文/Arnaud H.
【明慧日本2022年3月15日】(前号より続く)地球上で人が「上」と思うのは、頭上の方向です。しかし地球は丸いので、実は「上」とは地球から360度の全方位です。「下」は地球の中心への方向で、「前後左右」は地球の地面に沿って伸びる範囲です。人の日常生活と関わる時間も、地球環境における時間運行です。この環境のすべての概念は、この環境そのものに依存しています。
地球はずっと太陽の周りを回っています。太陽系の数大惑星の各運行軌道の角度は近似しており、ほぼ同じ平面で太陽の周りを回っています。地球人の座標概念で言えば、その数大惑星の運行軌道の範囲は、まるで横にした円盤と同じです。しかし、その座標の基点を地球から他の惑星に移せば、その「上下左右」は地球上の「上下左右」と完全に異なります。
太陽系の数大惑星の運行軌道 |
ここでは、異なる知識水準、異なる文化水準の読者にできる限り分かりやすくするため、単純で最も簡単に分かりやすい方法で説明しています。実は、他の視点から太陽系を理解することもできます。例えばエネルギーの視点から見ると、太陽系全体を球体と見なす事ができます。空間の視点から見ると、太陽系は一つの泡と見なす事ができます…。私たちは最も「物質的で」、最も「ポピュラーな」、最も分かりやすい角度から一つの円盤に喩えました。以降もこのようにします。
こうした方法に従って太陽系を完全に一つの時空概念と見なせば、太陽系全体の運動範囲は、より広い範囲の環境を構成します。太陽系は銀河系の一部として、銀河系の中心を中心として回って運行しています。
もし銀河系を一つの横になった大きな円盤と見なせば、太陽系の小円盤と銀河系の大円盤の角度は60°です。この環境で太陽系は扇風機のように、傾斜して正面に進んでいます。つまり、この角度から見ると、地球は縦斜めで太陽の周りを回っています。太陽は早いスピードで運行しているので、太陽系のすべて惑星の運行軌道は閉じた円ではなく、螺旋状に太陽の後を運行しています。そして、太陽が銀河系を運行する軌道は平坦なものではなく、その時点に所在する銀河系の場所によって、波のように進んでいます。この時、太陽系に基づいた上下左右の概念は、銀河系という環境では全て変わり、時間の概念も絶えず変わっています。
銀河系における太陽系の運行軌道図:横に伸びた光のある背景は、横にした銀河系。 |
視野をもっと広く展開すれば、そもそもの時空概念は変化し続けています。現代天文学が認識している状況から見ると、銀河系と銀河系の周りの多くの小さい恒星系は、「局部銀河群(Local Group)」と呼ばれる膨大な構造の中で運行しています。そして銀河系と隣のアンドロメダ銀河(Andromeda Galaxy)は、局部銀河群で最も大きい二つの星系です。
局部銀河群の図:左の赤い文字の所は銀河系で、周りに銀河系の伴銀河。 |
より広い範囲から見ると、銀河系が所属する局部銀河群は、おとめ座超銀河団(Virgo Supercluster)の一部です。局部銀河群自身には特定の運行方向がありますが、おとめ座超銀河団もより広い範囲で運行しています。
もちろん、ここでは既存の理論に基づいて、次元や時空などの概念を静的で分かりやすく説明しています。実状はもっと複雑です。というのも、宇宙全体が膨張しているからです。人類が所属する宇宙範囲は膨大な星系団と繋がりがあるように見えますが、例えて言えば、人が高速で走る列車の中で走り回っているように、どう走っても、例えば列車の前から後ろに走っても、そもそもの出発点から遠く離れてしまいます。天文学者は、多くの遥か遠い星系は超光速で銀河系を離れ、銀河系が所属する局部銀河群が実は孤立していることを発見しています。
私たちはここで次元の数について話しました。実はより高い次元から見ると、空間の次元の数は実に多いので、この数にはあまり意義がないと思われます。人が良く知っている概念を例としましょう。異なる大きさの時空の相互作用は、機械構造における小さい歯車が大きい歯車と嚙み合うようなものです。これらの歯車は砂洲の砂のように多く、また空気中の空気微粒子と同じように、すべて関連しています。皆さんもご存知のように、絵画は三次元空間を二次元平面に投影するということです。では、私たちが見たこの三次元世界は、より高い次元からの投影でしょうか? 実はある意味で、「次元」という言葉の表現も非常に限定的で、正確ではありません。ここでは人類の知識体系で、あえて簡単にこれらの専門用語や学術用語を紹介しています。
(続く)