台湾の学者、「法輪功4.25平和陳情」について語る
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 【明慧日本2025年4月29日】(台湾=明慧記者)台湾の学者2人に先日、法輪功4.25平和陳情」に対するインタビューを行い、2人が見解を語った。1人は、多くの台湾企業の顧問を務め、2020年に『共産世界大歴史』という書籍を出版した呂正理(りょ・せいり)氏。もう1人は、「台湾企業中国投資被害者協会」の理事長・高為邦(こう・いほう)氏である。

 「法輪功4.25平和陳情」の経緯

 1999年4月25日、1万人の法輪功学習者(以下、学習者)が中南海西門近くの国務院信訪弁公室(陳情受付部署)に赴き、陳情を行った。彼らは、天津市で警察に不当に拘束された45人の学習者の釈放を求めると同時に、法輪功関連書籍の合法的な出版と、合法的に学べる環境の保障を当局に求めた。この一連の出来事は「法輪功4.25平和陳情」と呼ばれ、国際メディアからは「中国史上、最大規模で、最も平和かつ理性的な陳情活動」と評価されている。

 「4.25」平和陳情においては、当時の国務院の朱鎔基首相が対応にあたり、学習者の要望に対して前向きな回答をした。しかし残念なことに、当時の中国共産党(以下、中共)総書記・江沢民がその回答を一方的に否定し、「法輪功による中南海包囲」と歪曲し、虚偽をでっち上げた。そして1999年7月20日から26年にも及ぶ残酷な迫害を開始した。この迫害はいまだに続いている。

 「包囲」は事実ではなく、むやみ貼り付けられたレッテル

 呂正理氏は、かつて多国籍企業の台湾および中国における責任者を務め、その後、複数の台湾企業の顧問も歴任した。彼は中国の改革開放に直接関わった経験を持ち、中国に対する深い理解を有する一方で、「中国共産党=中国」ではないことを認識するに至っている。呂氏は5年の歳月をかけて共産党の歴史を研究し、2020年に『共産世界大歴史』という書籍を出版した。

'图1:《共产世界大历史》一书作者吕正理。'

『共産世界大歴史』という書籍を出版した呂正理氏

 中国の学習者が1999年4月25日に平和陳情を行い、違法に拘束された学習者の釈放、書籍の合法的な出版、公での修煉環境の保障を求めたことについて、呂氏はこれを肯定的に評価し、「これらの要求はすべて基本的人権に基づくものだ」と述べた。しかしその後、法輪功が受けた扱いについて、呂氏は「不思議だ」との感想を述べた。

 「4.25陳情」の翌日、国務院信訪局の責任者が新華社の記者の取材を受け、「4.25陳情は合法的な陳情活動である」との談話を発表した。しかしその2週間後、江沢民は『人民日報』に記事を掲載し、法輪功学習者が「4.25に中南海を包囲した」と非難した。

 「包囲」という言葉は人々の間に大きな影響を与えた。中には、「法輪功が『4.25』で中南海を包囲したからこそ、中共が法輪功を迫害するようになったのだ」と言う人もいる。

 このような一見もっともらしい因果関係について、呂氏は次のように述べた。「共産党が発表するあらゆる公告やニュースで使われる言葉には、大きな疑問符を付けて見るべきです。迫害されているのは法輪功だけではありません。人権派弁護士や、さまざまな信仰・宗教団体も含まれています。共産党は、弾圧したい相手に対して、適当なレッテルを貼り、それによって事件の性質を一方的に決めつける、これが常套手段です。それにもかかわらず、多くの人々はこの実態を理解できず、誤った情報に惑わされ、安易にに広めているのです」

 吕氏は続けた。「あなたは逆に問いただしてみてください。『法輪功の学習者はただ本を持って静かに立っているだけではないですか? 彼らはスローガンを叫んでいますか? プラカードを持っていますか? 武器や棍棒を持っていますか? 卵やトマトを投げていますか? 何もしていません』と。したがって、『包囲』という言葉は全く事実ではなく、ただのレッテル貼りです」

 高為邦氏「法律は形骸化している」

 高為邦氏は「台湾企業中国投資被害者協会」の理事長であり、1997年に中国本土で工場を建設するために投資をした。しかし1999年、彼の工場は強引に奪われ、共産党統治下における官民癒着の実態を身をもって体験した。中国本土での苦いビジネス経験から、高氏は、中国は「法治」ではなく「人治」の国家であり、物事において是非や正義は存在せず、すべてが利害関係で動いていることを痛感した。どれほど多くの法律条文があっても、それらは形だけで実効性はなく、最終的には権力を持つ高官や幹部たちの意向がすべてを決めるのだという。

'图2:台商投资中国受害者协会理事长高为邦。'

 「台湾企業中国投資被害者協会」理事長・高為邦氏

 「4.25平和陳情」について語る中で、高氏は次のように述べた。「陳情は単なる政治的な形式にすぎず、政府が人々をなだめ、政権の安定を維持するために設けたものであって、国民の権利を本当に守ろうとする法的な手段ではありません。これまでのところ、陳情が成功する確率はわずか1%しかありません」

 「陳情もまた、庶民の意志をすり減らす果てしない道程です。多くの人が10年、20年と陳情を続けた末に、家財を失い、生活が破綻しました。共産党は人々の心をすっかり腐敗させてしまったのです」

 海外で迫害の実態を伝える努力

 高氏は、学習者の精神に深い敬意を表している。彼は、学習者が20年以上にわたって迫害の実態を伝え続けてきたこと、大紀元時報や新唐人テレビといったメディアが海外で大きな役割を果たしてきたことを高く評価した。また、こうした困難な道を歩み続けることができるのは、揺るぎない信仰心を持っているからこそだという。さらに、中国本土にいる学習者に対しては、安全に十分注意し、無事でいるようにと祝福の言葉を送った。

 呂氏は、学習者が「真・善・忍」の理念に基づき修煉し、善良な人間を目指し、真理のために忍耐し、すべてを捨て去る覚悟を持っていることに深く共感を示した。彼はまた、海外にいる学習者の努力は、中共政権(による法輪功迫害)に対して必要な行動を取っているものであると評価した。そして、中国の人々が一日も早く目覚めることを願っていると話した。

 
翻訳原文(中国語):https://www.minghui.org/mh/articles/2025/4/22/492868.html
 
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