を求めた。
「国際人権デー」に中国領事館前で集会を開いたカナダ・トロントの学習者 |
集会の中で発言するカナダ在住の学習者何立志さん |
迫害される善良な人々
何立志さんは、集会で弟の何立忠さんの受けた迫害について語った。何立忠さんは甘粛省民勤県の農民で、1999年から法輪功を修煉し始めた。同年7月、中共が大規模な弾圧を開始した後も、修煉の機会を大切にし、混乱の時代にあっても善良な人として生きてきた。2010年2月、何立忠さんは村民に修煉による恩恵について語ったところ、通報され、3年間不当に監禁された。その間、深夜まで立たされたり、数カ月間鉄格子に閉じ込められたり、数十日間独房に入れられたりするなど、厳しい迫害を受けた。
2023年7月12日、甘粛省の警察は何立忠さんの自宅に押し入った。80歳を超える両親の目の前で、携帯電話に法輪功関連のコンテンツがあることを理由に何さんを連行し、銀行通帳も奪った。家族は弁護士を雇って無罪を主張し、国家憲法が信仰の自由を保障していると説明したが、民勤県裁判所はこの訴えを退けた。数カ月後、家族は何さんの事案が武威市裁判所に移送されたことを知り、市裁判所は刑法第300条を濫用して何さんに7年の実刑判決を言い渡した。
過去1年半の間、監獄側は様々な理由をつけて何立忠さんへの家族の面会を阻止してきた。その理由の一つは、何さんが信念を放棄せず、法輪功の修煉を続けているということだった。拷問され、家族との面会も許可されていない弟について、兄の何立志さんは「監獄が後ろめたさを感じ、何立忠さんへの虐待や拷問の証拠が明るみに出ることを恐れている」と指摘した。
真相を伝えて不当に監禁
現在カナダに住む兄の何立志さんは、かつて中国冶金部・建設部の上級エンジニアで、国家優秀工程設計賞と部級個人賞を受賞した。しかし、このような優秀な人材でさえ、中共の暴力的な統治機構の下で残酷な迫害を経験した。1999年、中共が法輪功への迫害を開始した後、何さんは法輪功が国家と国民に有益であることと中共の迫害の真相を手紙で伝えたため、北京国家安全局に連行され3年半不当に監禁され、監獄での拷問により命の危険に晒された。
何立志さんは集会で自身の迫害経験を振り返った。侮辱や暴行、睡眠剥奪、トイレ使用禁止、長時間の固定姿勢の強要、長期の強制労働、高圧電気棒による電撃など...これらの経験を思い返し、何立志さんは弟の身の安全を一層案じている。
何立志さんの妻の張麗さんも法輪功を修煉していたため、中共に何度も逮捕・拘束され、何さんが監禁されていた間は毎日警察の監視下に置かれた。2001年、張麗さんはカナダに渡り、現地の学習者とともに何立志さんの救出活動を始めた。アムネスティ・インターナショナルは何立志さんを良心の囚人と認定し、中国政府に無条件釈放を求めた。2002年10月、カナダ下院は全会一致で法輪功支援の動議案を可決し、カナダ首相にメキシコでのAPEC首脳会議で中共指導者に対し、何立志さんを含む13人の収監された法輪功学習者(カナダ在住者の親族)の釈放を要求するよう求めた。2004年1月、何立志さんは刑期を終えて釈放され、カナダ政府の支援を受けて同年5月にカナダで妻と再会した。
しかし、海外にいる何立志さんは遠く離れた家族に会うことができず、互いの通信も中共の監視下にあり、弟の現状を知ることも難しい状況である。
人権侵害の第一線に立つ中共の公権力
弟の何立忠さんの即時釈放を呼びかける何立志さん(右から三番目) |
何立志さんは集会で次のように述べた。「本来、監獄の警察官も尊重されるべき存在だ。しかし不幸なことに、法輪功への邪悪な迫害において、中共は中央から地方の各級政法委員会を通じて、公安、検察、裁判所、司法など全ての部門を善良な人々への迫害と人権侵害の犯罪の第一線に押し出した」
利益と欲望に駆られ、中共統治機構の内部者は徐々に人間性と良心を失い、荒唐無稽で怒りを誘う数々の罪を犯してきた。勤勉に働き、親の面倒を見る農民に対してさえ、中共の警察は正義と道徳を無視し、法律の名の下に残酷な虐待と迫害を行っている。その理由は、ただその農民が法輪功の真・善・忍を信仰し、携帯電話で人々に善を勧めていたということだけだ。
何立志さんは、監獄の警察官が学習者の善良な品性を目の当たりにした後、冷静に考え、善悪を見分け、利益のために良心を売り渡すことがないよう願っている。そして、学習者を迫害した警察官が重病や交通事故で負傷・死亡した事例を挙げ、加害者に迫害をやめるよう警告した。「善悪には必ず報いがあるという天理は不変である。天網恢恢として漏らさず、この世で悪事を働く者も最後には人間社会の正義の裁きを逃れることはできない。第二次世界大戦中にナチスに従い人道に対する罪を犯した戦犯のように、生涯追及から逃れることができず、世界のどこにも身を隠す場所はなく、安寧の日々を得ることはできないのである」
集会主催者 「法輪功への迫害は人類全体の悲劇」
演説をする集会の主催者、張丕新さん |
集会主催者の張丕新さんは次のように述べた。「25年前、中共は平和で表彰も受けていた法輪功団体に対して、違法で致命的な迫害を開始した。2001年、アムネスティ・インターナショナルは報告書で、中共の法輪功に対する中傷宣伝は危険で政治的意図に満ちていると述べた。中共の法輪功への宣伝攻撃は、組織的で計画的、そして底なしである。事実を歪め、思想を操作し、被害者を悪魔化している」中共の邪悪な手は早くも海外に伸び、西側主流メディアにも迫害の真相を隠蔽する悪行に加担させている。
張丕新さんは、中共の宣伝によって人々が迫害の罪行に無関心になると、中共はあらゆる対象に人権侵害の罪行を実行できるようになると指摘した。沈黙は中立ではなく、共謀である。そのため、発言の中で「法輪功への迫害は中国だけの悲劇ではなく、人類全体の悲劇である。世界は中共に利用されないよう目覚めるべき時が来ている」と呼びかけた。