新疆の中国共産党幹部に米国が制裁
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 【明慧日本2020年7月24日】米国務省は7月9日、中国共産党(以下、中共)の新疆公安庁と、中共の新疆幹部4人への制裁を発表した。4人とは、新疆の党委員会書記の陳全国氏、党委員会の前副書記の朱海侖氏、新疆公安庁長官兼党委員会書記の王明山氏、党委員会前書記の霍留軍氏である。この4人とその家族は、米国への入国が制限された。

 米財務省は同日の声明で、4人が新疆の人々に行った各種の拷問、デジタル監視、いわゆる「政治的教育」等の行為を列挙した。今回の制裁は、トランプ大統領が2017年12月20日に署名した大統領令第13818号「重大な人権侵害または汚職に関与した者の資産凍結」に基づく。制裁対象の組織または個人が直接または間接的に所有する財産または権益は、米国または米国人の支配下にある限り差し押さえの対象となり、外国資産管理室(OFAC)に報告されなければならない。

 陳全国氏は2016年8月、新疆区党委員会の書記に転任し、新疆の人々への圧政で辣腕を振るった。同氏はこれ以前にも、法輪功への迫害に直接関与した記録が残っている。

 『ウォールストリートジャーナル』は「中共による1999年からの法輪功迫害に当時の河南省高官であった陳全国氏が関与し、法輪功の書籍とCDを破壊した」と報じている。

 2010年1月~2011年8月、陳全国氏は河北省の省長を務めていた。この時、三河市第二幼稚園の教師であった呉志金さん、塩山県の小営郷の韓将軍村の小学校の教師であった胡連華さんを含め、多くの法輪功学習者が迫害により死亡した。

 新疆は北西部の辺境に位置し、総人口は約2523万人、うち漢民族は約860万人。新疆は陳全国氏による統治以来、徐々に1つの大きな刑務所と化し、法輪功学習者も未曾有の迫害を受けた。当地の法輪功学習者の大半は不法に拘禁されるか、あるいは個人の自由が制限され、流浪を余儀なくされた。拷問を受けた者もおり、その対象には高齢者も含まれた。

 厳宜学さん(90歳の女性)は、かつて新疆の石河子戒毒所の洗脳クラスに拉致され、約1年間拘禁された。石河子の政治法律委員会書記の王永康氏は、年配の厳宜学さんを公衆の面前で平手打ちした。彼女は警察協力員によって暴行され、半月近くにわたり鉄の椅子に拘束されていた。厳宜学さんは今年の中共の両会の前に再び拉致され、今なお音信不通である。

 もと新疆の五家渠102団の産婦人科医の李玉蘭さん(76)は、様々な疾病を患ったことがあり、膝関節障害による切断に直面していたが、法輪功を修煉して生まれ変わった。3年前、李玉蘭さんは、迫害の実態を知らない者に通報され、不当に懲役1年6カ月の判決を言い渡された。

 新疆環境モニタリングセンターの上級エンジニアの馬超さんは、法輪功を修煉したとして違法にウルムチ市の「教育転化基地」(つまり洗脳クラス)に連行され、その後も安寧渠収容所に移送され、長期間にわたり違法に拘禁された。

 新疆で2017年に収容所へ違法に連行された多くの法輪功学習者は、今もなお拘禁されている。その家族は、疫病の流行により半年以上も面会できていない。張小平さん(女性)は新疆ウルムチ市の法輪功学習者で、洗脳クラスに拉致されて既に2年余り。半年前に釈放とされていたが、彼女の所属するコミュニティは、業績や賞与に影響があるとして受け入れを拒んでいる。

 陳全国氏の統治する新疆では、すでに厳重な監視ネットワークを構築し、多数のカメラ、顔面スキャナーが設置されている。データによると、陳全国氏が就任して間もない2017年、新疆は「社会の安定維持」として91億ドルを費やしており、この額は前年比で92%増である。

 2019年5月に明慧ネットが『通告』を発表して以来、「悪人リスト」はすでに10万人以上に達している。米国政府は「迫害の事実があれば、悪人のリストを提出することができる」としている。悪人またはその家族がすでに米国に入国していたとしても、ビザを取り消すことができる。悪人と家族を強制送還することが可能で、彼らが「安全な避難場所」に逃げ込むのを防ぐことができる。

 人権侵害者への制裁は、民主主義国では一般的なことである。米国務省関係者は、28カ国が米国の『グローバル・マグニツキー人権問責法』と同様の法律を制定したか、あるいは制定に向け準備中であることを明らかにした。同法は人権侵害者のビザ発給を拒否し、その資産を凍結する。また近年、法輪功迫害への関与を人権侵害としてビザの発給が拒否されたケースが多いことも明らかにした。

 『通告』と「悪人リスト」の明慧ネットによる公表で、悪事を働く者を確実に抑制できている。米国とヨーロッパ諸国の「悪人制裁」は、中国に大きな反響を引き起こし、法輪功を迫害する悪人を効果的に抑止した。迫害に関与した部門の中には、報告されないよう職員の写真を壁から取り除いた。一部の警官は、法輪功学習者を釈放する際、 「私はあなたを殴っていないでしょう。私を報告しないでください。私の子供はこれから外国へ行くのです」と言った。ある公安局長でさえも「どうして私達を報告するのか?他の子供達が外国へ行くが、私達の子供も外国へ行かせたい」と言った。

 『通告』と「悪人リスト」は悪事を働く人々の個人情報と悪行を明慧ネットに記録している。目的は、迫害を止め、善良な人々を保護し、正義をサポートすることである。すべての「悪人リスト」の悪人に幸運は許されず、悪事を働いた者は、遅かれ早かれ民主国家の制裁リストに載ることになるだろう。中国のすべての関係者は、これを警告として受けとめ、自身や家族が今後欧米諸国に定住したり、留学したり、旅行したり、ビジネスをする可能性を塞がないよう、迫害政策への協力や実行を控えるべきである。

 悪事を働けば、法の網から逃れられない。ドイツのハンブルグ裁判所で2019年10月17日、ナチス警備隊に所属していたブルーノ・ヨハネスD.氏(93)の審理が行われた。彼は5千人以上の殺人の共犯として告発されており、18歳でシュトゥットホフナチ強制収容所の警備を担当し「殺人マシンの小さな歯車」だった。犯罪から半世紀以上たった今でもドイツに加えスウェーデン等の欧州諸国で裁判にかけられ、判決が下されている。

 多くの人権活動家は、これらの判決は軽すぎて遅すぎると考えている。しかし「殺人マシンの小さな歯車」は刑に処せられた。このことは同様の結論を示唆する。法輪功を迫害したら、逃れることはできない。江沢民と中共が法輪功を長年にわたり迫害してきた冤罪は、ひどく痛ましく、法の制裁から逃れられない。

 「善悪に報いがある」というのは宇宙の法則であり、因果応報という。近年、法輪功迫害に積極的に関与した多くの関係者、例えば薄煕来、周永康、蘇栄、徐才厚、李東生、王立軍、孫力軍などの中共の高官が次々と投獄されており、このことは、首謀者の結末を予感させることとなった。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/7/14/408972.html)
 
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