頑固な村の書記はついに救われた
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文/中国の大法弟子

 【明慧日本2021年2月12日】1999年7.20、江沢民は中国共産党(以下、中共)を利用し、法輪功と法輪功学習者(以下、学習者)に対する迫害を引き起こしました。それ以降、村の書記Sは中共に従って村の大法弟子を迫害しました。私たち大法弟子は、Sを救うために何度も法輪功の真相を伝え続けましたが、なかなか変化がありませんでした。

 2000年、私は不当に拘禁された留置場から解放され家に帰ってきました。私の家は小さな診療所を開いています。ある日、2人の患者が来ましたがSは町役場に行って、学習者が我が家に集まって交流していると町長に通報しました。その話をちょうど用事で役場にいた同修が小耳にはさんだので、私に知らせてくれました。当時、私は町長に法輪功迫害の真相を伝えたばかりで、帰宅の途中でした。私はその足でSの家に行きました。

 Sは私を見て、すぐ顔が真っ赤になりました。私は「今日、町役場に行ってきました。町長から我が家に学習者が集まるという通報があったと聞きました。患者が診察をしてもらうために来たのに、誰が密告したのかを知っていますか?」と聞きました。「誰でしょうか?」Sは認める勇気がありませんでした。私は暴くことはせず、怨む気持ちもなく、淡々と「後で誰が言ったのか分かったら、その人に迫害の真実を教え、今後そのような愚かな事はしないようにと忠告してください。法輪大法を修煉する人はどのような人なのか、村の人々は皆知っています。そのような良い人たちは守るべきです」と話しました。

 ある時Sは、ある同修の家に行った時に、同修が人に迫害の真相のDVDディスクを見せているのを見て、すぐに派出所に通報しました。駆けつけた警官は、同修に「何を見せているのだ? 人に見せないように」と言うだけでした。Sが密告したと分かった同修は、直接Sの所に行って大法の真相を伝えました。

 Sは表立って何も言わなくなりましたが、裏では悪事をやめませんでした。迫害の実態を暴露する横断幕を見かけると下ろしたり、「法輪大法は素晴らしい」と書かれたシールを剥がしたり、真相資料を配る大法弟子を見つけると、資料の入ったバックを奪ったりしました。そんなSはもう救われない、救う価値もないと匙を投げる同修もいれば、私に「あなたがその人に大法の真相を伝えても、心の中で何を考えているのか分かりますか? いつも悪い事をやっているのではありませんか?」という同修もいました。

 その気持ちは理解していますが、大法弟子として師父の教えに従い、怨恨心を放下して人を救うべきだと思いました。しかしSは、私が町の「610弁公室」のメンバーと警察官らに不当に家宅捜索され、薬剤を仕入れる資金と生活費まで奪われ、不当に労働教養所に連行された夫への迫害に参与していました。これに対して、同修の間には違う考えがあり、ここまで悪事を働いた人は救われない人ではないかと言われ、私も失望していました。

 ある日、Sは我が家に来て、私に「最近、県のC書記は学習者がまだ修煉しているのか、いないかを調査するために家庭訪問をするらしい。仲間に飾ってあるあなた達の師父の写真を撤去するように知らせなさい。そうでなければ全部、持って行かれるからね」と言いました。それを聞いて、私は心の中で「あなたはまた協力するふりをして、悪い事をするつもりですね。あなたが協力しなければ、県の書記が同修の家を知ることもないし、誰の家に師父の写真があるのかなど分かるはずもないでしょう?」と言いました。

 しかし、私は自分の状態を正し、恨みを捨てて、Sを救うべきだと正しい念を持つようになりました。私はSに「師父の写真を安易に撤去することはできません。村の学習者は、皆大法の受益者です。私を例にすれば、以前しょっちゅう癇癪を起こし、病気だらけの私が法輪大法を修煉してから、真・善・忍に従って良い人になり、身体も健康になりました。命を救ってくださった師父は、生涯の父親のようです。自分の家で師父の写真を飾っているのを、誰が干渉する権利がありますか? 信仰の自由は憲法に定められています」と言うと、Sは「撤去しないと言ったけど、見つかったらどうする?」と声を高めて聞いてきました。私は落ち着いて「大丈夫です。実は、私も一度県の書記らに会って詳しく真相を伝えようと思っていましたが、なかなか会うチャンスがなくて困っていました」と言うと、すぐに「俺が食い止めたから、もう来ない」と言い直しました。

 すべてがSの仕業だと分かりました。やはり同修が言った通り、この人はすでに救われる資格さえなくなっているかもしれません。私もSを助けることを諦めようと思っていたその日の夜、大洪水が起きた夢を見ました。私が部屋から外へ飛び出て見ると、見渡すかぎりの水の中でSだけが懸命に泳いでいました。私は大声で「早く出てきなさい!」と叫びながら、手を伸ばして引っ張ろうとした時に目が覚めました。

 慈悲なる師父が、私にSを見捨てないようにと教えてくださったのです。

 学法をする時、師父が「邪悪から転生してきた幾つかの邪悪の首魁を除き、人間を魔と見なしてはなりません。人間は邪党に拉致されたからです」[1] と説かれたのを読みました。師父が私にヒントを与えてくださっていると悟り、内に向けて探し始めると、私のため自分を守る心が見つかりました。その心がSに対する観念を形成し、人を救う私を阻んでいるのです。

 師父は「衆生を済度し 観念転ず 腐敗物は滅され 光明が顕れる」[2] と語られました。世の中に幾つかの邪悪の首魁と悪事を尽くして悔い改めようとしない悪人を除き、すべての人は皆済度されるのを待っているに違いありません。人を救うのに、個人の感情や観念を入れず、すべての人を放棄せず、これこそ大法弟子の責任であり、人に機会を与え、救われるかどうかはその人の選択によります。それ以来、私はチャンスがあればSに法輪大法の素晴らしさと迫害の真相を伝えました。

 私の両親は80歳を過ぎましたが、大法を修煉しているという理由で、生活保護に入れてもらえませんでした。そのため父はSを怨んでいたので、「私たちは修煉者なので、人に対して慈悲の心を持つべきですし、必ずしも彼の問題ではないかもしれません。今度、彼に誰が決めたのかをはっきり聞いてみます」と助言をしました。私はSに会って、大法の真相を伝えた後、両親の生活保護のことを尋ねました。Sは「これは俺がやった事ではない。民政局に聞いてくれ」と言いました。私は「そうですか、後で行ってみます」と言いました。

 しかし、私はそこへは行かず、しばらく様子を見ることにしました。

 この間、Sは私の両親のことでわざわざ民政局に行き、帰宅後、私にその事を話してくれました。俺が民政局に行って生活保護のことを聞いたが、相手は「あの家は法輪功を修煉しているからどうするか?」と言ったので、俺は「政府の規定があるのか? 規定もなければ、村の書記として村人にどう説明したらいいのか? 俺は民政局がやってくれないと言うしかない。そうなると、その家の娘が高齢の母親を民政局に連れて来て、ここに座り込んでしまうと、あなたたちは仕事も出来なくなるでしょう?」と言うと、民政局の人は「それならあなたに手続きをお願いします」と言ってくれた。

 私の父はその期間中に亡くなったので、Sは率先して母と夫の生活保護の申請をしました。

 私はSの変化を同修たちに言うと、「Sが自分の味方にしようとしているのかもしれない」と、まだ気を付けた方がいいと忠告してくれる同修もいました。

 2019年5月、明慧ネットに『通告』が発表されました。それは、アメリカ政府がアメリカへのビザを厳しく審査し、人権と宗教を迫害した人や法輪功を迫害した人に対するビザの発行と入国拒否をするという内容でした。国際社会は中共に法輪功への迫害を停止する呼びかけから、すでに実質的なビザの拒否に移行したのです。明慧ネットに更新された法輪功を迫害した悪人のリストは、すでに10万人を超えました。

 このメッセージを見たとき、私はすでに村を離れ都会に住んでいました。私はこれらの情報をSに電話で伝え、そして法輪功に関する真実の映像を見せようとしましたが、密告されないかの不安がありました。私は発正念をして師父にご加持をお願いすると、だんだんと恐怖心がなくなりました。

 私はSに直接会い、映像を見せました。私はSに「今日、私は本当にあなたのためにわざわざ来ました。これは世界の情勢が大きく変化しており、中共の滅亡は天意であり、誰も阻むことはできません」、さらに「これは師父があなたに慈悲をかけられ、私にあなたを救うように教えてくださいました。あなたが今までやった悪事は強制されたことかもしれませんが、直接参与した以上、あなたは犯罪者であり、償わなければなりません。どうすれば償うことが出来るのか? まず、心から中共の組織から脱退する声明文を書いて、次に家族や親友を「三退」させ、身の安全を守ります。そして、大法弟子を迫害した人の名前や電話番号などの情報を私に教えてください。私たちは電話を掛けて彼らを救います」。

 2019年、市の公安当局が広範囲に大法弟子を連行する「ゼロ行動」を行いました。Sは用事で私が住む市内に来ていて、ついでに私の家に来ると言ったので、私は「家ではなく、私が会いに行きます」と返事をしました。なぜこんな特別な時期に会いに来るのか?  会っていいのか?  迷ったあげく会うことにしました。私が同修に村の書記に法輪功迫害の実態を伝えたいと言うと、同修は「気をつけてね」と言い、私のために発正念をしてくれました。

 私はSに会って、さらに多くの真相を伝えました。Sは親戚を駅まで送るために市内に来たと説明した後、「県の国保大隊長は責任を推進するために、俺に出稼ぎに行った村の法輪功学習者のことを地元の派出所に通報するようにと言った。俺は大隊長に『そうすると、あの人はそこに居られなくなって、別の所に行かなければならない』と言って、同意しなかったというのです。

 それを聞いて、私はすぐ「よくやりましたね!」と褒め、励ましてあげました。

 2020年5月中旬頃、Sから電話があり、用事で市内に来ているので、私の母に会いに来ると言いました。我が家に着いたら、Sは嬉しそうに私たちに「大法は本当に素晴らしい。畑の仕事は俺のような年取った者にとってはとても辛くて、限界を感じた時もある。ところが、教えてもらった『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』を毎日念じることで、若者たちと同じ様に最後まで続けることが出来た」と言った後、俺は、いつも人に「俺は村の書記だ。村に法輪功を修煉する人が何人もいるから俺が一番分かる、法輪功の人は皆良い人だよ!」と言っているそうです。

 私はその話から、「今の中共ウイルスは中共に向かって来たもので、その組織から脱退しないと、巻き添えになってしまう」と伝えるとSは、「中共は本当に滅びるに違いない。今の疫病についても嘘ばかり言っている。各地で感染があるのに、すべて『ゼロ』になったと宣伝している」と同感しました。

 以前、S に真相を伝えた時、真相内容の入ったUSBを渡し忘れていましたが、今回は大法のお守りと一緒に渡しました。そして『厳重声明』と『脱退声明』を書く必要性を教えました。Sは「それでは党員を脱退するから、俺の代わりに書いてくれれば、俺がサインする。頼むわ」と了承しました。

 後日、私は書き終わった声明書を持ってSを訪ねました。彼は繰り返して2回も読んだ後、「よし、よし!」と頷きました。

 Sは丁寧に2枚の声明書にサインをした後、心の底から私に「あなたに本当に感謝する!」と言いました。私はSに「感謝するなら、師父に感謝してください」と言いました。

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『各地での説法十』「明慧ネット十周年法会での説法」
 [2] 李洪志師父の詩:『洪吟』「新生」

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/1/25/418872.html)
 
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