一冊のハードカバー版『轉法輪』をめぐる不思議な体験
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2022年9月6日】私は20年以上、法輪大法を修煉してきましたが、忘れられないことが一つあります。

 1998年、北京で出稼ぎをしていた私は多くの借金を抱え、貧しく病気で、自分の運命は暗くて無力だと感じていました。ある日、ある理髪店で見つけた『轉法輪』を読むと、すぐに奥深い法理に惹かれ、衝撃を受けました。このようにして大法修煉に入り、それから生まれ変わったように新しい人生が始まりました。

 『轉法輪』は私にとって宝物です。その時は経済的にとても困窮していましたが、節約した12元(約200円)を使って『轉法輪』を購入しました。他の大法書籍は同修から借りて手書きで写したりしました。

 ある日、同修の家で当時出版されたハードカバーの『轉法輪』を見かけました。楷書体の縦書きの大型版です。私はその本がとても好きで、お金を貯め一冊買って、家宝として保存したいと心に決めました。後になってそのハードカバー版はもう再販されないことを知り、私の願いは実現できない夢と美しい思い出になりました。しかし、あれほど素晴らしい本を見て触り、読んだことを思い出すたびに、心の中に言葉で言い表せない幸運と誇りが溢れます。そのような感覚は、本当に修煉している大法弟子にしか理解できないものでしょう。

 それから中国共産党(中共)による残酷な迫害が始まり、大法弟子の修煉は法を正す時期に入りました。私は法を正す進展についていけるように、できるだけ「三つのこと」をしっかり行い、だんだんハードカバー版『轉法輪』を手に入れたい気持ちと渇望を忘れました。

 2001年のある日、村人に中共による法輪功への迫害の真相を話していた時、かつて私から真相を聞いたことがある隣人が、神秘めいた表情をして「あなたたちの本を一冊手に入れました。とても立派な本です」と私に言いました。本の名前、柄、手に入った経緯、彼は昨日の出来事を話してくれました。

 彼は村近くの小さい紙製品工場でアルバイトをしており、仕事は荷物の搬入です。工場の生産原料は各地のごみ収集工場から引き取った紙類です。昨日、彼はよその県のごみ収集工場に行って、古紙の山から、赤いベルベットのカバーの大きくて分厚い本を発見しました。拾ってめくってみるうちに、運転手が横から本を奪って確認をして、「これは法輪功の本だ、読んだら駄目だ」と言いました。そして、運転手は赤いベルベットのカバーを外して捨て、本をトラックの荷台に積んだ古紙の山に投げ入れました。ゴミ工場に行く時、運転手が自然に指揮権を握るので、反抗できませんが、その本の大体の場所を覚えました。帰り道に、彼は心の中でその本をどのように拾うかをずっと考えていました。荷下ろしをする時、彼は素早く乱雑な紙の山からその本を見つけて、誰にも気づかれていないうちに本をコートの中に隠して家に持ち帰りました。

 彼の詳しい説明を聞いて、救出された本はきっと私が夢見ていたハードカバー版『轉法輪』に違いないと確信しました。早速、夜に彼は我が家に本を持ってきてくれました。推測のとおり、まさにハードカバー版の『轉法輪』でした! 私は興奮して「とても有り難くて良い本ですから、大事に保管してください。もし、保管する気がないなら、私に保管させてもらえませんか、代価を支払います」と言いました。

 彼は「あなたから法輪功がどれほど素晴らしいかを聞いたことがあり、あなたの修煉前後の変化も見ました。そんなに固く自分の信仰を守っているあなたを見て、私も法輪功に好感を持つようになりましたた。こんなに素敵な本が古紙として潰されるのを見ていられません。あなたならきっとこの本が好きだと思い、あなたのために取っておきました」と言いました。彼にどうやってお礼を言えばいいのか分からず、彼に一日分のアルバイト代を渡しました。彼はとても満足していました。

 きっと慈悲深い師父はこんな不思議で、ドラマチックな按排をされ、私にこの本を届けて下さいました。師父に深く感謝しています。それから、ずっと貴重な宝物としてこの本を大切にしています。字の訂正が必要な時、その本の字の大きさとフォントが特殊なため、私はかなりの努力をして繰り返しチェックして、やっと一通り訂正しました。

 3年前のある日、私は当局に逮捕されて、警察は家宅捜索をし、家にある法輪功の資料とほとんどの大法書籍を差し押さえました。その時私は、「宝の本が発見されませんように」と師父にお願いしました。最後に彼らは本当に宝の本が置かれた部屋に入らなかったのです。

 不法監禁されている間に、妻(同修)も連行され、私の家は2度目の家宅捜索をされたと聞きました。宝の本もきっと難を逃れられないと思って、大きな憂いと喪失を感じました。

 出所して家に帰った後、地方の同修が会いに来ました。彼が持ってきたトランクを開けると、なんと中には宝の本があって、少しの損傷もなく光り輝いています。私が連行された後、家族を慰めるために彼は我が家に来て、宝の本を見て、即座に私の代わりに大切に保管すると決めて、持ち帰りました。私が出所して無事に帰ってきたと知ってから、すぐに本を届けるために来てくれました。師父への感謝と同修への感謝を、どのような言葉で表現すれば良いのか分からない私がいました。

 宝の本をめぐる一連の不思議な体験を通して、師父の法身は本当にそばにいて、いつでもどこでも大法弟子を見守って下さっているのだと分かりました。同時に、このように貴重な本を師父も守ってくださり、しかるべきところに行くように按排されているのだと思います。

 大法弟子は、無条件に師父と大法を信じて、「三つのこと」をしっかり行い、師父との約束に背かないように頑張らなければいけません。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/8/24/446175.html)
 
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