文/中国山東省の大法弟子
【明慧日本2015年4月26日】お正月のある日、男女2人のお客さんが私の店の外でマネキンが着ている洋服を見ていました。私はすぐに彼らに声をかけ、「よろしかったら、試着してみませんか」と言いました。女性の方は少し迷いながら「私に似合うかしら? この色は着たことがないので」と言いました。私は「大丈夫です。試着だけならお金は要りませんから。もし似合わなければ、お買い求めいただかなくても構いません。似合っていても、値段の問題もありますからね」と言って、マネキンから服を外しました。
一方、スーツ姿の男性はあっさりと店に入り、椅子を探して直ぐ座りました。彼は左手で右手を握りながら「私の右手はどうしたのか感覚がなく、思うように動きません。もう何年も痺れがなかったのに」と言いました。
私は彼らが縁のある人と思いました。私は彼に「これは経絡が通じなくなり、気血が滞り、経絡が詰まっているのです」と言いました。彼は少し驚いた顔で私に「漢方医も同じことを言っていました」と言いました。私は女性の試着を手伝いながら、彼に「心が穏やかな心理状態が何よりも重要だと言われているでしょう。喜怒哀楽は五臓六腑を認識して、管理しており、手足もすべて大脳が指揮しているのです。何事も良い方に考えるべきですよ。楽観的で、仕事と休みをバランス良くし、稼ぎも程ほどにして、使う時には使い、さっぱりして物事に執着しない生き方が一番良いですよ」と言いました。
さらに、私は「実は、人が怒るのは、ただ単に自分が損をしたとか、相手が得をしたとか、私の分まで取られてしまったとか、そんなことばかりではありませんか。もし、『失うことが無ければ、得ることも無い』という道理が分かれば、損得に平然として対処することができ、怒ることもしなくなるでしょう。人は誰でもお金持ちになりたいと思いますが、しかし、徳があって、初めて金持ちになることができるのです。人が死んだ時、何も持って行けませんが、一生積んだ徳と作った業力だけは、その人と共に転生して、それによって、来世の財運と健康が決まるのです。徳を多く積めば、福も大きくなります。だから、お年寄りはよく『善行を積んで、徳を積み、良い来世になる』と言っているでしょう。昔、先見の明のある人は誰でも、困難な時期、穀倉を開放して、食糧を配り、被災者を救済しました。それも自分に福を蓄えるのです」と言いました。
男性は、「そうです。その通りです。君子は人徳を高く持ち、義務を成し遂げるものですね。それにしても、あなたはよくご存知ですね」と言いました。私は「私の師父がこれらの道理を教えてくださったのです。私は法輪功を修煉していますから」と言いました。男性はとても驚いた表情で、「法輪功? あなたは怖くないのですか」と言い、私は微笑みながら、「あなたの目からあなたが良い人だと分かりました。そして、あなたはとても理性的で、決して簡単に何かを信じようとしないでしょう。特に今日、奥さんと一緒に買い物をしている姿を見ていると、あなたは家族を大事にする人だと分かります」と言いました。
男性は直ぐに、「その通りです。こちらは妻です。愛人ではありません。私はその気持ちがあってもその勇気はありません」と言いました。私は彼に「くれぐれもそんな心を持たないようにしてください。人間は自分の行動を制限しなければなりません。もし、欲望を放任すれば、他人を害するだけでなく、自分をも害して、また寿命を縮めてしまうのです。今、あなたが幹部になったのは、前世に積んだ徳が多く、良いことをたくさんしたからです。夫婦だって、何世にわたって修めてできた縁です。必ず大事にしなければなりません。夫唱婦随の家庭は円満になりますからね」と言いました。男性は笑いながら「聞こえた? 私の言うことにあなたが従順に従えば、家庭が円満になるよ。これから、私に優しくして」と女性に言いました。
その時、女性も洋服を選ぶのをやめて、こちらに来て椅子に座り、私に、「あなたは怖くないですか? 彼は派出所の警官ですよ」と言いました。私は「今日、あなた達お2人がこの店に入って来られたこと、これは縁です」と言いました。男性は「その通りです。振り返ってみると、前世から500年を経て、やっと今世の出会いにつながると佛陀はおっしゃっています」と言いました。
私は引き続き、「縁は素晴らしいものです。人は誰でも豊かな生活を送りたいと思い、災難を避けたいと思いますが、しかし、運命の中に徳がなければなりません。これは昔からの不変の道理です。皇帝でも、物乞いでも同じです。中国は5千年にわたって、王朝の交替を経験してきました。どの王朝も皇帝の人徳が高ければ、その王朝は繁栄して安定します。しかし、暗愚な君主の非道な行いは、必ず政権の崩壊と自身の悪報を招きます。善悪には報いあり、それは永久不変の道理です」と言いました。
さらに私は、「法輪功を迫害した江沢民一派は今次から次へと失脚していますが、しかし、当時、彼らは権力のすべてを傾けて迫害しました。もし、当初、国に損失をもたらし、民を苦しめて、法輪功を迫害しなければ、今日のこれほど痛ましい結末にはならないでしょう。彼らは今びくびくしているだけでなく、最終的に、また悪名を後世に残します。共産党はかねてから報いを信じない、徳を重んじない、金銭と権力だけを信じてきました。その結果、偽物が氾濫し、売春、賭博、麻薬が至る所に広がり、罪を犯しても、金さえ渡せば罪を見逃し、窃盗、強盗、殺人を取り締まることができず、真実を言う人や、陳情する人が逆に連行され、殴られ、刑務所に入れられるのです」と言いました。
さらに、「共産党はこれまで運動をする人々を迫害してきました。文化大革命では、どれだけの良い人を殺したのでしょうか? 天安門事件でどれだけの正義を広める学生を殺戮したのでしょうか? 法輪功を迫害し、『偽りの天安門焼身自殺』の茶番劇をでっち上げ、どれだけの中国人に法輪功に対する憎しみと誤解の念を持たせたのでしょうか? さらにひどいのは、生きている法輪功修煉者から臓器を摘出し、高額で販売して、暴利を貪っているのです。天は怒り、人は恨みます! 人がしていることを神は見ています。神が中国共産党を滅するのは必然的なことです。善悪をはっきり見分けて、中国共産党のすべての組織から脱退することは、邪悪と決別する最善の行為です。そうすれば、必ず天からご加護をいただき、福の報いが得られます」と言いました。
女性は少し緊張した様子で、「あなたは怖くありませんか? あなたの周囲の人は皆あなたが法輪功を修煉しているのを知っていますか?」と聞きました。私は平然として彼女に「皆は私が法輪功を修煉しているのを知っています。また私が商売をしても、人を騙さないことも知っています。そして、私が健康で、肌がきれいで、商売も繁盛しているのを知っています。法輪功は良い人になるよう教え、中国共産党の邪悪さを見分けさせています。共産党のすべての組織から脱退させるのも、災難を回避させるのも、本当にその人のためです。あなたは共産党員ですか?」と聞きました。男性は「私は共産党員ではなく、共産主義青年団の団員です」と言いました。女性は焦って「私は党員です」と言いました。「それなら、脱退しましょう。党員でも団員でも、庶民でも、善悪をはっきり見分けることができれば、その人は良い人です。福の報いがあります。神はお二人が心の優しい人とみて、わざわざ私の店によこされたのです。この機縁を逃さないでください。早く脱退しましょう」と私は言いました。
男性はのんびりした様子で、「何事も縁に従い、自然に任せ、強要をしてはいけません。出る杭は打たれると言われるでしょう。私達はこの社会で生活をして、何も変えることができません」と言いました。私は「自然に任すことを、そのように理解してはいけません。例えば、暗闇の中で、もしあなたの前に崖があるのを見て、あなたがさらに前進するのを止めなければなりません。あなたを自然に任せてそのまま前進させるのですか? あなたは経験が豊富で見識のある人です。私はあなたに職場の上司に脱退声明を出させるのではありません。神佛は人の心を見ます。幼名や偽名で脱退しても結構です。奥さんは『開心』で、ご主人は『順心』と言う名前で脱退しましょう」と言いました。
女性は男性に「私は『開心』で、あなたは『順心』ですよ」と言いました。男性は黙って、納得して笑いながら、「あなたはお幾つですか」と私に聞きました。「44歳です」と答えました。私は彼の言った意味が分かります。なぜなら、多くの人は私がまだ20代だと思っていて、こんなに若いのに、なぜこれほど知っているのか不思議に思っているようです。私は引き続き彼に、「仕事上でも便宜を図って、法輪功修煉者に優しくしてあげて下さい。そうすれば、あなたの今後の道はさらに順調になります」と言いました。
男性は微笑みながら、「分かりました。必ずそうします。ほら、私の手も良くなりました。感覚が戻ってきました。今日、あなたに出会って、本当に素晴らしい縁ですね。私はこの数年間、こんなに長く外で座ったことはありません。この洋服を適切な値段で売ってください。妻はめったに水色を着ませんが、でも、私は良く似合っていると思います」と言いました。それから値段を話し合い、合意しました。帰る前、女性は私に「時間があれば、また遊びに来ますね」と言いました。
しばらくして、2人はまた戻って来て、他の店で気に入った洋服を見て、値段が妥当かどうか分からないので、私に聞きに来たのです。私は「とてもお買い得です。お正月はどこでも安く売っていますから、サイズが合えば、買った方が良いですよ」と教えてあげました。2人は喜んで買いに行きました。
この救われた2人の後ろ姿を見送りながら、私は心から彼らを祝福しました。