【明慧日本2024年5月10日】山東省済南市萊蕪区の法輪功学習者・亓英俊さんは、2023年12月20日、山東省済南刑務所に入れられた後、迫害に抗議するため、断食を続けている。4月中旬、亓さんの家族は萊蕪区司法局を訪ね、亓さんを帰宅させるようと要求した。司法局の職員は刑務所に連絡し、亓さんと家族の電話での通話を許した。監視の下で、亓さんは家の状況だけを聞いたが、声がとても小さかった。
亓さんは2023年6月19日、借家で警官に連行された。当時、亓さんは健康状態が悪かったので、留置場側に入所を拒否された。しかし、帰宅した亓さんは居住監視の下に置かれた。6日後、萊蕪区公安分局の国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下、国保)の警官は亓さんの案件を萊蕪区検察院に送検した。その3日後、萊蕪区検察院は亓さんを同区の裁判所に起訴した。裁判所は2023年9月25日、亓さんに懲役4年の判決を言い渡した。亓さんは控訴したが、二審の裁判所からも原判決維持との不当な裁定を下された。2023年12月20日、亓さんは済南刑務所に収容された。現在、亓さんは刑務所で迫害を抗議するため、4カ月以上も断食している。家族は亓さんの声から亓さんの体がすごく弱っていると感じたそうだ。
以下、亓さん一家が受けた迫害事実の簡述である
亓さんは64歳、妻の陳連梅さんは61歳、済南市萊蕪区に住んでいる。1998年から法輪功を学び始めた亓さんは、20数日で、患っていた頚椎症、胃炎、鼻炎などの病気が治った。亓さんの変化を見て、妻の陳さんも1999年7月から法輪功を修煉し始め、家族が仲良く暮らせるようになった。
しかし、1999年7.20、中国共産党は法輪功の迫害を開始した。亓さん一家は法輪功を学び続けているとの理由で、嫌がらせ、連行、拘禁、拷問などの迫害を加えられた。2000年、公園で法輪功の功法を煉っていた亓さんは連行されて、労働教養処分3年を科された。妻の陳さんも法輪功を学んでいるとして、懲役2年6カ月の判決を受けた。
2000年3月15日、亓さん夫婦は、5歳の息子を連れて法輪功迫害の停止を求めに北京に行ったが、北京の警官に連行された。4月20日、亓さんは第十三署に24時間拘禁された後、海淀区留置場に移送され、迫害に抗議するため断食したが、野蛮な灌食をされた。その警官らは、プラスチックチューブを亓さんの鼻腔から胃に挿入し、わざと引き出したり挿入したりを繰り返した結果、亓さんの鼻腔と食道が傷つき、チューブが血だらけになった。10日後、亓さんは莱蕪市公安局の警官・劉青に手錠をかけられ、北京から莱蕪に送還され、莱蕪市留置場に1カ月間拘留された。
拷問のイメージ図:野蛮な灌食 |
同年6月9日、亓さんは公園で法輪功を煉ったとき、莱蕪市公安分局と官司派出所の警官によって連行され、翌日に山東省第二労働教養所に送られ、3年間の労働教養処分を受けた。妻の陳さんは迫害を免れるため、放浪生活を強いられた。莱蕪市公安局の警官は、陳さんを連行するために、陳さんの息子が通っている莱蕪市実験小学校まで押しかけ、母親の居場所を言うように5歳の息子を脅迫した。
労働教養所で警官は、亓さんに法輪功を学ぶことを諦めさせるために、様々な手段を使って拷問をした。警官は8本の15万ボルトのスタンガンを同時に使って、亓さんの体に電気ショックを与えた。亓さんの頭はハンマーで殴られたようになり、感電によって身体が突然飛びはね、部屋中が焦げた臭いで充満した。その時、亓さんは心臓が非常に苦しかった。拘禁中の部屋に戻ると、亓さんの全身は焼けただれた状態になっていた。十数日後、亓さんが服を脱ぐと、乾いた痂皮(かさぶた)がたくさん落ちた。
拷問の再現:スタンガンで電気ショックを与える |
2005年9月30日の夜中、放浪生活をしていた亓さん夫妻は汶陽村の友人の家で莱蕪市公安局、莱城区分局の警官に連行された。当時、警官1人は亓さんに手錠をかけ、手錠の鎖を掴んだまま200メートルほど引きずった。そのため、手錠が亓さんの手首に食い込み、肩の皮膚も破れ、流れた血で衣服を染めた。留置場側が何も亓さんの医療処置をしなかったので、傷口が感染して化膿した。その傷口は服役者も怖くて直視できなかった。亓さんの手首の傷が正常に戻るために3年以上かかった。
亓さんの娘の亓鑫さん(当時19歳)は、人権弁護士・高智晟さんのインタビューを受け、一家が受けた迫害事実を話したため、2005年11月14日に連行され、3年の労働教養処分を下された。
2019年7月16日、亓さん夫婦は、自宅に押し入られた済南市公安局の私服警官数人に連行され、留置場に入れられ、拘禁された。11日後、身体が深刻な状態になった亓さんは「保釈」された。2020年11月24日、陳さんは2年6カ月の判決を受けた。その後、亓さんは家から離れ、放浪生活を余儀なくされた。
2023年6月19日、莱蕪区張家洼派出所の警官は亓さんの借家に押し入り、不当に連行した。当時、亓さんの健康状態は深刻化していたため、済南市第六留置場に受け入れを拒否された。亓さんは帰宅したが、監視は実施された。
6月25日、莱蕪区公安局の国保の警官は、亓さんに濡れ衣を着せ、莱蕪区検察院に送検した。6月29日、莱蕪区検察院は亓さんを起訴した。8月14日、裁判所は亓さんに対する裁判が行われた。
裁判で、裁判官は「証拠」の検証を拒否したうえ、亓さんの自己弁護の機会さえ与えなかった。9月25日、莱蕪区裁判所は亓さんに懲役4年、罰金1万元の判決を宣告した。亓さんは控訴したが、11月9日、済南市地方裁判所に却下されたという。
(亓さんが受けた迫害事実の詳細は、明慧ネットでご参照ください)
(注:法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照)