「相手のため」の物語
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文/河北省の大法弟子

 【明慧日本2024年6月15日】私は今年72歳で、20年以上にわたり大法を修煉してきました。修煉する前は多くの病に苦しみましたが、大法の要求に従って「真・善・忍」で自分自身を律し、善良な人間になるようにしてからは病気が治って、薬を飲む必要がなくなりました。慈悲深い師父が私の体を清め、過去の罪を肩代わりしてくださったおかげで、健康な体を手に入れ、修煉の道を歩み始めました。ここで、他人のために行ったある出来事をお話しします。

 昨年5月、私は家具付きの中古住宅を購入しました。これは不動産業者の紹介でした。購入後、空いた時間には家を整理し、不要な物を片付けていました。その過程で時々小銭を見つけたのですが、ある日、大きなクローゼットを整理していると、中からなんと1万人民元(約21万円)の大金が入った牛皮の封筒を発見したのです。それまでに見つけた小銭もきっとこの家の持ち主のものだと思い、全部封筒に入れて、持ち主に返そうと考えました。

 家に帰り、妻にこのことを話すと、彼女も私の考えに賛同しました。大法を修煉してからは、「真・善・忍」に従い、名誉や利益に執着せず、他人を思いやる行動を常に心がけています。自己中心的であってはならず、欲張ってはいけません。自分のものでないものは手にしてはいけないのです。

 『轉法輪』の中で、師父は、「もともとあなたの人生の中にないもの、社会において他人に属するべきものを手に入れてしまえば、他人に借りを作ったことになります」と説かれました。ですので、お金を見つけたときは動揺することなく、一刻も早く元の家主に返そうと思いました。修煉をしていない妻も、「真・善・忍」を理解しているため、私の考えを支持してくれました。

 しかし、以前の家主には連絡がつかず、その家は不動産仲介の者を通じて手に入れたので、まずは不動産の人に連絡を取り、状況を説明し、家主を探してもらうよう頼みました。ようやく前の家主と連絡がつき、状況を説明して、お金を取りに来てもらうよう頼みましたが、家主は忙しいとか時間がないと言って、なかなか来てくれませんでした。それから何度も電話しましたが、相手はなかなか取りに来ようとしなかったので、疑問に思いました。

 後になって、家主が私を疑っているのだと知りました。彼らは家にそんなに多額のお金があるとは信じず、たとえ本当にあったとしても返すことはないだろうと考えていました。私が家を購入した後、彼らには半月以上片付けの猶予があり、退去するときには家の中は完全にきれいになっていました。それなのにどうしてこれほどの大金を見落とすことがあるのでしょうか? 後で知ったのですが、それは彼らの家族の老人が亡くなる前に隠したもので、本人以外誰にも知らされていなかったのです。

 彼らが疑いを持つのも当然です。現代の中国社会では、金のために悪事を働き、命を奪うことすらあるからです。金のために、家族間でさえ反目し合うことがあります。だからこそ、彼らは社会に善良な人がいるとは信じがたいのです。これほどの大金を見つけても手放す人がいるでしょうか? もし大法を修煉していない常人ならば、きっとそのお金を自分のものにしていたでしょう。

 家主に信じてもらうため、あちこち聞きまわり、退職先の病院まで尋ねました。何とか相手を説得して、ある日の午後4時過ぎ、その家主は息子とともに訪れました。全額を渡しましたが、彼女はただ「ありがとう」と静かに言っただけでした。

 私は相手このように伝えました。「私は法輪功を修煉しています。法輪功を学んでいなければ、何度も連絡を取り、あなたにお金を渡そうとしなかったでしょう。法輪功を修煉していない人には、とてもできないことです。70歳を超える私が、あなたにお金を渡すため、信じてもらうために半月間も歩き回り、あちこちを尋ねました。今の中国社会で善良な人間になるのも難しいことです。あなたたちはこの社会にまだ善良な人がいるとは思えないのですね」

 彼らに大法が迫害されている真相を伝えましたが、すぐには受け入れられない様子でした。彼らは海外によく行くと言いましたので、「それなら、海外に行くのは法輪功のことをもっと深く知る良い機会です」と勧めました。

 彼らはまだ大法の本質を完全には理解していないかもしれませんが、このことをきっかけに心に何かが響いたと信じています。最低限、彼らは法輪功を修煉する人たちがどのような人々なのかを目の当たりにしました。いつか彼らが真相を知り、良い報いを得られるよう願っています。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2024/6/10/478056.html)
 
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