条件反射を利用した「1400例」の洗脳
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文/孫思賢 

 「1400例」は、1999年7月に中国共産党の江沢民グループが法輪功を陥れるためにまき散らしたでっちあげである。法輪功は、人に良い人になることを教え、道徳を向上させると同時に心身の健康ももたらす。1992年に伝え出されて以来、その「真・善・忍」の理念と病気治療の著しい効果によって、瞬く間に全国に伝わり、そして世界各地まで広まり、数え切れないほどの人々が愛好している。

 しかし1999年7月、突如として、江沢民グループは法輪功迫害の口実を作るために「1400例」のでっちあげをまき散らした。1400人が煉功して死亡したとデマを流し、血生臭い写真を法輪功と結び付けて、テレビの視聴者に法輪功に対する恐怖、反感、憎しみなどの心理的反応を起こさせ、迫害を強行するための世論の環境を作り出した。

 「1400例」はその発表の早さ、影響の広さ、中国人に対する影響の深さをもって多くの視聴者を騙し、彼らを迫害の同罪者にさせた。

 条件反射は、関係ない物事を結び付けることができる

 条件反射理論を最初に確立した人物は、ロシアの生理学者でノーベル賞受賞者の、パブロフ(Ivan Pavlov、1870〜1932)である。19世紀末、パブロフが行った一連の実験は全世界の生物学者から注目を受けた。神経系統がいかに行為を支配しているかをパブロフは研究していた。彼は犬の唾液を流す現象を研究し、動物の行為の一部の本質を提示した。 

 犬は食べ物に対して非常に自然的に唾液を分泌する。そこでパブロフは実験を始めた。犬に肉を与えると、犬はすぐに唾液を流す。肉を見ると唾液を流すのは、犬が健康で「唾液反応」があるという証拠だ。それから、パブロフは犬に肉を与える前にブザーを鳴らすと、ブザー音を聞けば犬は肉を見た時と同じように唾液を流した。たとえブザー音の後に肉がなくても、犬は同じ唾液反応をした。一方、いつまでも犬を騙し続けられるのではないことにもパブロフは気付いた。ブザーが鳴った後に肉をあげないと、犬の音に対する反応は次第に弱くなり、分泌した唾液も次第に少なくなる。しかし、数日連続で頻繁に実験しないかぎり、(以前ほど量は多くないが)犬はブザー音を聞くとやはり唾液を流す反応をする。 

 条件反射とは、もともと何の関係もない二つの物(AとB)がずっと一緒に出されると、だんだん、Aが現れる時にBも連想されてしまうことを指す。音声はもともと犬に唾液を分泌させることはできないが、もし毎回えさをやる前に特定の音声を出せば、数回の実験後、犬は音声を聞くと唾液を分泌してしまう。このように、音声の刺激に起きた反応は「条件反射」といい、音声は「条件刺激」という。

 人間の情緒はコントロールできる

 米国の心理学者、ジョン・ワトソンは人間の情緒(例えば恐怖感)はコントロールできるものだと主張した。彼は孤児アルバートに、恐れる反応の実験を行った。この男の子はネズミ、ウサギ、サル、犬、綿、髪の毛が付いていないマスクなどは恐れないが、金づちを叩いた時の巨大な音を非常に恐れる。

 アルバートにネズミを恐れる反応を引き起こすために、ワトソンはネズミと巨大な金づち音を同時に出して、アルバートに恐れる反応を起こした。繰り返し実験して、アルバートはとうとう単独に現れたネズミに対しても恐れて逃げるようになった。ワトソンはさらにウサギ、毛皮コート、毛髪、犬などで実験したが、これらのものは全て、ネズミと同じようにアルバートに同じ反応を起こさせることができた。それに、別の部屋で実験を行っても同じ結果であったため、この実験は物や環境を問わず有効だと分かった。1カ月後、アルバートは依然としてこれらのものを恐れていた。

 この実験は、人類の情緒は故意にコントロールできることを証明した。

 中国共産党は条件反射を利用し、国民の感情をコントロール

 「1400 例」の中、中国共産党は条件反射の手法を運用して国民を洗脳させ、大量の恐ろしく血生臭い事件を利用して法輪功に罪を着せた。もともと法輪功と何の関係もない事件を法輪功に結び付けて、法輪功を中傷する目的を達成しようとした。 

 例えば代表的なデマ「切腹して法輪を探す」を見てみよう。当時、中央テレビ局が馬建民の家に行って番組を編成した時、馬建民の息子は何度も「父の死は法輪功と関係ない」と声明し、テレビ出演も断った。しかし、中央テレビ局は事実を顧みずに「切腹して法輪を探す」のデマを演出した。河北省任丘市の華北油田在住の馬建民は、本人と一族に精神病の遺伝がある。彼は気功愛好者で、流行るものなら何でもやった。計10数種類の気功をやったことがあり、流行を追って法輪功をやったこともある。ある日、馬建民が一人で家にいて、家族が帰って来た時、床に多くの血がついているのを発見した。馬建民の腹が切り開かれて、腸が外に出た状態で便所で死亡していた。家族は通報して、死体は華北油田の総医院で縫い合わされた。馬建民が死んだ時は一人で家にいて、どうして腹が切開されたのか誰も分からない。しかし、江沢民の法輪功迫害政策に迎合して出世の機会を掴むために、地元公安局は馬建民の死を「腹を切開して法輪を探したため」と捏造した。 

 この事件はもともと法輪功と何の関係もなく、馬の息子も「父の死は法輪功と関係ない」と声明したにも関わらず、中国共産党は馬建民の腸が外に出た痛ましい様子を無理やりに法輪功と関連させて、視聴者の脳裏に残した。このようにして、一瞬で視聴者は法輪功に先入観を持つようになり、恐怖と反感を覚えてしまう。腹を切開されて血まみれな場面は誰もが恐れ、このような心理反応が中国共産党に利用され、視聴者は非理性的に法輪功を恨むようになったが、人々は事件の背後にある真相を知らない。 

 「1400例」に収録された「山東省 シャベルで両親殺害」の案件では、山東省新泰市泰山の機械工場の労働者・王安収が精神病発作で両親をシャベルで打ち殺した事件を、共産党は法輪功と結び付け、両親の頭部が変形した血まみれの写真を条件反射の一環として、殺害の恐怖感を法輪功と結び付けさせた。王安収は精神病患者で、殺人を起こしたのは精神病のためで、法輪功とは何の関係もない。この点は王安収と妻・尹彦菊の離婚判決書にもはっきり書かれている。山東省新泰市人民法院(1999)の新城民初字第245号民事判決書の一部の内容を見てみよう。「被告人(王安収)は結婚前に精神病を患ったことを隠して、結婚後、精神病は何度も発作し、長期にわたり治癒できず、また発作時に自分の両親を殺害したこともあるため、原告(尹彦菊)は断固として離婚を求める。夫婦の感情は完全に消えたとして、当裁判所は原告の離婚申請を許可する」

 デマを聞いて法輪功に対して恐怖心を覚えた人たちは、中国共産党の洗脳術にはまってしまっている。

 結び

 中国共産党は一貫して、条件反射を利用して国民を洗脳し、マインド・コントロールを行っている。中国共産党はメディアを統制して法輪功を中傷した実例がたくさんあるが、「1400例」は中の一つに過ぎない。今、これらの虚言はとっくに暴き出され、多くの中国人は共産党のコントロールから解脱し、法輪功の素晴らしさを理解するようになっている。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2011/10/11/247760.html)     更新日:2011年12月19日
 
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