「赤い靴」のモデルから 「新型コロナ」後遺症への提言
■ 印刷版
 

 文/鄭黎明

 【明慧日本2021年6月14日】アンデルセンの作品『赤い靴』は、少女カーレンが赤い靴を履くと、その靴が勝手に踊り続けて、止めようとしても止められず、靴を脱ぐこともできなくなり、最後は両足を切断して、やっと赤い靴から離れることが出来たという話です。少女の体験は不思議で神秘的ですが、この物語は真実のモデルがあります。

 一、アンデルセンの作品『赤い靴』のモデル

 1518年7月14日、神聖ローマ帝国に、フラウ・トロフェアという女性が踊り出したのを皮切りに、4日後には踊り手は34人に増えました。

 こんな珍しい「伝染病」に、人々はどうしたらよいか分からなくなりました。市の議会はまず、賭博場と売春宿を閉鎖しました。皆は賭博と売春が聖人を怒らせて、聖人がダンスの疫病神を発遣してストラスブール市の人を罰していると信じました。市政府は、これらの「違法者」を集めて、市から追い出しました。

 市政府はまた、大聖堂に100ポンドの重さのロウソクを寄付しました。しかし、この大きなロウソクは踊り病の蔓延を止められず、1カ月後、人数は数百人まで増えました。彼らは止まらず踊り続け、最後に400人が踊り続けて死亡しました。

 踊り病は突然現れ、また神秘のうちに消えました。人々はいろいろな推測をし、科学でも答えが分かりませんでした。

 アンデルセンは『赤い靴』の中に「踊り病」の原因を書き、最後に少女に贖罪させました。

 少女は家族に内緒で赤い靴を履いて、教会に祈禱しに行きました。彼女はすべての人が、更に壁の彫像さえ、自分の赤い靴を楽しみにしていると感じました。牧師が手を少女の頭の上に置いて、神の誓いを読み上げた時、少女は自分の赤い靴のことだけを考えていました。養母が危篤になった時、少女は養母を捨てて、赤い靴を履いて広場に行きました。

 少女の赤い靴は止まらず踊って、そろそろ命を使い果たすころ、少女は頭の中で、「両足を失っても、生命を選択する」と考えたとき、生き残りのチャンスが現れました。少女は最後の時、神を選択し、真摯な心が神を感動させました。「彼女の心は太陽、平和、喜びに溶けました。彼女の魂は太陽の光で神の所に送られ、天国では、誰もこの赤い靴のことを聞きません」

 アンデルセンは童話の方式で、柔らかい口調で人々に、「人が神を裏切って、自分の欲望を無制限に放任する時、罪が生成され、天罰を招くことになる」と伝えました。

 人類の歴史には多くの疫病がありました。例えば紀元前430年のアテネの疫病、14世紀のペスト、第一次世界大戦の間のスペイン風邪など。疫病の中で、歴史学者、医者などが、疫病感染の現象を記録しました。家族全員が死亡、村の全員が死亡などの事例が多いのです。しかし、「踊り病」のようなことは人々の認識範囲を超えて、非常に珍しいのです。

 二、マルティン・ルターが記録したヨーロッパの「ペスト」

 16世紀の「踊り病」は数カ月後に消えました。しかし、14世紀から17世紀まで、ヨーロッパは「ペスト」に覆われ、約2500万人が疫病によって死亡し、歴史上最大の災難の一つです。自分の家産を売って、教会に寄付すれば災難から逃れられると思う人がいました。しかし、「踊り病」の中で、教会に100ポンドの重さのロウソクを寄付しても、このような交換は真の懺悔にならないので、神の恩恵を得ることができませんでした。

 また一部の人は、鞭で自分を血だらけになるまで打ち、これで罪を償えると思ったのですが、しかし何の役にも立ちませんでした。一部の人はこれによって神への信仰を失い、疫病がいつか自分に降りかかると思って、まだ命がある内にと荒い金使いで快楽を追い求めました。しかし、一部の人は、危難の中で、慈悲なる神が世間の全てを守っていることを実証しました。つまり神は人の心を見ておられるのです。

 マルティン・ルターは、「疫病は神の鞭であり、罪ある人への天罰で、同時に修煉者に対する試練だ」と思いました。ルターの周りの多くの人が感染して死亡しましたが、ルターは疫病地域に残り、引き続き感染者をサポートすることに決めました。「経験によると、道徳を守り、献身の精神をもって、心を込めて感染者を介護する人は保護されます。彼らはウイルスに接触しても感染しません」とマルティン・ルターは言いました。

 17世紀の末、ペストは神秘的に消えました。神は人々に、「ペストの疫病神が目的に達したと思ったら、人間から離れる」と信じさせました。疫病は人類に負けることなく、人間の道徳基準が腐敗した時、またやって来ます。

 三、新型コロナ感染者の「嗅覚障害」

 2019年の年末に蔓延した新しいSARS「新型コロナ」は、近代の全世界の疫病であり、既に約2億人(中国本土を含む)が感染し、その中で約300万の人が死亡しました。今でも感染数と死亡数が継続的に増えています。疫病の中に、不思議な「後遺症」が現れました。BBCの報道によると、多くの新型コロナ感染者は、しばらくの間嗅覚を失いました。治れば嗅覚は回復しますが、一部の人はものの匂いを嗅ぐ時、前と異なることになりました。そもそも良い匂い、例えば食料、デザートなどは、嫌な匂いになりました。

 このような異嗅症(parosmia)の患者数は絶えず増え、科学者はそれを解釈できず、治すこともできません。

 フェイスブックには「AbScent」(嗅覚異常)というチャリティーのアカウントがあります。このアカウントに登録するユーザは6000人いて、すべて新型コロナによって嗅覚を失い、後に嗅覚異常になった人たちです。「そもそも良い匂いだったものが、臭くなり、大便の匂いになる」と、AbScentの創始者クリッシ・ケリーは話しました。

 約65%の新型コロナ患者は嗅覚と味覚を失いました。その中の約10%の人は、嗅覚異常に発展し、さらにもっと珍しい「幻嗅の症状」に発展する可能性もあります。

 BBCの報道によれば、もし数字が正しければ、全世界の1億の新型コロナ感染者の中で、約650万人が嗅覚異常になると考えられています。

 GCCR(Global Consortium for Chemosensory Research:化学感覚研究のための国際コンソーシアム)のイギリスの責任者バリー・スミス教授は、「驚いたことに、一部の人は、おむつのにおいを喜びます。人の排泄物の匂いを食べ物の匂いに感じ、食品の匂いは排泄物のそれに変わったのです」と述べました。

 スミス教授はまた「新型コロナに感染する前、嗅覚異常になった人はほぼおらず、これに対する研究も少なく、私たちには歴史のデータもありません」と述べました。

 「嗅覚異常」だけでなく、他の歴史上に珍しい各後遺症も報道されました。日本のNHKの報道によると、山梨県の24歳の男性が感染した時、高熱で、目が覚めたら、最近の1~2年の記憶がなくなりました。韓国の最新の研究によれば、韓国の新型コロナ感染者の中に、9割の回復者は複数の後遺症が現れたといいます。

 絶えず現れて来た変化に、科学界、医学界は懸命に対応しています。しかし、これらの聞いたこともない症状に対し、有効な対応方法がありません。「嗅覚異常」の状態は、『赤い靴』のモデルと同様に、アンデルセンの作品のような救いが連想されます。

 四、「神の鞭」からの啓示

 ペストに直面したマルティン・ルターは、「疫病は神の鞭であり、罪ある人への天罰であり、同時に修煉者への試練である」と言いました。つまり、殺傷力が強い疫病に直面する時、神の目線に従ってみれば必ず答えが見つかります。人が心の中で神への畏敬を守る時、神の保護を受けることができます。

 次に、嗅覚が回復した事例を皆さんにシェアします。皆さんはこの事例によって恐らく啓示を得られるでしょう。これはある高齢の妊婦が最近明慧ネットに投稿しました。彼女はある法輪功学習者(以下、学習者)の妻であり、彼女自身は法輪功を修煉していませんが、妊娠26週の時、新型コロナに感染しました。以下は彼女が自ら述べたことです。

 私はキャロリンと言います。今年37歳の高齢の妊婦です。夫と結婚してから5年後、初めて妊娠しました。2021年1月、私は妊娠してすでに26週になりました。1月12日に新型コロナウイルスPCR検査の結果、陽性でした。その後鼻が詰まって、嗅覚を失いました。私の夫と姑は法輪大法の学習者です。以前、夫は私に法輪大法が素晴らしいこと、法輪大法の奇跡を教えたことがあります。私も試しに数カ月煉功しましたが、奇跡が現れないので、やめました。

 私は、以前に友達と電話で話したことを思い出しました。私は友達に、「前回の妊婦健診の時、先生は、私の子供が前置胎盤で、随時に大出血の可能性があり、更に早産する可能性もあると言った」と話しました。しかし友達の話を聞いてびっくりしました。友達は2人の子供を産んだ時、すべて前置胎盤でしたが、2人の子供は月足りて生まれました。最初の子供を生んだ時、出血せず、二番目の時は三回出血したものの、大した問題にならず、とても順調だったそうです。秘訣は、常に「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」と心からの九文字を念じることでした。

 友達のこの話は私に大きな励みを与えました。子供のため、新たな命のため、私は心を込めて法輪大法にお祈りしました。その時から、時間があれば私は「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」を心を込めて誠実に念じています。私は夫と姑に、「この心からの九文字を念じれば、何も怖くなくなった」と言いました。

 夜寝る時、咳はまだ強かったのですが、私は心を込めてずっと「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」を念じました。2日後、気道の症状が奇跡的に全部消えました。ただ嗅覚はまだ回復していません。

 今私がこの体験を書く時、嗅覚はすでにだいぶ回復しました。まだ匂いがすこしおかしいのですが、毎日多くの正確な匂いを嗅ぐことができます。つまり私の嗅覚は徐々に弁別能力が回復しています。私は周りの友達や、両親に、「自分が大変な時、心からの九文字を念じれば、かなり役に立つ」と伝えました。

 この文章を書く目的は、世界の回復できていない新型コロナの感染者、或いは重症に陥った人達に、医学治療がすでになくなり、絶望した時、法輪大法の「心からの九文字」を念じれば、奇跡が現れるかもしれないことを知ってほしいのです。

 キャロリンの体験に感謝します。確かに、疫病が蔓延し、すべての人、すべての家庭がどうしようもない状態に落ちたくはないでしょう。幸いにも、キャロリンの体験は珍しくなく、明慧ネット上には、次から次へとそのような事例がたくさんあります。病院の医師が既に諦めた患者、家族が諦めた人、絶望したた患者たちは、「心からの九文字」を心を込めて念じ、危険な状況を好転させました。

 人は内心から創世主に敬仰の心を生み出した時、危険の状態の中で他人のことを考え、神を信じる時、この念は奇跡を生みます。「真・善・忍」の力はすでに多くの生命に奇跡を起こしました。

 
(中国語://www.minghui.org/mh/articles/2021/4/19/423509.html)
 
関連文章