臓器狩りの黒幕:重要な実名証言
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 【明慧日本2022年1月9日】2006年から現在まで、15年が経ちました。「地球上にこれまでなかった犯罪」と呼ばれる「臓器狩り」が初めて公開されたのは、2006年のことでした。その後の十数年の間に2000余りの電話録音、当事者の証言などによって、中国では政府、軍隊、警察、病院が結託して系統的に、持続的に臓器狩り産業を行っていることが徐々に暴き出されました。

 2021年1月、中国共産党幹部の親戚が実名で提供した臓器狩りに関する証言は、全世界に衝撃を与えました。証言は臓器狩りの前後と経過、現場での手術反応、組織背景を詳しく描写しました。証言の詳細を見てみましょう。

 証言者・陸樹恒は1950年生まれで、アメリカのグリーンカードを所持、今はアメリカで内装業を営んでいます。2002年、陸さんが上海に帰省した時、彼の兄嫁の姉とその夫は陸さんに、アメリカで臓器移植「ビジネス」の得意先(移植希望患者)を紹介してほしいと依頼しました。

 陸さんの兄嫁の姉夫婦はどんな人物でしょうか。姉の周清は医師で、上海市浦東病院産婦人科主任、上海宛平病院院長を歴任しました。姉の夫の毛叔平は上海強制労働改造局副局長、司法局副局長を歴任し、当時(2002年)の上海市政法委員会書記の呉志明(江沢民の甥)と親交が深いのです。

 毛叔平は陸さんに「得意先が見つかって移植手術をしたら、内装なんかをするよりはるかに儲かる」と言い、陸さんが「どんなことか」と聞くと、毛は「臓器移植だ。腎臓、肝臓、角膜とかだ」と答えました。

 残忍な生体臓器狩り

 陸さんの証言には「周清はベテランの外科医で、数多くの外科手術をしたことがある。何回か法輪功学習者(以下、学習者)の臓器を生きたまま摘出する手術に立ち会った後、怖くてよく悪夢を見るため、手術の関与をそれきり止めた」とあります。この証言から手術現場の凄惨さが伺えるのです。

 周清が臓器提供者の体にメスを入れた時、提供者は激痛のため激しく叫ぶそうです。では、なぜ麻酔をしないのでしょうか。盗ろうとする部位に麻酔をしてはならず、新鮮な臓器を盗りたいなら、そこに麻酔を施してはならないからです。

 ここで特筆すべきなのは、臓器狩りの中の臓器提供者は、一般移植における脳死ドナーの概念とは全く違う、ということです。陸さんの証言によると、拘束された学習者が手術室に入った時にみな「法輪大法はすばらしい」と叫ぶそうです。これは、彼らは法輪功学習者であり、死刑囚ではないこと、および彼らは健全な精神状態にあり、正常な行動能力を有する人であり脳死ドナーではないことを示しています。

   産業化した運営

 2002年、周清が生体臓器摘出手術を行った場所は、彼女が勤務していた浦東病院ではなく、武装警察上海総隊病院なのです。しかし、武装警察上海総隊病院は、中国共産党当局が公表した人体臓器移植資格保有医院リストに載せられていません。2004年、同病院は「患者が安心できる病院」に評価されたこともあります。これは、中国の軍隊と警察系統の病院は臓器移植の資格の有無にかかわらず、臓器狩りに関与していることを改めて証明しました。

 周清の夫の毛叔平は、上海の司法システムの高官です。臓器狩りはたとえ中共の内部でも極秘事項にされているのですが、毛叔平はなぜ関与できたのでしょうか。

 江沢民政権時代に、共産党官僚にとって、法輪功への迫害に加担することは出世の不可欠な手段です。毛叔平は積極的に迫害に加担して、上海司法システム高官のポストを上り詰め、江沢民の甥である呉志明の信頼を得た後、多くの秘密裏の事情を知り、とうとう臓器狩りを推し進める重要メンバーになりました。

 毛叔平は金儲けのため手段を選ばず、学習者の臓器摘出手術をするために妻の周清を警察病院に派遣し、親戚の陸さんにアメリカで臓器移植の勧誘を依頼したのです。

 昔は死刑囚の臓器を患者に移植することは秘密裏に行われていましたが、今は北京の「大物」から学習者の臓器が欲しいとほのめかす連絡が来ることもあり、その場合、司法局は権力を使って死刑囚の代わりに学習者の臓器を「大物」に提供する、と毛叔平は陸さんに教えました。「大物」がニーズを伝えてくる時に書いたメモを、毛叔平はずっと保管し、電話をかけてきたら密かに録音もしています。万が一の時のために証拠として残すためです。

 口止めを要求される

 陸さんにアメリカで臓器移植の誘致をして欲しいために、毛叔平らは陸さんに臓器狩りの内情を教えましたが、2006年、臓器狩りが国際社会で暴露されてから、毛叔平らは陸さんに秘密の保持を要求しました。2010年、毛叔平の娘婿は陸さんを「周清が臓器狩り手術を執刀したことを口外すると、あなたをアメリカから中国に強制送還させることもできる」と脅しました。陸さんは「あなたにそんな力があるとは思わない」と言うと、その娘婿は、「お前は馬鹿だね! あなたがアメリカに送る荷物の中に、我々が麻薬でも入れたら、アメリカの入国検査できっと検出されるだろう。そしたらあなたは中国に強制送還されるよ」と答えました。

 証言を公表するのは、人命救助のためである

 陸さんは怖がっていながら、こんなに大きい犯罪を一人で抱え込んで黙認するわけにはいかないと思い、「私は本当にこれ以上沈黙を保つことができない。中国共産党が犯した臓器狩りを知っている以上、公開しなければならない」と言っています。

 臓器狩りをしてから、邪悪な医者らはすぐに死体を処理するため、臓器狩りの証拠を掴むことは極めて困難です。しかし14年来、学習者がたゆまず調査を続けて、現場証拠が手に入らない情況下で、間接的な証拠を多く集めました。

 そのような証拠はだいたい二種類に分けることができます。一つは異常な血液検査を受けたことのある学習者です。彼らは拘禁中に、はるかに基準値を超えた量の採血をされていました。もう一つは臓器狩りの事実をめぐる録音証拠です。録音の対象は中央政治局常務委員、軍隊厚生トップ責任者などの高官から医者、臓器移植仲介者まで幅広く及んでいます。

 今回の陸さんの実名証言は臓器狩りの完全な実行過程、組織背景を初めて示すことになり、とても重大な意義を持っています。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/1/14/418525.html)
 
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