米大統領令 「八つの中国関連アプリの取引禁止」
■ 印刷版
 

 【明慧日本2021年1月12日】(明慧記者・英梓)トランプ大統領は2021年1月5日、中国の金融会社アント・グループの電子決済サービス「アリペイ」を含む八つの中国関連アプリとの取引を禁止する大統領令に署名した。商務省に対して取引禁止の確保、45日以内に大統領令を実施するよう命じた。 

大統領令に署名したことを発表するトランプ大統領

 この大統領令は「中国企業が開発または管理するアプリケーションやその他のソフトウェアがもたらす脅威に対処する」とし、取引禁止にした企業はAlipay、CamScanner、QQウォレット、ナスエクスプレス(SHAREit)、テンセントQQ(テンセントQQ)、VMate、WeChat Pay、およびWPSオフィスソフトウェア(WPSOffice)である。

 大統領令の中で、米国は積極的な行動を取らなければならず、中国関連のソフトウェア・アプリケーション(connected software application)の開発、または管理する個人、事業体を取り締まることで、米国の国家の安全を守ると述べている。

 大統領令「中国はアプリを応用して米国の安全保障、外交、経済を脅かす」

 この大統領令は、2019年5月15日第13873号大統領令(情報通信技術のサプライチェーンの安全保護)と対応しており、情報サービスのサプライチェーンにおける国家的な緊急事態が宣言され、規定外の行動を取った。具体的には、香港やマカオ(中国)を含む中国人によって開発または管理された特定のモバイル、およびデスクトップアプリケーションやその他のソフトウェアが米国内で普及させ続けることは、米国の国家安全保障、外交政策、経済を脅かすことになる。この時点で、これらの中国関連のソフトウェア・アプリケーションがもたらす脅威に対処しなければならない。

 大統領令では、「インターネット・ソフトウェア・アプリケーション」という用語は、エンドユーザーがエンド・コンピューティング・デバイス上で使用するための機能の不可欠な一部として、インターネットを介してデータを収集、処理、またはデータを送信することを目的としたソフトウェアプログラムで、その役割を果たす一部分である。

 「スマートフォン、タブレット、コンピューターなどの個人用電子機器へのアクセスを通じて、中国関連のインターネット・ソフトウェア・アプリケーションは、機密性の高い個人を特定できる情報やプライバシー情報など、米国のユーザーに関する重要な情報を自動的に取得する事ができる。このデータは、中国と中国共産党(以下、中共)にアメリカ人の個人情報や専有情報へのアクセスを提供する可能性があり、これにより中国は連邦政府の職員や請負業者の所在地を追跡し、個人情報のプロファイルを作成することができる」

 大統領令で強調したことは、「中国と中共は継続的に、アメリカ人のデータを盗用し、あるいは他の方法でアクセスしている。例えば、2014年には、米国人事管理局(OPM)の2100万人以上のセキュリティクリアランス記録へのサイバー侵入が、中国の工作員によって行われた。2015年、中国のハッキンググループが米国の健康保険会社アンセム(Anthem)に侵入し、7800万人以上のアメリカ人に影響が及んだ。2017年、アメリカ人の半数近くが被害を受けたエキファックス(Equifax)のサイバー侵入事件、米司法省は中共の軍人関係者を起訴した」

 「これらのリスクに鑑み、多くの行政部門や機関は、連邦政府のコンピューターと携帯電話で中国関連のソフトウェアアプリケーション、その他の危険なソフトウェアの使用を禁止している。しかし、中国に関連するソフトウェアアプリケーションの脅威の性質を考えると、これらの禁止令は十分ではなかった。実際、インド政府は、中国に関連する200以上のソフトウェアアプリケーションの使用を全国で禁止している。インドの電子情報技術省は声明の中で、これらのアプリケーションは「無許可でユーザー情報を盗み、インド国外のサーバーにユーザーデータを密かに転送した」

 大統領令によると、評価を通して分かったことは、「一部の中国のソフトウェア・アプリケーションは、米国内の数百万人のユーザーから、機密性の高い個人情報や個人情報を含む膨大な情報を自動的に取得しており、中国や中共が米国人の個人情報や専有情報にアクセスすることができる。

 トランプ大統領は、大統領令の中で米国は積極的な行動を取らなければならず、米国の国家安全保障を守るために、中国関連のソフトウェア・アプリケーションを開発企業または管理する個人に厳しく対応すると述べている。

 商務省長官「大統領令の執行をすでに始めている」

 大統領令は、ウィルバー・ロス商務長官に国家安全保障に脅威をもたらす可能性のある、他のアプリケーションを評価するよう指示し、かつ商務長官、司法長官と国家情報長官に、米国のユーザーのデータが外国の敵対者に転送されるのを防ぐための報告書や勧告を発布することを命じた。

 ロス商務長官は声明文を発表し、「大統領が商務長官に指定した権限に基づき、私は私の部門に、中国関連のソフトウェア・アプリケーションの取引禁止の特定を含む、大統領令の指示の実施を開始するよう指示した」

 「私は、中共がもたらす脅威からアメリカ人のプライバシーと安全を守るというトランプ大統領の公約を支持し、商務省は、国家、経済、国民の安全を確保するという使命を継続するために、大統領から付与された権限を行使する」

 中共は膨大なデータを利用して統一戦線を行い、国家安全顧問「世界が警戒する必要がある」

 2020年10月23日、ホワイトハウスの副国家安全保障顧問マット・ポッティンジャー氏は、「正直さが鍵、中国と世界との関係」と題して演説する中で、中共は膨大なデータを収集して統一戦を行うために利用し、個人や国まで人質にしてやりたい放題になっていると述べた。

 ポッティンジャー氏は、「レーニン政権の特徴はプロフィールを好んで作成したことだ。中共の統一戦線部には、米国務省の外交官の4倍の幹部がいる。中国外務省が政府の外交を担当し、統一戦線工作部は他国の情報収集を担当し、海外在住者に影響力を行使している。 彼らはもっぱら外国のエリート層と機構を定めている」

 「中共政権のように、他国の政策や海外の人々の認識や選択に影響を与えることができる政権はない」と述べた。

 中共の心理を導いているのは膨大なデータである。 中共は、世界中の数百万人の外国市民のデジタルプロフィールを作成した。 中共は 伝統的なレーニン手法と、デジタル監視の強力な新しいツールを組み合わせた野心的な展開を実施している。

 同氏は、中国の深圳振華数据信息公司(Zhenhua Data)を例にとり、「公と秘密裏にデータを収集し、企業のプロフィールを作成している」という。この会社の首席執行役員が「心理戦」と称し、この会社のデータを購入しているのは中共の国家安全局だという。(Zhenhua Data)が編集した人事プロフィールは、すべての国が含まれている。王室から、議会、裁判官、公務員、化学技術者、新興企業、海軍将校、軍艦勤務者、教授、シンクタンクの関係者、中央と地方の官僚、これに留まらず、児童までも含まれている。これは北京の隙の無い政治闘争の習性と一致している。

 同氏は、実際には、一部の著名なアプリ開発者を含む、より強力な中国のテック企業の方がはるかにエネルギーを持っている。 プロファイルの使用はレーニン政権の特徴である。 データの利用は、いつものように、圧力、恐喝、賞罰、脅迫、献上、誹謗中傷、分裂と征服のためであると解釈した。

 「携帯電話やインターネットがあるから、私達は知的財産や公文書、私生活などを自由に公開している。 知らずしらずのうちに「独裁者が膨大なデータを収集できるように、自分たちで条件を提供している」

 「中共は、党の権力と影響力を拡大するためデジタル手段を効果的に活用するために、国家部署を再編した」

 ポッティンジャー氏は、「もし、正しく邪悪を弁別する事ができれば、邪悪の隠れ場所がなくなり、邪悪は脆弱であり、甚だしきは虚勢を張っているだけである。邪悪が最も恐れているのは真相を公にされることである」と強調した。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/1/7/418249.html)
 
関連文章