高い壁を飛び越える
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文/河北省の大法弟子

 【明慧日本2024年7月27日】私は2001 年後半、邪悪の巣窟から抜け出し、もはや自分の家にいられなくなりました。当時、郷政府と村委員会の人たちは毎日、大法弟子の家に行っては嫌がらせをし、地元の派出所に毎日出頭するよう要求しました。行かない場合は200元の罰金を科し、学習クラス(洗脳班)に行くように強制し、「転向」しない大法弟子は留置場あるいは労働教養所に送られました。このような状況で、私は邪悪の迫害と嫌がらせに協力するわけにはいかないので夫と話し合い、身の回りのことができない81歳の半身不随の舅を連れて、夫の会社で暮らすことにしました。

 夫の職場の指導者たちはとても親切で、正義感があります。特に郭主任​​は、私がこれまで何度も真相を伝えており、法輪功に強く賛同しています。修煉者は真・善・忍に従って善良であるべきだということにも賛同しています。彼は以前、「お姉さん、あなたはどこの大学を卒業したのですか? とても知識があると思います」と冗談を言ったことがあります。私は「私が言ったことや、そしてあなたが知識だと思っている話は、すべて法輪大法の『轉法輪』から来たものです。この本は博大で奥深い、修煉の本です」と言いました。彼は微笑んで「その通りです」とうなずきました。その時、私たちは郭主任に自分の状況や困難について話しました。

 郭主任はとても同情的で、「私はお二人の人柄をよく知っています。お姉さんが、半身不随の義父を辛抱強く優しく世話をしているのを見て、知らない人は娘だと思うほどです。お姉さんが修煉している法輪功はとても良いもので、尊敬に値することを知っています。中共は悪いものですね。私は内心ではお姉さんを支持します」。そこで彼は親切にも、以前住んでいた小さなオフィスの中庭に私たちを住まわせてくれました。

 高い壁を飛び越える

 当時、外の環境は非常に怖く、緊迫した厳しいもので、大法弟子は毎日洗脳班に連行されていました。私が夫の職場に住んでいることを彼らがどうやって知ったのかわかりませんが、ある日の昼、舅に食事を食べさせた後、私は台所に食器を洗いに行き、部屋を出ようとしたところ、突然二人の若い男性が玄関に現れました。一人は町の派出所の警官で、以前から知っていましたが、もう一人は面識がなく、県610弁公室の関係者だと言っていました。二人がドアの両側に立って進路を塞ぎました。

 警官は片手で前に進むよう身振りで示し、大声で私の名前を呼びました。「〇〇◯、出てはいけない。何回もお前を逃がしてしまった。今日は、お前を部屋に閉じ込めて、どこに逃げるか見てみよう」と。彼は手錠を握り、私の目の前で手錠を振り回しながら、その態度は非常に良くないものが広がっていく感じがしました。

 私はこう思いました。「私は法輪大法を修煉している。法輪大法は佛法であり、正しいもの。自分は正しい道を歩んでいる。良い人を捕まえに来るのは悪を助長する悪い人だ。恐れる必要はない!」。そして師父の『大法、身を離れずして 心に真善忍、存す 世間の大羅漢 神鬼、十分懼(おそ)れる』(『洪吟』「威徳」)という詩を思い出した。そのとき、自分の体が非常に高く、全身に正義のエネルギーが満ちていると感じました。私は「あなた達は誰ですか? なぜ私の家に来たのですか?」と厳しく言いました。610弁公室の関係者は「あなたは〇〇◯か?」と聞きました。「そうです」。「まだ法輪功を煉っているのか?」と聞かれたので、私は「このような千載一遇の素晴らしい功法を、やめるわけがないでしょう」と答えました。「なら、俺達について行きなさい」。「どこに?」。「学習クラス」。私は「学習クラス? 立派な名前ですね、それは洗脳班ではないですか? 行きません。中共に洗脳されたら、良い人から悪い人になるのではありませんか? 行きません!」。 610弁公室の関係者は「それはあなたが決めることじゃない」と言ったので、私は「それもあなたが決めることじゃない!」と言いました。

 私はさらにこう言いました。「私たち修煉者は、真・善・忍に従って善良な人間でなければなりません。私たちは物を盗んだり、人を殺したり、放火したりするようなことは一切しません。社会に害を及ぼすようなことは何もしません。私たちは法律を遵守し、法に違反しません。このような良い市民に対して、中共は洗脳班を開こうとしています。反対方向に『洗脳』するのですか? これは中共が悪であることの証明ではないでしょうか? 殺人や放火事件、法を犯す者たちを放任していて、真・善・忍に従った善良な佛を修める人たちを逮捕するとは、いったいどんな法律を執行しているのでしょうか? 1億人もの善良な人々を敵として扱い、政府は天安門焼身自殺という偽りの事件をでっち上げ、全国民を欺く大嘘をつきました。この政権はどのような政権なのでしょうか?」

 「あなた方は皆、高学歴なのに、善と悪、良し悪しの区別もつかないのですか? 悪事を手助けして罪悪感はありませんか? 今、自分たちが悪いことをしていることを知っていますか 、市民に対して嫌がらせをしていることは知っていますか? あなた達が言っている命令や指示は悪であり、私はこのような邪悪な政権は受け入れないし、邪悪な政党に指導されることもありません。出てください!」

 610弁公室の男は、「邪悪な政権は受け入れない、邪悪な政党の指導の下にはいない」と言ったのを聞くと、何かを掴んだようで、すぐにテーブルをたたき、私を指差し、「よくもそんな反抗的な言葉を言えたものだ! 共産党の指導を受けない? 私は今日、お前の傲慢さを一掃しなければならない! 反乱を起こすな! たとえ、今日お前を打ち殺したとしても、自殺とみなす!」と叫びました。そして、そばにいた警官に「手錠をかけて連れて行こう!」と命令しました。その警官はすぐに行動しようとしました。

 私もテーブルを叩き、二人を指差して大声で言いました。「そこに立って動くな!」。すると彼らは本当に動かなくなりました。その時、私はあまり深く考えませんでした。

 後で、師父が私の功能を開いて下さり、彼らを釘付けにさせたのだと分かりました。私は「あなたたちの言う通りにはなりません、絶対、一緒に行きません」と言った後、洗いたい食器を持って台所に行きました。

 住居の正門から出ることができず、彼らが入ってきたときに施錠されました。寮から北へ歩き続けると、壁(レンガの壁。上にはセメントと尖っているガラスが塗られた)があり、高さは約3メートル以上もありました。その隣にはトイレもあります。私が壁に近づこうとしたとき、後ろの二人が走って叫んでいるのが聞こえました。「彼女は壁を乗り越えようとしている。早く捕まえて。二度と逃げ出さないように。もし逃がしたら、俺たちはクビだぞ!」

 私は、師父に助けを求めました。そしてトイレの壁に手を置いて、「行こう!」と思うと、まだ力を入れていないのに、すぐに飛んで壁を乗り越えました。壁の根元には、家を建てるための砂が大量に積まれており、私の足はその砂の上にふわりと着地しました。私は師父にとても感謝し、しっかり立ってから両手を合わせて「師父、ありがとうございます!」と言いました。

 壁の中にいる二人はまだ叫び続けていました。「眼の前に逃がしてしまった。こんな高い壁、どうやって逃げたのだろう? 飛んでいったように見えた」。一人は「二人は重なって、壁を登って飛び降りて捕まえよう」と言い、もう一人は、「いやいや、こんなに高い壁だし、ガラスもあるから、足を折らずに飛び降りるなんてできないよ!」 と言いました。

 彼らの会話を聞いて私は微笑み、すぐに同修の家に行きました。

 身を隠す

 2002年4月のある日、同修たちと法輪功迫害の事実を伝えようと市場に資料を配りに行きました。私はLさんと一緒に配布しましたが、配布を終えたときに、Zさんは警官に連行されました。残忍な拷問を受け、Zさんは私を含め、数人の同修の名前を言いました。

 瞬く間に6月、7月に入ると、警官らは私たちの数人を連行し始めました。Lさんは夫の職場の向かい側に住んでいます。

 その日夫は夜勤でした。夜の9時に私は正念を発していました。突然、夫が息を切らし、私がいる部屋に向かって走ってきて、叫びました。「早く逃げて! あそこのトラックから20数人の警官が降りて、半分はLさんの家に行った。半分は私を追って来た。もう間に合わない、早く逃げて!」

 夫は大量の汗をかき、息を切らし、極度に緊張していました。ドアが開いていたので、電気棒と懐中電灯を手にした10数人が走ってくるのが見えました。それは私から10メートルほどの距離で、すぐに目の前に来てしまいました。

 その時はあまりに突然だったので、余計な反応もありませんでした。私はドアに背を向けて静かにそこに立って、動かず、師父の説法を思い出しました。「この頃、ここに坐っているかと思うと姿が消え、しばらくするとまた現われてきたりする人がいますが、つまりこのようなことです。それよりもっとすごい神通力も現われてきます」(『轉法輪』)。その時、私の心の中には「彼らには私が見えない、私は修煉者であり、師父の管理下にある。私は捕まらない」と、単純な考えしかありませんでした。

 夫はそこに立って憎しみの目で彼らを見つめていました。警官は息を切らして、夫に「道路で私たちを見てなぜ逃げたのか? 逃げなければ、追わないよ。妻に知らせに来たでしょ? ここにいるはずだ。妻はどこだ?」と聞きました。

 夫は「知らない!」。

 警察は夫を押しのけて私に群がり、大きな懐中電灯を手に持って家の隅々まで捜索し、懐中電灯で私の顔を照らしました。懐中電灯から顔まで30センチぐらいの距離で、警官は私の顔の前で何度も懐中電灯を振り回しましたが、私は何も言わずただ彼を見つめていました。

 警官は「なぜ家に誰もいないのか? そんなはずはない。夫が慌てて通報したのに、いないはずがない」とつぶやいた。

 その時、なぜ彼らに私が見えないのかについては、あまり考えませんでした。ただ「早く立ち去ってほしい」と思いました。

 まるで命令を受けたかのようにある警官は振り返り、みんなに手を振り、「ここにはいない。他のところを探そう。この庭からは出ていないだろう」と言いました。7、8人が私の目の前から立ち去り、別の場所に行きました。

 そこに立っていた夫が、警官が去っていくのを見たとき、地面に倒れ込み、「死ぬほど怖かった、心臓が口から飛び出そうな感じがした」とつぶやきました。

 その時、私は涙を流しながら「師父がまた弟子の苦難を解決してくださったのです。師父は時々刻々弟子たちを守って下さっています」と感謝しました。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/6/30/479155.html)
 
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