【明慧日本 2024年12月26日】吉林市政法委員会は2024年4月1日、法輪功学習者(以下、学習者)に対する密告と懸賞金制度を公告した。「状況に応じて200元から1000元の報奨金を支給する」という。このような公告は、10年前、非業の死を遂げた吉林市「610」幹部、孫慶林と一家の因果応報を想起させる。
一、「610」弁公室の背景と職責
「610」弁公室は中国共産党(以下、中共)が1999年6月10日に設立した非合法組織で、法輪功への迫害を専門に担当している。この機関は全国に多数の支部を設置し、法輪功迫害において数々の暴虐な行為を行ってきた。孫慶林は吉林市豊満区の初代「610」主任であった。
二、孫慶林が「610」主任を務めていた期間の豊満区「610」による迫害事例
孫慶林は在任中、学習者に対する多くの迫害事件を推進した。以下に代表的な事例を挙げる。
1. 洗脳班による迫害:
吉林市豊満区「610」と船営区「610」は、初期に洗脳班を共同運営し、学習者を迫害した。場所は吉林市郊外の歓喜郷遠達村に設置された。2009年9月、吉林市「610」は多くの法輪功学習者をこの洗脳班に連行し、精神的虐待を強要した。学習者は単独で監禁され、各部屋には三つのベッドが置かれ、地域社会と街道からの2人の「教育係」が一人の法輪功学習者に対して昼夜を問わず洗脳による迫害を行った。
2. 非合法な拘禁と経済的恐喝
2000年12月、当時62歳の孔憲芳さんは北京へ法輪功の無実を訴えに行ったところ、警察に連行され21日間の勾留を受けた後、2001年1月21日に吉林市第三留置場に連行された。この間、豊満区「610」、豊満区検察院、豊満区公安分局保安科、石井溝派出所の職員らによる不当な事情聴取を何度も受けた。留置場で76日間の不法拘禁を受けた後、さらに洗脳班に6日間連行された。豊満区「610」主任の孫慶林は、家族に3000元の保証金を要求し、白紙の領収書を渡した上で、2001年4月11日にようやく釈放した。
3. 暴力による障害と家庭の崩壊
2006年10月9日、吉林市二道郷派出所所長の劉宏岩は、学習者の陳継海さんを二道派出所に連行し、拷問による自白を強要した。その結果、陳さんは精神が混濁し、トイレ使用中にバランスを崩して5階から転落、腕を粉砕骨折し、二本の肋骨にひびが入り、意識不明となり、寝たきりの状態で一時期は自力での生活が困難となった。2010年4月27日、陳さんは自宅で二道郷派出所と豊満区国内安全保衛部門の警察に連行され、15日間の不法拘禁の後、不当な労働教養を受けることとなったが、身体状態を理由に労働教養所は受け入れを拒否した。2012年8月16日夜、二道郷派出所の警察は吉林市豊満区公安分局の警察と共謀し、民家に押し入って陳さんを連行し、沙河子暁光村の洗脳班で迫害を行った。
4. 家族の離散
吉林市豊満分局江南派出所の警察は2012年8月9日正午、豊満区の学習者である常実・張敬東夫婦とその娘の常慧莹さんの一家3人を連行した。当時19歳だった常慧莹さんは沙河子洗脳班に20日以上拘禁され、心身ともに深刻な打撃を受けた。張敬東さんは留置所でわずか十数日で生命の危機に陥ったにもかかわらず、警察は酸素マスクを付けたまま長春女子労働教養所へ連行しようとしたが、同所に拒否され、ようやく帰宅できた。常実さんはその後、豊満区裁判所により不当に3年半の刑を言い渡された。吉林省監獄に連行され、不当な超過拘禁を受けた後、2015年12月17日にようやく冤罪による投獄から解放され帰宅した。
三、孫慶林が自らに招いた一族滅亡の報い
因果応報には様々な形があり、現世報や一族全体への影響もその一つである。当事者が悪事を働く際、家族がそれを止めず、むしろ助長し、不正な「利益」を共有したため、当事者だけでなく、家族全員にも業が及ぶことになる。孫慶林や他の多くの迫害加担者も同様の状況であった。孫慶林の悪行は自身に大きな災いをもたらし、一族全体が報いを受けることになった。
1. 一人息子の突然の死
最初に災いが及んだのは一人息子の孫英傑である。孫英傑は叔父の縁故を頼って孫慶林の職場で運転手として働き始め、将来は正式な警察官になれるよう編制に入ることを目指していた。孫慶林にとって、この一人息子は家族の希望であった。当時26、7歳で、結婚したばかりの孫英傑は、まさに人生の絶頂期にあった。しかしある日、孫英傑は突然体調不良を訴え、吉林市465病院を受診した。医師は「入院観察が必要で、検査結果は長春医大で精密検査中」と告げた。その結果を待つことなく、孫英傑は入院からわずか1週間で死亡した。
2. 孫慶林本人の突然死
息子の死は孫慶林に大きなダメージを与えた。この間、親族から何度も忠告があった。法輪功修煉者への迫害は災いを招くという警告である。なぜなら法輪大法は佛法修煉であり、法輪大法に対する行為は必ず報いがあるからだ。善行には善報が、悪行には悪報が待っている。しかし孫慶林はこれらの忠告に耳を貸さず、独善的な行動を続けた。
1、2年後の2013年11月、孫慶林夫婦は海南島へ旅行に出かけ、気分転換を図ろうとした。ある日、夫婦で広場でダンスを踊っている最中、孫慶林は突然倒れ、即死した。関係者によると、妻の証言では、孫慶林の体は冷たくなっており、救命の機会すらなかったという。
3. 妻の不正資金による治療と死
孫慶林の妻である劉香蓮は、迫害が始まる前は法輪功を修煉していた。修煉前は多くの病を抱えていたが、法輪功を始めてから症状は改善していた。しかし中共による迫害開始後、修煉を放棄した。息子を失い、夫も急死し、一人取り残された上、法輪功修煉の放棄により、すべての病が再発し、生きる苦しみを味わう日々となった。精神的にも追い詰められ、親族が入院させたものの、治療に非協力的で、医師は止むを得ず彼女をベッドに縛り付けることとなった。集中治療室(ICU)での治療は一日数千元に及び、1カ月余りで数十万元の医療費が発生した。孫慶林は生前、多額の不正資金を蓄えており、「610」主任在任中はさらに贅を尽くしていたという。しかしその金を妻の治療費に使っても命は救えなかった。2、3年後、不正資金も底を尽き、劉香蓮は病で亡くなった。一家は竹籠打水(水の入った竹籠を運ぶように、すべてが無駄となる)のごとく、共産党の殉死者となった。
中共に命を売り、法輪功を迫害する者たちの最期は、このようなものである。早いか遅いかの違いだけだ。善悪には必ず報いがあるというのは天理であり、真善忍の大法修煉を迫害すれば、重大な業を造り、必ず天罰を受けることになる。
四、国際社会の非難と行動
2016年、米国は「グローバル・マグニツキー人権説明責任法」を可決した。この法案は、人権侵害者と確認された者に対する制裁を規定している。
「マグニツキー法」は、米国、カナダ、英国ですでに立法化されている。現在28カ国が、アメリカの「マグニツキー法」に類似した法律を制定、または制定準備中であり、人権侵害者に対してビザ発給を拒否し、海外資産を凍結している。
2022年5月、アメリカの宗教団体や学習者は以下の通知を受けた。
米国政府はビザ申請の審査を厳格化し、人権および宗教迫害者に対してビザ発給を拒否する。これは移民ビザと非移民ビザ(観光、親族訪問、商用など)を含み、すでにビザを取得している者(グリーンカード所持者を含む)も入国を拒否される。
- 学習者は、法輪功迫害に関与した者とその家族、子女の名簿を提出することができる。
- さらなる措置が順次実施され、人権侵害や宗教迫害を行った者は、その家族、子女を含めて厳しい制裁と処罰を受けることになる。
2024年6月、米国議会下院は「法輪功保護法案」(Falun Gong Protection Act, H.R. 4132)を全会一致で可決した。この法案は、中共による国家支援の下で行われている学習者等の良心犯からの臓器摘出を阻止し、中国国内で臓器摘出に参加・協力した者に対する制裁を実施することを求めている。制裁方法には、米国内の資産凍結、入国禁止、さらに経済制裁や刑事罰などが含まれる。
禍福は門なく、人の召くところのみ。因果応報は影のごとく形に随う。人を害することは自らを害することである。すべての制裁と現世報は、迫害者が犯した罪業がもたらしたものである。そのため、人は何かを行う前に必ず良心に問い、善悪を判断しなければならない。善行を重ね、小人や悪人から距離を置くべきである。他人の手先となることを避け、「上級の命令に従う」、「大勢に従う」などの安易な考えで、悪事を働くことのないように。なぜなら、最後の報いは自分で背負うことになり、現世での報いで業力を消し尽くせなければ、地獄でさらに償わなければならないからである。
「上級」の造る業は「上級」が償い、「階層」ごとに従えば「階層」ごとに償う。これは人を驚かすための言葉ではなく、天道である。誰もが自らの行為に責任を負わなければならず、孫慶林一家は数多くの現世報の一例に過ぎない。