「転向」した後に受けた迫害
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2021年5月5日】中国当局が行っている「転向」は、法輪功学習者(以下、学習者)を対象にした迫害手段の一つであり、旧勢力が中国共産党(以下、中共)を操って学習者に修煉を止めさせ、衆生を救い済度することを台無しにするのが目的です。

 転向とは、学習者が警察側が事前に準備した「三書」、「五書」にサインすることです。「三書」とは何ですか、「後悔書」(法輪功を修煉して後悔した意を綴った文書)、「決別書」(法輪功と決別することを誓う文書)、「保証書」のことです。「五書」とは、「告発書」、「批判書」を加えたものです。それらに署名したことは、師父と大法を完全に裏切るだけでなく、法輪大法への迫害に加担することにもなります。

 師父はいわゆる「転向」の正当性を認めておられません。「転向とはどういうことですか? どこへ向けて転向するのですか? 皆さんは良い人として振舞っており、世の中の最も良い人、常人を超える良い人として振舞っているのに、このような人をどこへ向けて転向させるのでしょうか? 転向とはどういうことなのでしょうか? 邪悪は全く醜態の限りを尽くしています」[1]

 昨年から派出所、住民委員会、司法機関、および学習者たちの勤め先まで、学習者に対して大規模に私生活を妨害しました。家を訪問し、強要などの手段で「転向」を求め、「転向」さえすれば嫌がらせをされなくなり、普通の生活を送れると「約束」しました。

 しかし、その「約束」は本当に当局に守られていたでしょうか、迫害やストレスに耐えられなくて「転向」した学習者は、本当に平穏な生活を手に入れることができたでしょうか、できていません。例を見てみましょう。

 Aさんはある農場で働き、迫害前はそこの学習者たちの世話人を担当していました。迫害が始まると大法修煉を放棄し、転職しました。数年後、海外旅行の手続きをする中で偶然に自分はずっと当局に目を付けられていることを知りました。海外旅行は許可されず、その後も不定期に居民委員会に呼ばれて「法輪功の活動をやっていないか」と聞かれ、毎日戦々恐々としています。大法修煉の縁を失っただけでなく、Aさんは恐れる心が原因で真相を聞かず、家族に真相を知る機会を与えていません。

 Bさんは労働教養所で四肢を縛られて四方に引っ張られるう拷問を受けた時に、耐えきれず転向に同意しました。精神的な打撃を与えるために、警官は転向した彼女に共産党の洗脳歌である「紅梅の賛歌」を聞かせ、Bさんは大きな侮辱を受けました。労働教養所で最も苦しいのは、カビの生えた蒸しパンを食べさせられ、泥の入った野菜スープを飲まされ、鉄の椅子に縛られてさまざまな拷問を受けることではなく、転向した後に「紅梅の賛歌」を聞かされることだとBさんは言いました。

 さまざまな拷問によって強制的に転向させられた後、精神面に大きいダメージを受け、肉体と精神の両面の苦しみによって精神分裂になった学習者もいます。Cさんは出所した後、街を歩く時は日の当たる所を避けいつも陰を隠れて歩き、「師父と大法に申し訳ない」と思っています。

 黒龍江省女子刑務所で転向させられた王丹さんは、迫害された経歴を詳しく述べました。保証書などに署名した後、迫害は軽減するどころか、エスカレートしました。最初は「三書」に署名するだけですが、転向した後に、なんと自分で「三書」を書いて作成することを要求され、さらに「三書」を涙を流さず、苦痛な表情を見せずに、師父と大法を誹謗中傷する内容を微笑んで読み上げるように要求されました。

 「大法の学習者が執着のため、この期間内に、ひとたび書面をもって大法を修めることをやめると約束したなら、その人はすなわち自身の未来を自ら定めたことになる、と旧勢力は考えているのです。もし、自らの心の内から発したものではなく、強制されて作り上げたものならば、再び法を正すことに参加し始めれば、魔難は大きくなり、関にぶつかるでしょう」 [2]

 転向して出所後、派出所に定期的に出頭することを要求される学習者もいます。Dさんは転向してから執行猶予を適用され刑務所から出所しましたが、月に一度、住所地の派出所に「思想報告」を書くこと、および毎日携帯電話に入っている追跡アプリで顔をスキャンして派出所に送信することを要求されました。ある日、携帯電話の電池が切れたため顔スキャンを忘れると、派出所はDさんの夫に電話して、早く顔スキャンを送信するように催促しました。

 Eさんは転向して執行猶予を適用されたのですが、出所後、住民委員会の矯正、洗脳を受けず、思想報告も書かないため、執行猶予を取り消されて有期懲役を言い渡され、再逮捕されました。要するに、旧勢力は転向した学習者が修煉を再開することを極力阻止したのです。

 今は、学習者に嫌がらせや強要をするほか、共産党の各層の機関はソフトな欺瞞手法も使っています。例えば、学習者に反抗させないよう、持ってきた紙の内容を見せず、どんな目的かも説明せず、サインするだけで良い、サインすればこれから面倒なことから救われると言います。或いは学習者に白い紙にサインさせ、家族が代わりにサインしても良いというのです。また、ビデオを撮る時に「これから良い人になることを考えているのか」と質問して、「考えている」と答えれば良いのです。

 留置場では、警官は学習者に「サインをして出所し、家で修煉を続ければ良い。サインしないと、ここにいる間は修煉させない」と言って、サインをするよう誘導します。いったんサインすると、同じく有期懲役を言い渡されるケースも少なくありません。学習者として、断固として転向せず警察の言うことを信じれば、恐ろしい結末に見舞われます。

 留置場で断固として「三書」を書かない学習者は半年の懲役を言い渡され、一方もう1人の学習者は、息子の嫁がもうすぐ出産するので、早く家に帰って嫁と赤ちゃんの面倒をみなければと考えて転向に同意したら、かえって懲役2年半を言い渡されました。

 師父は「大法弟子として、あなたの一切のものは、ほかでもなく大法が構成しています。これは最も正しいもので、一切の正しくないものを正すしかないのですが、どうして邪悪に対して屈服してしまうのでしょうか? なぜ、邪悪と何らかの約束を交わしてしまうのでしょうか? いくら不本意なことでも、これは邪悪に対して妥協しているのであって、これは人間の中ですら良くない行為であり、神には絶対このことはできないのです。迫害される中で、たとえ本当にこの人間の皮を脱ぎ捨てたとしても、大法の修煉者を待っているものは、同様に圓満成就です。反対に、いかなる執着と恐れる心も、あなたを圓満成就させることはできないのですが、いかなる恐れる心であろうとも、それ自体、まさにあなたが圓満成就できない関であって、あなたを邪悪な方向に転向させ、裏切るように仕向ける要素でもあるのです」[3]とはっきり我々に説かれています。

 旧勢力は手段を尽くして学習者の修煉を台無しにすることが目的なので「転向」は最も明確な、有効な手段です。学習者はそれに対して断固として否定し、正念を持って対処しなければなりません。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『各地での説法』「二〇〇二年米国フィラデルフィア法会での説法」
 [2] 李洪志師父の著作:『精進要旨二』「提案」
 [3] 李洪志師父の著作:『精進要旨二』「大法は堅固にして破壊不可能である」

 【編集部注:この記事は筆者の個人的な見解を示したものであり、正否については作者の責任になり、読者は各自で判断して下さい】

 
(中国語://www.minghui.org/mh/articles/2021/4/23/423694.html)
 
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