【明慧日本2021年4月16日】湖北省の省直属機関第三幼稚園の女性保育士・黄時群さんは真面目に仕事をやっていたが、2017年12月26日、法輪功が迫害されている実態を人々に伝えたとして、連行された。黄さんの勤め先の園長・袁芒は警官と結託し、黄さんを礄口区法制教育センター(洗脳班)に送った。洗脳班で黄さんは強制洗脳され、薬物の迫害を加えられた。明るい性格だった黄さんは双極性障害、視力、聴覚の低下などの病状が現れ、毎日朝から晩まで長時間ベッドに横たわり、苦しんでいる。
2021年の旧暦正月前、黄さんは数回にわたって嫌がらせをされ、家族も湖北省組織部(中央や地方の機関で幹部人事を管理する機構)の職員に数回事情聴取され、圧力をかけられた。
仕事中の黄時群さん |
善良な幼稚園の先生
黄さんは1996年から法輪功を学び始めた。その後、楽観的で素朴で善良な黄さんはいつも、法輪功の「真・善・忍」に従って自分を要求し、損得勘定をせず、仕事に真面目に取り組み、責任を持ってやり遂げた。
しかし、1999年7.20、江沢民グループは、嘘偽りや誹謗中傷などの手段を使って、法輪功への迫害を発動した。真・善・忍に従って良い人になる努力をした黄さんは、法輪功を学ぶことは間違いではなく、家庭に社会に国家に良いことばかりだと考え、法輪功を学び続けた。
黄さんは法輪功の法理に基づき、善を持って、子供たちに良い人になる道理を教えたが、当局の法輪功への誹謗中傷の宣伝を信じた保護者に通報され、黄さんはクラス担任から生活指導をする保育士に降格され、給与も下げられた。
それでも、黄さんは依然として真・善・忍で自分を律し、恨みや憎しみの感情を持たなかった。通報されたその保護者に対しても恨まなかった。というのは、通報人が当局のでたらめな宣伝を信じて、間違った行動を取り、その人自身も被害者になっていると黄さんはわかっていたからである。黄さんはその人に会うたび、普段通りに挨拶をした。黄さんは黙々として、責任を持って自分の仕事を行い、幼稚園の保護者たちからのお土産やプレゼント、礼金など、差し出されたものは全て受け取らなかった。
家でも、黄さんは親孝行をし、子供の世話をよくした。姉が病気で2歳の子供の世話ができなかったとき、結婚する前の黄さんは、その姪の面倒を見ていた。夫の弟が重病で入院していた間、義妹も事故で亡くなり、中学生の甥の世話をする人がいなくなった。黄さんは甥を自分の家に連れてきて、優しく接し面倒をみていた、甥は学校の成績がどんどん伸び、性格も明るくなった。
洗脳班で薬物迫害を受ける
2017年12月26日、黄さんは街で人々に法輪功が迫害されている事実を話した際、ある人に録画されて通報された。水果湖派出所の警官はその日の夜、黄さんを連行し、武漢市第一留置場に拘禁した。警官は家族に2018年1月6日に黄さんを釈放すると言ったが、その日になっても黄さんを解放せず、直接武漢市礄口区法制教育センターに送った。
情報筋によると、黄さんが連行されてから、上層部門はそれを口実に、第三幼稚園の職員の年末賞与を取り消すと言った。園長の袁芒は、自分が巻き込まれることを恐れ、職員の年末賞与に影響が出ることを恐れて、黄さんの公職を解こうとして、自ら警官に協力して黄さんを洗脳班に送り込んだ。
洗脳班に入れられ1カ月で、黄さんは15キロも痩せ、多くの病状が現れた。それは明慧ネットで薬物迫害を受けた学習者と同じ症状だった。洗脳班に入れられて5日目、黄さんは突然、パニック状態になり、恐怖を感じ、全身の震え、脱力感、呼吸困難、口の乾き、動悸などの症状が現れた。そのため、一晩中眠ることができず、自分の体を自分でコントロールできない状態だった。このような状況の下でも、洗脳班の者は黄さんに法輪功を放棄するよう、他の学習者の名前を言うように強要した。
ある洗脳班の者が黄さんに「ここでは毒を盛っているという噂が立っているが、俺たちは毒なんか盛らない」とわざわざ言ってきた。黄さんが洗脳班から解放されたとき、黄さんに「転向」を強要した3人は黄さんの顔を見る勇気さえなかったという。
洗脳班から帰宅した黄さんは、いろいろな病状が緩和されず、徐々に悪化し、体が赤くなったり、熱くなったり、あざができたりすることが多かった。突然パニック状態になったり、光や音への恐怖を感じたり、疲れているのに眠れず、座ることもできず、一晩中歩き回った。もともと明るくて楽観的だった黄さんは、精神病の症状に似たうつ状態や躁状態になってしまった。
2018年11月の初め、黄さんは人民病院の精神科に入院し、医者は「脳の神経がすでに退化した」と言った。
退院してから現在まで、黄さんは向精神薬や睡眠薬に頼らないと落ち着かず、視力、聴力、思考力のすべてが低下しており、1人で出かけられず、朝から晩までベッドに横になり、ひどい苦痛と戦っている。
「法制教育センター」の罪悪
中国共産党当局の「610弁公室」は、法輪功学習者(以下、学習者)を「転向」させるために洗脳班を設けた。洗脳班のことを外部には「法制教育センター」、「転向学習班」、「法制教育所」と宣伝し、表面上は「法制教育」の看板を掲げているものの、実質的に610弁公室が作った無法地帯で、学習者に対して信仰の放棄を強要する裏刑務所である。そこでは、法的手続きもなく人身の自由を奪い、拷問、強制的な洗脳、神経を破壊する薬物注射など、一連の邪悪な迫害方法を行い、人道に対する罪を犯した。
湖北省武漢市にはこのような洗脳班を市、区、郷・鎮、村、家庭、大学、大規模な国有企業、公的機関、政府機関、そして一部の党校、療養所、病院、福祉施設、民宿、ホテルなどに設けており、武漢全市に60カ所の洗脳班がある。礄口区法制教育センターは洗脳班として、最も古く、数多くの学習者に対する迫害を行った場所である。
拷問の再現:吊るし上げる |
洗脳班での学習者に対するさまざまな迫害の卑劣な手段は、すべて「転向」させることを軸にしている。「転向」しない学習者に対して、一層迫害を強化し、昼夜を問わず、「疲労戦争」、「車輪戦争」のような強制洗脳をすると同時に、昼夜を問わず寝ることを禁じ、体罰を与え、暴言を吐き、殴り、独房に監禁し、吊るし上げ、薬物迫害(食べ物に薬物を混ぜ入れる。ある学習者はご飯を食べるとき、薬の匂いがしたと気づいた)など、肉体的な拷問を加える。その目的は、学習者の頭を混乱させ意識朦朧状態で、「転向」させることにある。 また、「610弁公室」は、「転向」しない学習者の勤め先に圧力をかけ、学習者の給料の支払い停止や解雇を迫り、家族や勤め先から一定の金額を強要し洗脳期間の費用として、徴収したという。
(続く)