【明慧日本2022年4月16日】オーストラリア国立大学の中国研究博士課程に在籍するマシュー・P・ロバートソン氏と、イスラエルのテルアビブ大学医学部教授のジェイコブ・レイビー氏の共著論文が、4月4日付の『米国移植学会誌』に掲載された。この論文は、「良心の囚人」を含む中国の被拘禁者が「脳障害で死亡する前に生きたまま心臓を摘出された」ことを証拠が示していると指摘している。
また、4月4日付の『ナショナル・レビュー』に掲載された記事によると、中国共産党(以下、中共)が法輪功学習者(以下、学習者)やその他の政治犯の臓器を入手するために、殺害を繰り返してきたという信憑性の高い疑惑があるという。
『米国移植学会誌』に掲載された論文によると、中国の医師は死刑囚から臓器を摘出するだけでなく、臓器摘出がしばしば処刑の手段になっているという説得力のある事例を提示している。
まず臓器の摘出と後の殺害は、「死者提供のルール」に違反する。医療倫理の中核となる価値観は、「害を及ぼさない」という原則だ。この原則により、「生体ドナーからの臓器摘出の禁止」と、「医師が死刑執行に参加することの禁止」という二つの広範な専門的医療行為が禁止されている。
しかし、中国では臓器提供のほとんどが被拘禁者からであり、臓器を摘出する外科医が死刑執行人であるとの懸念がある。この忌まわしい行為が中国で行われているかどうかを確認するため、ロバートソン氏とレイビー氏は、掲載された臓器移植に関する124,770件の学術論文のうち2,838件をサンプルとして選び、コンピュータを使ってデータを分析した。
その結果、71本の論文で心臓提供者の脳死を示すことができないことが判明した。ロバートソン氏とレイビー氏は、脳死が不明だったこれらの臓器提供者が、心臓を摘出する過程で死亡したと考えている。
また、中国での臓器待ち時間は非常に短い。医学文献では、中国は移植の絶対量から見て、米国に次いで世界第2位の移植大国とされている。しかし、人権研究者によれば、中国は米国より遥かに多くの移植を実施しているという。
中国の病院では、移植の待ち時間を数週間と宣伝しているが、米国では数カ月、数年という単位で待ち時間が計測されている。中国の病院は、英語、ロシア語、アラビア語のウェブサイトを通じて、臓器移植ツーリズムを推進し続けている。
どんな状況であれ、医師が臓器を摘出して人を殺すことは完全に間違っている、と記事は述べている。
中共が生きたまま被拘禁者から臓器を摘出していると、4月5日付の『デイリー・ミラー』紙(イギリス)に掲載された記事が伝えている。中国では死刑囚からの臓器摘出は合法だが、中央集権国家の中国が生きている被拘束者から臓器を摘出していることに人権団体は危機感を募らせている。
中国は、生きている被拘禁者から臓器を摘出している疑いがあることが、オーストラリアの新しい研究により明らかになった。
ABCニュース(オーストラリア)によると、中国は、臓器提供の登録者数が比較的少ないにもかかわらず、臓器移植の待ち時間が世界で最も短い国であることだ。
オーストラリア国立大学のマシュー・ロバートソン氏の新しい研究によると、投獄された学習者及びウイグル人は、生きているうちに臓器を摘出されている可能性が高いことがわかった。
オーストラリア国立大学が5日に発表したプレスリリースによると、ロバートソン氏とレイビー氏は、死刑囚の心臓を生きたまま摘出する行為は、手術室を死刑執行室として使うに等しいと主張したと中央通信社は報じている。
ロバートソン氏は、問題の心臓摘出手術を行った医師は、死刑執行を行う上で国家の代理人になっていると主張した。
また同氏は、死刑囚の心臓を摘出する医師や病院は、それなりの利益を上げられるだろうと考えている。
レイビー氏は、彼とロバートソン氏の研究により、多くの中国人医師が死刑囚からの生体臓器採取のプロセスに積極的に関与していることが明らかになったと指摘した。
またレイビー氏は、自分も医師であり、父親が第二次世界大戦中のホロコーストの生き残りであることから、同じ医師として独裁政権に賛成することは理解できないと言った。
『オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー』 紙によると、ロバートソン氏は、彼とレイビー氏が発見した死刑囚からの心臓採取の事例には、56の中国の病院と300人以上の医療従事者が関わっていると言及した。
また、米国のニュースサイトAxios.comによると、レイビー氏が中国の被拘禁者からの臓器狩りを知ったのは、2005年、イスラエルの患者の一人が心臓移植のために2週間早く中国に飛んできたときだったという。
「決まった日に、心臓を保証してくれる人はいません。その日に誰かが死ななければならないからです」と、レイビー氏はこう振り返る。しかしその後、患者は中国に渡り、「2週間前に約束した通りの日に心臓移植を受けた」という。
この経験にショックを受けたレイビー氏は、その後、イスラエルの議員たちと協力して、イスラエルの保険会社が移植の国際倫理基準を満たしていない移植のための費用を負担することを禁止する法律の成立に貢献した。