文/李華桂
【明慧日本2023年6月8日】湖南省のある県には、長寿街という農業集落があります。昔、この集落に住んでいた人々は勤勉で素朴で善良だったため、大概、寿命が長かったのです。そして、古くから「劉伯温と長寿老人」という物語が代々語り継がれています。
(訳注:劉伯温は、明の太祖・朱元璋を補佐した大軍師)
言い伝えによると、明の時代のある日、白髪童顔の老人が川辺で野菜を洗っていると、長い旅に疲れ果ててはいるものの、賢者の風格を持っている貴人が通りがかりました。
彼は好奇心から老人にこう尋ねました。「このようなご高齢でも自ら野菜を洗うのですか? なぜ、それを子供や孫たちにさせないのでしょうか?」。老人は微笑みを浮かべ、「今日は、私の曾祖父の180歳の誕生日です。私はまだ90歳なので、老いたとは言えません」と答えました。貴人はさらに興味を持ち、老人に「曾祖父に会わせてほしいです」と頼むと、老人は快諾しました。
家に入るなり、貴人はかくしゃくとした翁が忙しくしている様子が見えました。貴人を目にした瞬間、翁は何年も前にある高僧が残してくれた「メッセージ」(すなわち、彼の人生を予言したもの)のことを思い出し、家族に屋根裏にしまっておいた小さな箱を持ってこさせて、貴人に渡しました。
当時、高僧はこう戒めていました。「あなたの180歳の誕生日に、ある貴人がやって来る。その時になって、初めてこの箱を貴人に渡して開けてもらい、『メッセージ』を読むことができる。これより前に誰も開けてはいけない」。
貴人が箱を開けてみると、中のメッセージは次のような内容でした。「三甲子(一甲子が60年である)となって、雲孫の子も抱える。見送り人と言えば、浙江の劉伯温である」。貴人が読み終えると、翁は急逝しました。その貴人は他でもなく、劉伯温でした。劉伯温は予言通り、本当に翁の死を見届けました。長寿街という名称も、この長寿した老人にちなんで名付けられました。