文/韓華
【明慧日本2020年12月25日】聖書には、偽善者であるファリサイ派(紀元前に存在したユダヤ教の一派、イエスから度々糾弾されていた)の人々はモーゼの戒めを遵守していたが、律法に内在する義、善良さ、勇敢、誠実さの資質を無視していたと記載されている。
また、「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい」※との記載もある。アメリカ合衆国最高裁判所は2020年の選挙という正邪の戦いの中で、本来は神に帰すべく天から賦与された人権を、悪魔に帰させる誤った判決を下した。
これを受けてトランプ大統領は、「最高裁は、米国史上最悪の不正選挙に全く関心も示さなかった。彼らが興味を持っているのは『法的資格』だけであって、大統領による案件の提起がさらに難しくなった。私は7500万人の票を得た!」とコメントした。
2020年の大統領選におけるトランプ氏の法廷闘争が相次いで妨害を受ける中、ディープステート(影の政府)は8000万人のアメリカの有権者の民意を無視した。憤慨し失望したアメリカ国民は希望を連邦最高裁に託したが、憲法と憲法制度を守る最高の砦であるはずの最高裁は、アメリカの民主主義と法制の価値観に反する破壊的な前例を作ってしまった。
テキサス州のパキストン司法長官は12月8日、ペンシルベニア州を含む4つの激戦州が中共ウイルスの流行を理由に、立法過程を経ずに行政命令や相互合意による訴訟によって選挙法を改変し、選挙の安全性と信憑性を損なったと主張して最高裁に提訴し、4州の選挙人団の投票を集計せず、すでに選挙人を任命した州に関しては、憲法に沿って州議会に新しい選挙人の任命を指示するよう求めた。
テキサス州の訴訟はあっという間に追随者が増え、2日以内に6州が動議で参加し、13州が声明で支持を発表し、トランプ大統領も訴訟に加わった。12月11日の時点で、126人の衆議院議員がテキサス州の最高裁に対する訴訟への支持を表明した。
これはそもそも、アメリカ最高裁が正義を貫き、アメリカ憲法の権威を守り、アメリカを救い、共産主義の侵入を抑制する絶好の機会であったはずだ。しかし12月11日の夜、7人の最高裁判事は、テキサス州は他の州の選挙問題に介入する正当な利害関係を示していないため、憲法の下で訴訟を起こす法的資格に欠けるとの理由で、テキサス州の訴えを却下した。 しかし、テキサス州の訴訟を受理すべきだと考える保守派判事が2人いた。
あるネットユーザーがこのような喩えをした。
隣家の何者かが悪質に放火し、それが延焼して全住戸、全建物、全近隣に危険が及んだとしよう。向かいの建物の誰かが警察署に通報し、署内の警察官9人のうち7人が以下のように回答したと同じだ。つまり、通報した家庭は、放火犯一家の問題について司法上における特定可能な利益関係を証明していない(火は通報者の家まで延焼していない)ため、通報者は警察を呼ぶ資格に欠け、要望を却下し、出動しない。
これはまさに、テキサス州の訴訟に対しアメリカ最高裁が下した判決の真実の描写だ。
ジュリアーニ氏「我々の歴史における周知の傷痕」
米最高裁の判決は多くの人を失望させた。テキサス州の共和党議長のアレン・ウェスト氏は、「これは法律を遵守する他の州に壊滅的な影響を及ぼした。これにより、罪を犯した州はいかなる結果も負う必要がなくなる」との反論を発表し、「法を守る州は憲法を遵守する同盟を結ぶべきだ」と呼びかけた。
一部のコメンテーターからは、米連邦最高裁のやり方は米国を国家分裂の危険な瀬戸際に追い込んだとの意見もあった。歴史上、元々メキシコの領土であったテキサス州は、1835年にメキシコが1824年憲法に違反したとして革命が勃発し、1836年に独立を正式に宣言し、テキサス共和国が誕生した。1845年、テキサス州は連邦に加盟してアメリカ合衆国の28番目の州になることを選択した。今日、米国の選挙は違憲となり、最高裁は座視して何もしない。テキサス州はどのように感じるだろうか?
ジュリアーニ氏は、「本案件は訴訟内容ではなく、資格のために却下された」と述べた。「これはとんでもない、ひどい間違いだ。解決されない限り、これらの事実は私たちの歴史において周知の傷痕になるだろう。訴訟内容が知られ、放送される必要があり、誰かがそれらが真実であるかどうかを判決する必要がある。一部の裁判所はこの決定を下す勇気を持たなければならない」
トランプ大統領は最高裁の判決を受けて、「これは非常に恥ずべき誤判であり、アメリカ国民は騙され、我が国は恥をかかされた。法廷に行く機会すらないのだ」とツイートした。
中国本土、旧ソ連以外の国の人々は共産主義社会についてあまりよく知らず、邪霊が与えると約束した自由、解放、平等、裕福を幻想し、社会主義はすべて無料であり、誰もが制約なく自由に好きなことができる楽園だと勘違いしている。しかし、社会主義国での経験がある人は絶対にそうは思わない。
米国に30年ほど滞在してきた中国本土の作家・鄭義氏は「希望の声」のラジオ番組で、米国の選挙では1949年の中華民国の匂いがしたと語った。鄭氏は、長年本土から逃げてきて、アメリカが中国大陸に陥落していくのを見たくないと語った。
2015年、中国共産党は「すべての案件を成立させ、すべての訴訟を解決しなければならない」といういわゆる司法改革を打ち出すふりをした。 当時、21万人の法輪功学習者とその家族は、法輪功迫害の首謀者である江沢民を両高(高等裁判所および最高裁判所)に訴えた。両高は中国共産党の指示に基づいて訴訟登録をしなかっただけでなく、公安局と共謀して全国範囲での原告に対する逮捕および迫害を行った。
その日の記者会見で、トランプ氏は重要なメッセージを伝えた。「私の支持者に伝えたいのは、このたたきはまだまだ終わっていないことだ」。
神の信者の間では、トランプは神に選ばれた者であり、時代を超えて今日の大事件のために準備され、鍛えられたのだという伝説がある。唐の時代の「玄武門の変」でも、明の永楽皇帝の「靖難の変」でも、清の康熙皇帝による「オボイの捕縛」でも、または混乱の中でのリンカーン大統領による反乱鎮圧でも、「選ばれし者」の偉大な英知と断固たる勇気、そして天意を理解した策士とそれに従った人々は、人間社会での正邪の戦いという輝かしい歴史の一章を書き上げた。
どんなに困難で歪んだ道であっても、選ばれし者と神を信じる者たちは、人間社会を善と伝統に戻すために再び奇跡を起こすだろう。
悪は善を抑えることができず、2020年の正邪の戦いの中で、選ばれし者と神を信じる者たちは必ず再び奇跡を起こし、再び栄光を創造するであろう。
※イエス・キリストの逸話のひとつ。イエスを敵視するファリサイ派の人々が、イエスの言葉じりを捉えて彼を陥れようとして「カエサル(ローマ皇帝)に税金を納めるべきでしょうか」と尋ねた。当時のユダヤはローマの属国で、民衆はローマからの独立を訴えていた。イエスは「税金に納めるお金を持ってきなさい」と言って、持ってきた銀貨にカエサルの肖像が刻印されているのを見て、「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい」と教えたという。