法輪功が工場の人々の心がけを変える
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文/啓航

 【明慧日本2023年3月8日】1995年12月のある日、私が夜勤で会社に行く途中、知人に遭遇し、夜勤で一緒に働いている人に書籍を渡してほしいと頼まれました。私の仕事は設備の保守と修理ですが、勤務を引き継いだ後、作業場の設備を確認すると正常に稼働していて、何もすることはありませんでした。

 普段から私は本を読むのがとても好きなので、書籍を渡す人に「先に私が借りて読ませてもらえませんか」と聞いたところ「大丈夫ですよ、どうせ父に読んでもらう本であるし、この数日間家に帰らないから(彼女の家族は他所に住んでいました)先に読んでいいですよ」と言ってくれました。

 書籍を包んだものを開けてみると、中には『轉法輪』が一冊入っていました。これはどんな本なんだろう? どうせやることもなかったので、読んでみました。まさか、読んだら手放せなくなるとは思ってもみませんでした。この本には、他の本では見られないようなことがたくさんたくさん書かれていました。私たちは皆、高次元の基準を満たさなくなり、一層一層落ちてきて、ついに常人の次元にまで落ちてしまったのです。この宇宙にはまた、真・善・忍という特性があり、この功は病気治療と健康保持ができるだけでなく、非常に高い次元まで修煉することができ、生老病死の苦しみから私たちを解放してくれます。返本帰真することこそ、人としての目的なのです。

 あまりの衝撃に、一字一句読み逃すまいと速読しませんでした。1週間に2回読み終えましたが、身体に吸収しきれないくらい、奥が深いという感じがしました。そして自分だけの『轉法輪』が欲しくなり、いつでも読めるようになりたいと強く思いました。私は、その本を私に預けた人に声をかけ、私のために『轉法輪』を購入するようお願いしました。その人はその場で承諾してくれました。後で知ったのですが、その人のお母さんは法輪大法の補導員で、師父の9日間の講習会に参加したことがあると、後で知りました。

 私たちの工場は国有企業で、従業員が1000人以上いました。1996年3月、工場の労働組合は気功愛好者たちを組織して、法輪功を学ばせました。私は『轉法輪』を読んだ後、動作を教える人がいないことに悩んでいました。そして、急いで参加の申し込みをしました。9日間の学習会の後、私たちの考え方は根本的に変わりました。毎朝、集団で煉功し、夜は一緒に学法し、それから切磋琢磨し、修煉してからの自分の体験を交流しました。法に照らしてどこがよくできていないか、どこを改善すべきかを探し、多くの人は普段からの自分の法に符合してない行動を探し当てることができ、少しずつ改善していきました。みな普段からのよくない嗜好、例えば喫煙や飲酒、檳榔子(びんろうし)の咀嚼(そしゃく)、ギャンブルなどをやめることができ、しばらくすると持病もなくなりました。

 その頃、我々の工場ではますます多くの人が法輪功を学び、工場の人々の心かけがよくなりました。みな法輪功を学んだ人は思想境地と道徳が素早く向上し、話しぶりや立ち振る舞いがまるっきり変わることを目にしました。法輪功は、人々の心の汚れを洗い流してくれる清らかな泉のようなものです。以前工場から持ち帰ったものを工場に戻す人もいれば、職場で怠けていた人が、遅刻や早退をせず、真面目に働き、選り好みせず積極的に仕事に取り組んだりするようになりました。当時、工場で一番話題になっていたのが法輪功で、法輪功を修めた人は夫婦円満になり、持病のある人は誰もが法輪功を修めた後、短期間で治り、姑と嫁の関係が良くなりました。

 当時、我々の居住区域では、各家庭に電気メーターが設置されていましたが、電気代を少なく払うためにメーターを改ざんする人が多くいました。月末に検針員がメーターを確認すると、少ししか回っておらず、さらに1カ月間電気を使っていたのにメーターが逆回りするなど、様々な乱れた現象がありました。さらに公然と「我々の工場では電気を盗むことは悪いことではない、盗まないともったいない、みなが盗むので、盗まないと損をする」という人もいました。そして電気を盗むことは公の秘密でした。工場側も知っていましたが、気にせず、時には管理するようなふりをするだけで、最終的にうやむやになります。

 私も、流れに身を任せて電気メーターを操作し、毎月数元の電気代しか払っていませんでした。全く節電しておらず、毎月お金を出している自分は他人よりましだと思い込んでいました。ところが、師父の説法学習班に参加した後、何日も眠れず、自分は煉功者の基準を満たしていない、とんでもないことをしている思い、びくびくしていました。私たち学習者は皆で切磋琢磨し、これらを正すべきだと思い、自ら行政課に行き、電気代の不足額を収めたいと告げました。自宅の電気メーターに問題があるので、行政課に直してもらうよう(家族のほかの人が電気メーターを改ざんしたケース)お願いしました。私の場合は、電気代の補足額を払うのが恥ずかしくて、自宅の電気メーターを元に戻し、電気代を盗むことをやめました。

 もう一つ、私を不安にさせることがありました。私は電気技師でしたが、自分専用のマルチメーターがほしかったのです。当時は誰も自分でお金を出して買おうとはせず、みな工場のマルチメーターを自分のものにしようとしました。口にしなくても、みなこれを知っていました。私はそろそろ退職するので、家で使うためにマルチメータを手に入れようと思いました。週末に一度、私は自分が保管していた班で共同使用のマルチメーターを自宅で使うために持ち帰りました。本来月曜日に班に持ち帰ることになっていましたが、月曜日に班に行くと、個人の工具入れが多く壊されていました(工具入れはよく壊されていて、今の社会はこうなっていて、盗難はよくあり、上司に報告しても、追求せず、みんな慣れていました)。いくつかの工具や銅棒が盗まれましたが、マルチメーターも盗まれたと言いました。みんな信じてくれたので、こうしてマルチメーターを自分のものにすることができました。

 しかし、法輪功を学んでから、これは間違っていて、修煉者の基準にそぐわないことだと分かりました。私たちは真・善・忍を修煉しています、心性の向上を求められているのに、私はどうしてこのような公衆に損失をかけて、自分の財産を増やすことをするのだろうか。これでどのくらいの徳を失い、業力を増やすのでしょうか? そして、私はマルチメーターを班に返すことにしました。しかし、班のみんなに笑われるのが怖くて、何日か先延ばしにしていました。

 ある日『轉法輪』の第四講「失と徳」を学んでいると、それ(マルチメーター)を残して何をするのか、速く返そう、これらの人心や執着は要らないとふと気付きました。マルチメーターを班長に渡し、経緯を説明しました。我々の工場では法輪功を学ぶ人がたくさんいて、彼らはたくさんのよい行いをしていると、聞いたことがあります。班長は「あなたたち法輪功を学んでいる人は本当に素晴らしい」と言い、マルチメーターを私に渡し「やはりあなたに保管してもらいます。あなたが保管すると安心できます」と言ってくれました。

 私は苦労をいとわず、恨み言を言われても気にしないで働いていたため、夜間でも昼間でも、残業が必要な時は決して言い訳をせず、残業代は出なかったのですが、振り替え休暇もとりませんでした。誰もが出勤できなくなると、私に電話が掛かってきます。そして、退職してから三日後、職長から私に引き続き出勤するように言われました。それから一気に3年間働きました。その後、工場の経営不振などの理由で、スタッフを減らしていたため、私も一緒に職場を離れました。

 以上、法輪功を学んでから、道徳や思想境地が向上した小さな例を上げました。当時、法輪大法の弟子は中国に1億人以上いて、皆、師父の弟子に求められる真・善・忍に従って修煉していました。中国各地において、上記に例にあげたような善行が現れ、法輪功は清水のようで、国、社会、家庭などに対して百利あって一害なしでした。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2023/3/4/455073.html)
 
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