文/中国の大法弟子 小蓮
【明慧日本2024年10月22日】ここ数年、中国政府は人々の建物を強制撤去する動きを激化させています。この強制撤去は全国に広がっています。私たちの地区でも多くの場所で古い家屋が解体されています。数万元の家をめぐって父と息子が裁判を起こし、兄弟姉妹が悪意を持って争っているのです。財産をめぐる子供たちの争いに腹を立て、農薬を飲んだり首を吊ったりする高齢者もいます。
3年前、母の村の当局は家屋の取り壊しを始めました。村人たちは騒然となり、誰もがそのことを話題にしました。あるとき、取り壊し許可の書類に署名してから3日後、子供たちが家財をめぐって争ったため、高齢の女性が殺虫剤を飲み込み、亡くなりました。
私には2人の兄がいます。2人が結婚したとき、両親は2人のために4つの部屋の新しい家を建てました。両親は6つの部屋があった古い家をそのまま残しました。
世帯移転の規定により、両親は古い家を取り壊す代わりに3軒の新築を受け取ることになっていました。それを聞いた兄たちは、今後誰が部屋を受け取るか計算し始めました。
次兄は父にこう言いました。「お父さん、家を取り壊しの後、古い家と引き換えに3軒の新築を手に入れることになります。あなたが亡くなったら、1軒を私に、1軒を弟にあげてくれませんか。妹はあなたとお母さんにとても親孝行だから、もう1軒は妹にあげてもいいですよ」。父は同意しました。
しかし、長兄夫婦は、次兄が父とこの件について話し合ったことを聞いて不満でした。彼らは、次兄が事前に相談せずに父に私に新築を渡すように頼んだことを快く思っていなかったのです。
意見の相違を知り、私は悲しくなりました。私は次兄に「私はその新築は欲しくないです」と言いました。次兄は「いや、あなたがもらうべきです」と主張しました。彼は、長兄夫婦の前で家が欲しくないと言わないようにと何度も私に言いました。私は悲しくなりました。私たちの兄弟は非常に良い関係でしたが、お金や家に関しては、人々の貪欲な性質が現れ、それは村全体で起きていました。
建物の解体が始まった当初、村人たちは主に、各世帯が古い家屋と引き換えに何戸の新築を手に入れるかについて話し合っていました。また、新築を家族間でどう分配するか、どの家族が争いになっているかなどについても話していました。
隣町の家が解体されました。母親が末っ子に家を与えたため、その家族の長男は母親の家の窓を割り、調理鍋を道路に投げ捨てたのです。住宅を配分することは人間性の最悪の面と最高の面をすべて露呈させました。
私と次兄の妻・虹さん(仮名)はとても仲が良いです。ある日、虹さんは私の母にこう言いました。「いとこが『もし蓮さん(私)が新築を要求してきたらどうしますか?』と尋ねたので、私は「蓮さんを殴るわ」と答えました」
実際、虹さんはいとこと冗談を言っていたのです。でも、母がその冗談を私に話したとき、私はなぜ自分が怒ったのか分かりませんでした。私はひどく不当な扱いを受けたと感じ、憤慨し、涙があふれてきました。私はその新築は欲しくないと言ったのに、どうして彼女はそんなことを言うのでしょう?!
後になって、それは私の人間の観念に触れられたのだと気づきました。師父はこの冗談を使って、私の深く隠された執着を暴いたのです。当時、私の長兄も両親に私に新築を与えるように言い、それを受け取るように強く勧めました。結局、私の2人の兄は交代で私を試し、私の性格を向上させていたのです!
この事が起きた後、私は数日間考えました。そして最終的に新築を受け入れないことに決めました。私は2人の兄弟に「私には住居があり、この新築は欲しくないのです。皆さんが私のことを考えてくれてとても嬉しいです。私たちは何十年も兄弟姉妹であり、私たちの血縁上の兄弟の関係は新築よりも大切だと思っています。これが私の本心です」と言いました。
自分の考えを話した後、私は今までに経験したことのない安堵と喜びを感じました。まるで重荷が下りたかのようでした。その瞬間、私は突然次の言葉の意味を悟ったように感じました。
師父は『轉法輪』「第九講」の中にこう説かれました。
「われわれは、トラブルに直面した時、一歩引き下がれば世界が広々と開けると言っています。間違いなく違った世界が現われるのです」
私は心がより高い領域に到達したように感じました。その感覚はとても素晴らしく、物を手に入れることよりも、物を手放すことのほうが人を幸せにすることを心から実感しました。この経験を息子に話したところ、息子も心から同意してくれました。
ある時、食事会で、友人の一人が私に尋ねました。「お母さんの古い家が取り壊されるので、あなたの分はありますか?」
私は言いました。「彼らは私に90平方メートルの新築を与えたいと言っていましたが、私は欲しくないと言いました」。その瞬間、テーブルにいた全員が私を見つめました。彼らの目には驚きと感嘆の表情が浮かんでいました。新築の1戸あたりの価格は100万元ほどです。この物質主義の時代に、このような誘惑に抵抗できる人はほとんどいません。
これを聞いた多くの人が私に親指を立ててこう言いました。「あなたは素晴らしい! 新築を欲しくない人はいないと思います」
凡人は私が世界で一番の富豪であるということを知りません。なぜなら私には師父と大法があるからです。師父は私に他人を第一に考えることを教え、この混沌とした世界でゆったりと幸せな人生を送ることを教えてくれました。私は名声や富を求めません。困難な状況に遭遇したとき、私は自分の内面を見つめて自分の欠点を見つけ、まず他人のことを考えます。
私はまだ執着心がたくさんあるので、多くの面でさらに向上する必要があると分かっています。私は法に従い、修煉の中で誠実に自分自身を正していきます。
「師父がいらっしゃるって本当に素晴らしいです!」という思いが私の心によく浮かびます。