【明慧日本2021年8月10日】黒竜江省穆リョウ市の優秀な教師・孫士偉さん（68歳男性）は、かつて感恩の気持ちで法輪功の歌を一曲歌ったことで懲役8年の判決を宣告され、刑務所に収容された。そして先日、出所していた孫さんは、ある年配者の家の窓ガラスの交換を手伝い、再度懲役6年6カ月の実刑を言い渡された。
孫士偉さん |
判決を不服として控訴した孫さんは、「世の中の人々が真・善・忍に従って自分を律することができたら、本当に調和した社会になり、誰も罪を犯さなくなると思います。良い人が多ければ多いほど良いことではありませんか？ 今の世は、善悪を見分けられなくなった人が多くいます。しかし、物事の善し悪しを判断できる人がいなくなっているとは思いません。ですから、牡丹江市人民法院（地方裁判所に相当）がきっと私に公正で、無罪の判決を下すと信じています」と、控訴状に書いた。
孫さんの連行に加わったある警官の父親は、わざわざ孫さんの家に行き、家族に「私の息子は、ご家族を連行したことで悪報に遭いました。息子は百万元ほどの借金があって、孫娘はうつ病になり、嫁も息子と離婚しました。私はお宅に薪を贈りたいです。それだけでもさせて下さい」と、謝った。
法輪功を学んで新たな人生を得る
孫さんは、穆リョウ市教員研修学校の元美術教師である。法輪功を学ぶ前、孫さんは重い胃潰瘍、腎臓炎、関節炎、気管支炎、心臓病、甲状腺機能亢進症、鼻炎、痔などの病気を患い、背が180センチあるものの体重は50キロもなかった。全身に力が入れず、手もよく動かせなかった。病気に苦しんだ孫さんは、「誰かナイフでここ（お腹）を切ってください。辛くて耐えられないのです」と話したことがある。
あちこちの病院へ治療しに行ったが、大金を費やしても病状は好転せず、悪化する一方だった。孫さんは妻に「私の病気はもう治らないから、病院には行かない。そのお金をあなたたちの生活費として残すよ」と言ったことがある。
しかし、絶望していた孫さんは1997年に法輪功に出会った。そして、法輪功を学んで1カ月半、患っていた病気が奇跡的に完治し、体重も増え、顔色もよくなった。孫さんは無病の状態を味わうことができ、法輪功の師父に感謝の気持ちでいっぱいだった。
法輪功を学んだ孫さんは、法輪功の教えの真・善・忍で自分を律し、優しい性格になった。仕事がよくできたので、校長は孫さんの給料を一段上げる申請をしてくれた。その後、孫さんは穆リョウ市の優秀教師に選ばれた。
一曲を歌っただけで8年の判決
2005年、ある歌の会で、孫さんは法輪功の師父を敬う気持ちを表すため、法輪功学習者が創作した歌を一曲歌った。そのため、中国共産党による法輪功への誹謗中傷を信じた人に通報された。同年9月23日、警官は突然、孫さんの家に押し入り、孫さんを連行した。そして2006年6月、懲役8年の実刑を言い渡された孫さんは、ジャムス市蓮江口刑務所に収容された。
その間、孫さんの母親、妻、息子2人の4人は辛い日々を過ごした。母親は毎日、息子の帰宅を待ち望み、ショックと心労で倒れ、寝たきりになった。
妻は、毎日のように市場で物を売って生計を立てた。そのため、幼い長男がお婆さんの世話をするしかなかった。しかし、倒れた母親は癌を患い、両目も失明し、2012年に息子と会えないまま死亡してしまった。
2013年、孫さんは出所して帰宅したが、学校側に公職を解かれた。仕事を失って給料もなくなり、年金までなくなった。
年配者の窓ガラス交換を手伝い、再度6年6カ月の判決を下される
2020年4月24日午後、穆リョウ市建行小区に在住の曹淑芳さんという年配者の家の窓ガラスが壊れた。孫さんと高朋光さんは、窓ガラスの交換ができる人を探して、曹さんの家に行った。曹さんの家で偶然、高永麗さんに会った。窓ガラスを交換し、3人は曹さんの家から出たが、正門を出ようとしたときに国内安全保衛の警官に連行された。その後、3人とも家宅捜索された。
孫さんが再度連行されたことは、家族に大きなダメージを与えた。妻は何度も意識不明になり、乳がんを患って乳房に大きな穴があき、毎日膿と血が出ている。孫さんの長男は嫁と団欒するために海外に行くことを計画していたが、父親が連行されてしまったため、断念せざるをえなかった。長男は、すべて手続きが完了し費用もかかっていたが、病弱な母親の世話をするために残らなければならなかったのだ。
心身ともに苦しんでいる孫さんの妻は、「私が苦しんでいるのは、夫が冤罪を被らされたことです。もし夫が本当に法律に違反し、窃盗、強盗、汚職、殺人、放火などの罪を犯したら、有罪になったとしても、自業自得だと私は認めるしかありません。我が家は伝統的な家庭です。夫の影響を受けて、私は商売にも不正やインチキはせず、本物の商品しか売らず、商売はとてもうまくいっています。リピーターも多いです。私たちの家族は、優しい父と孝行な息子がいて、夫婦互いに尊重し合っています。幸せで、温かい家庭です。警官も私たち家族を理解して、一刻も早く夫を解放してくれることを切に願います」と語った。
2021年7月16日午前10時半、黒竜江省海林市裁判官・姜新昆は、穆リョウ市の法輪功学習者・孫さん、高朋光さん、高永麗さん、石穎さんの4人に対して、不当な開廷をした。法廷で弁護士3人は法律に基づき、「真・善・忍の信仰は無罪です」と学習者の無罪を主張した。
しかし姜裁判官は2021年7月20日、孫さんに懲役6年6カ月、高朋光さんに懲役6年6カ月、高永麗さんに懲役6年10カ月、石さんに懲役1年3カ月の判決を宣告した。
孫さんは現在、妻のことをとても心配しているという。
