警官との奇遇
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文/中国の大法弟子 芳華

 【明慧日本2018年8月12日】2018年3月21日の午後、瀋陽市鉄西区衛工路で、私は前方で歩いている男性に追いついて道を尋ねました。話している間、彼は上着のポケットから警察手帳を取り出して見せてくれました。その名前を見て、私はビックリしました。これは9年前に同修を不当に連行した警官ではありませんか?! 名前の上の写真を見ると、まさに明慧ネットで掲載されたその写真でした。当時、私がこの不当な連行の情報をネット上で暴露したのですが、9年後に当人に会えるとは想像もしませんでした。

 彼と話す間にわかったことですが、彼が2009年(法輪功学習者に対する不当な連行に参与)の後に災厄に遭い、お酒を飲んだ後に何日も昏睡状態に陥り、目が覚めてから失語症を患い、記憶も喪失し、今日に至って9年になるそうです。今はスムーズに歩くことができず、近年になってやっと少し話せるようになり、一部の記憶がまだ戻らず、今も文字がまったく読めないそうです。

 「今日は必ず彼に真相を伝えて、彼を救わなければならない」と私は思いました。

 私はこう言いました。「中国で警官を務めるにはメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットといえば、警官は道具にならざるを得ず、共産党の指揮に従わなければならないところです。多くの警官は任務を遂行する際、自分の思想や是非を弁別する能力を失いました。例えば、文化大革命は多くの冤罪事件を作り、その後、一部の警官が密かに銃殺され、スケープゴートになりました」。彼は頷きながら「文化大革命のことなら、私は知っています」と言いました。

 私は「共産党は多くの運動を行ないました。文化大革命は過ぎましたが、今、行なっている運動は法輪功への迫害です。警官は法輪功修煉者を捕まえるよう要求されています。あなたもしたことがありますか?」と続けて言いました。彼は「はい、したことがあります」と答えました。

 無表情な彼を見て、少し焦りを感じた私はこう続けました。「しかし、お分かりですか? 共産党による法輪功への迫害は間違いです! 『天安門焼身自殺』は共産党が法輪功に濡れ衣を着せるためのでっち上げであり、大衆の恨みを挑発するものでした。法輪大法は『真善忍』を重んじ、人々に心身両面の健康をもたらし、社会の道徳を回復させ、百利ありて一害なしです。法輪功は素晴らしいとは思いませんか?」

 焦る私を見て、彼は笑い、「よく聞いてみると、確かに良いですね。あなたはまだ若いですから」と言いました。

 私は彼の腕を掴んでこう言いました。「知っていますか? 良い人を迫害すれば報いに遭いますよ。あなたの病気はきっとこれと関係があります!」。彼は呆然として私を見ていました。私は「実は、私は随分昔からあなたを知っています。私は法輪功を修煉しているので、明慧ネットであなたを知りました」と言いました。彼は「なるほど、やっと分かりました」とゆっくり言いました。

 私は感慨深くこう言いました。「たくさんの出会いの中で、あなたとここで会うことができて、本当に神による巧妙なご按排だと思います」。彼は頷きました。私は「あなたが幸せな日々を送り、健康で安全に生きていくことを願っています。あなたが因果応報を信じるかどうかは別として、どんなことも原因があって結果が生まれるのです。そうでしょう? 法輪功修煉者が不当に連行された後、労働教養所や刑務所の中でどれほど残酷な迫害に遭っているのかお分かりですか? 良い人たちが痛めつけられて、その責任は誰が負うのでしょうか? 彼らを不当に連行した人たちはきっと、その責任の一部を負うでしょう。これが因果応報ですよ!」と言いました。

 「ちょっと見せたいものがあります」と言って鞄の中で物を探す私に、彼は「あなたも手帳がありますか?」と聞きました。私は「いいえ、写真を見せたいです」と言いました。私は大法弟子が労働教養所で残酷な刑罰によって顔が完全に損なわれた写真を彼に見せながら説明しました。彼は写真を手にしてじっくり見てから、「この人はここまでやられてしまって、もう完全に駄目ですね」と言いました。私は「すでに迫害によって世を去りました。どれほどの警官が共産党の騙しと利益による誘惑の下で良い人たちを迫害し、知らず知らずに間違った事をしでかしてしまったのでしょうか!」と言いました。彼は悲しい表情を見せました。

 私はさらに共産党の由来、脱党の目的を彼に説明すると、彼は静かに聞いていました。私が「脱党して初めて未来があります。あなたが脱党したければ私は手伝います」と言った時、彼は興奮しながら私の手を握り、「ありがとうございます! ありがとうとしか言えないのです!」と言いながら指で自分の頭を指して、病気になってから未だに表現力に障害があると伝えたい様子でした。

 私は再び「法輪大法の『真・善・忍』が素晴らしいとは思いませんか?」と彼に聞くと、彼は厳粛な表情で「素晴らしいです!」と答えました。私は「『法輪大法は素晴らしい! 真・善・忍は素晴らしい!』と覚えてください。あなたはきっと健康を取り戻すことができます!」と言いました。彼は感動して再び私と握手をしました。

 彼と別れた後、私は感慨深かったです。師父が彼に慈悲をかけられたのでしょう。彼は病気になってから、長年に亘り記憶や言語能力を失い、文字も読めず、これによって多くの業を返し、さらに汚染されることからも逃れました。彼のお酒や金銭に関する思惟が閉鎖されたような気がしました。彼の今の顔つきは穏やかで、優しさと素直さがあって、振舞いも礼儀正しく、以前の写真にあった黒かった顔の様子とは随分違っていました。

 先ほど、彼の警察手帳にある名前と写真を見た時、私の脳裏に、「トラの首に鈴をつけた人こそ、その鈴を取り外すことのできる人だ」という一念がよぎりました。当時、私が彼の名を悪人リストにアップしました。今回、彼を救うことができて、本当に機会を下さった師父に感謝しています。

 法輪大法は人を救い、師父は一切の衆生に慈悲をかけられています。偶然なことに、9年前、彼はまさに先ほど私たちが出会った場所で当直していて、大法弟子を不当に連行したのです。そして9年後、同じ場所で、彼が救われました。

 師父に感謝致します!

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2018/8/4/372031.html)
 
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