李洪志師父が中国古典舞踊について語られる
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 【明慧日本2013年8月17日】飛天大学の教学の指導として、李洪志師父が飛天大学のために自ら『中国古典舞踊とは』の文章を書かれました。下記に全文を転載します。

中国古典舞踊とは

 中国古典舞踊は五千年にわたる悠久の中国文化が築き上げた芸術体系の中の一つであり、身体を通じて表現する芸術形式です。

 一、中国古典舞踊の特徴

 1、中国古典舞踊には豊富な動作があり、人間の各種の感情を表現することができます。喜び、悲しみ、喜怒哀楽、悲歓離合、瘋、癲、痴、病、酒酔い、荘厳、卑賤、威風、文劇(訳者注:歌やせりふを中心とした芝居)、武劇(訳者注:立ち回りやしぐさを中心とした芝居)など人物の性格やストーリーの表現が可能です。

 2、中国古典舞踊は意をもって身体を動かします。つまり、内心の感情が身体を動かしてはじめて余すところなく表現できる舞踊です。

 3、中国古典舞踊は人体の自然能力を用いているため、人為的に特別な訓練を受け筋肉を鍛える必要はありません。つまり、日頃の歩行、走り、跳躍、階段上り、自転車運転を通じて自然にできた筋肉を用いるのです。上肢も普段の仕事や作業でできた筋肉を使用しており、訓練によって、これらの自然にできた筋肉が鍛えられます。

 4、中国古典舞踊の訓練には四つの項目があります。

 ①身法の訓練(踊りの組み合わせとバーの基礎訓練)

 ②身韻の訓練(内在する特定の情感を身法を通じて表現する手法)

 ③舞踊の技法訓練(難易度の高い動作の訓練)

 ④毯子功(タンズゴン、各種の絨毯の上で行う宙返りと基礎の訓練)

 5、中国古典舞踊は、セリフなしの舞劇の中で舞踊を用いて演じる部分もあります。中国古典舞踊のステージは、映画、話劇(中国の新劇)、オペラ、戯曲(中国伝統劇)、米ブロードウェイのミュージカルダンスと異なり、表情と四肢の動作が相まって誇張して表現する形式です。

 二、中国古典舞踊の起源と伝承

 数千年前、中国で武術が現れました。当時、身体を使う多くの表現芸術は武術の動作、技と宙返りから影響を受けました。中国古典舞踊の動作の多くは武術に由来しており、表現方法や要求が違うだけです。中国古典舞踊はその後、5千年の中国文化の中で蓄積を重ね、身韻が形成されました。これは、中国古典舞踊が伝承過程で形成された深みでもあります。この民族の深みを根幹とする身体の動作は、おのずと中華民族ならではの特徴が備わっています。しかし、ほかの民族出身のダンサーも身韻と身法の訓練を受ければ、この趣きを醸し出すことができます。

 中国古典舞踊はさまざまな方法で伝承されています。演劇はその主な方法です。歴代の宮廷舞踊はそれぞれ違う技術の特徴を有しています。民間では互いに見習うという方法で伝承されています。雑技の場合、武術の技が重視されています。秦・漢の時代以前から武術の技を芸として演じて生計を立てる芸人がいました。雑技は宙返りを主とします。唐・宋の時代の多くの舞踊と雑技は、中国古典舞踊の早期の基本動作と技術や技の要素を備えています。特に、宙返りはほとんどの雑技に採用されています。これは中華大文化圏で異なる芸術の技が相互に影響したとも言えます。

 中国の「朝(時代)」はほかの古代民族の王国と概念が違います。「朝」の変遷は文化に新たな変化をもたらしました。「朝」が変われば、人も変わり、文化も一新されます。中国古典舞踊はこのように歴史文化の流れで蓄積を重ね、改善されてきました。

 中国古代では現代のような教育体系がなく、演劇の場合、師弟の間で伝承されていました。幼少時代から弟子入りした人は、正式な教育を受けたと見なされます。宮廷の舞踊は宮女の間で学び合うことによって受け継がれました。雑技は家族内で代々伝わりました。武術の場合、先祖や師父の教えを伝えていました。宗教は弟子の出家後、仏門または道教の師父が教えていました。体系的な現代教育が始まったのは20世紀前半でした。

 三、中国古典舞踊と現代新武術との違い

 現代のアクション映画やドラマが放映されるようになって、多くの人は武術の動作を実際の効果が伴わない見せかけの拳術に変えてしまいました。映画やドラマでは舞踊の動きのように演出させています。実は、これは中国古典舞踊と完全に異なります。根本から言えば、

 1、中国古典舞踊は身体の動作の表現を何よりも大事にしているのに対し、武術は素早くて強い動きを重んじています。武術は速ければ速いほど、効果があるとされています。

 2、中国古典舞踊の身体動作は内在する身韻と一体化しています。

 3、中国古典舞踊は一種の身体言語であり、登場人物とストーリーを十分に表現するために四肢を最大限に伸ばします。ですから、舞踊の生徒を募集するときに、足が長いことが最も基本的な条件です。この身体を伸ばす行為は武術の組手では危険とされています。

 4、武術は中国古典舞踊のように物語を描写せず、人物やそれぞれの感情を表現することができません。

 5.武術には中国古典舞踊に必要な身韻を伴いません。

 四、中国古典舞踊が他体系の舞踊と身体技能に及ぼす影響

 中国古典舞踊の技術や技、宙返りなどは、いわゆる「改革開放」によって突如、世界の舞台に現れました。特に、技と宙返りは全世界の舞踊界に大きな衝撃を与えました。そのため、クラシックバレエも中国古典舞踊の技と動作を取り入れ、モダンバレエはとりわけ中国古典舞踊の技を数多く取り入れました。しかし、彼らは技の基準と要求を理解していないため、正しく使っていません。ストリートダンスは、これらの事がことさら理解できないために中国古典舞踊を改悪しました。

 中国古典舞踊はスポーツ界にも大きな影響を与えました。20世紀70年代より前、床運動、平均台、鉄棒、平行棒に簡単なバレエの動作と身体の芸術的訓練しかありませんでしたが、中国の体操チームは中国古典舞踊の技術、技と宙返りを体操競技に大量に取り入れました。20世紀70年代、国際試合にそれが披露されると、各国の体操チームは大きな衝撃を受けました。中に各種目の優勝を総なめする中国選手も現れました。各国の体操チームも中国古典舞踊の技と宙返りを学び始め、体操の競技レベルを押し上げました。

 実は、全世界の多くの舞踊と身体芸術、スポーツに中国古典舞踊の技術、技と宙返りが取り入れられています。それを真似してまずまずのレベルに達した人もいれば、レベルが低く、動作が違ったり、基準から大きくずれたりする人もおり、5千年の素晴らしい文化をねじ曲げてしまいました。

 以上は中国古典舞踊の基礎知識です。

                         李洪志

                       2013年7月5日

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2013/7/7/276383.html)
(English: http://en.minghui.org/html/articles/2013/7/8/140927.html)
 
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