【720評論】中共政法委員会と610弁公室の法輪功迫害における重要な役割(二)
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文/林展翔

 【明慧日本2021年7月24日】(前文に続く)

 (二)中共の610弁公室は非合法組織

 中共の法輪功迫害の具体的な機能となる「610弁公室」は、いわゆる法輪功問題の処理という点では、一般の政府部門や検察庁以上の権限を持ち、完全な超法規的な組織である。610弁公室の設立自体が中国の憲法と通常の法的手続きを回避し、法律を上回っている。

 610弁公室は中共の重要な秘密部門であり、憲法第36条および第89条に真っ向から違反し、中国の現行法でも違法な秘密機関である。中央610弁公室の設立は、中華人民共和国の最高機関である全国人民代表大会の承認を得ていない。

 中央610弁公室は正大臣級部門であり、610弁公室の機密性のために、内部の詳細はまだ外部に知られていないことが多く、610弁公室が中心となって法輪功への全国的な迫害を調整している。この610弁公室は何度か再編、強化、名称変更をされているが、いまだに強力な権限を持ち、その管轄権は共産党を信じない教会、その他の宗教団体や気功組織にまで及んでいる。

 「610弁公室」という名称はあまりにもひどいものだったので、中共は後に「カルト問題防止と処理指導のグループ事務所」という名称を加えて、外部を欺き混乱させた。実は形式だけを変えて内容を変えておらず、内部では「610弁公室」の名称は変更されていない。

 違法な610組織は全国に広がり、草の根にまで及ぶ

 長年にわたり、610弁公室は上から下までの大きな特権的システムとなり、ナチスのようなゲシュタポ組織へと発展した。中共の610弁公室は法輪功を貶める水面下でのプロパガンダ・キャンペーンと学習者に対する連行、不当な家宅捜索、洗脳、不当な労働教養と判決などの迫害と悪行を常に展開している。

 中共による秘密保持と情報統制にもかかわらず、我々は公開情報を通して、中央から地方レベルまでの厳密に独立した違法な610システムの存在が全国各地に広がっていることを見ることが出来る。それはまた、迫害の広さ、深さ、組織的な性質を反映している。

 (三)610弁公室は迫害の執行者

 610弁公室は中共の迫害を率先して調整・実行し、法輪功を貶めるプロパガンダを裏で計画、展開し、学習者の連行・不当な家宅捜索・洗脳・不当な労働教養と判決などの悪質な迫害行為を行ってきた。

 明慧ネットには学習者に対する迫害の報告が多数く寄せられている。紙面の都合上、610弁公室が行った迫害のすべてを網羅することはできないので、いくつかの方面といくつかの例を選んで概要を説明していく。

 学習者への意図的な連行と不当な拘禁

 江沢民は610弁公室を通じて、法輪功に対して「身体を消滅させる」、「殴り殺しても自殺として処理する」、「遺体の出所を確認せずに火葬する」などの秘密命令を出している。610 弁公室は江沢民の権限下での無法状態の下、公安や警察官を指示して操り、学習者を迫害し、嫌がらせ、ストーカー行為、罰金、不当な家宅捜査、連行、留置場や刑務所への拘禁など、あらゆる悪事を働いてきた。

 中共が学習者を迫害する重要な手段は洗脳班によって学習者を「転向」させることであり、洗脳班は政法委員会と610弁公室が運営する闇監獄であり、中共は全国各地で多くの洗脳班を開き、学習者を強制的に「転向」させた。人を混乱させるために、このような洗脳班は、「法制教育学校」、「教育転向学校」などと呼ばれた。610弁公室は洗脳班のリストを作成し、警察に学習者の連行を指示した。

 例えば、四川省の綏寧市では、政法委員会と610弁公室が2000年から、南強鎮龍平郷、市北門收教所(訳注:思想教育所)(3階)で洗脳班を開き、「崇尚科学学校」という名前で洗脳授業が行われている。多くの学習者が連行されて拘束され、妊婦(金梅社区の唐暁明さん)でさえも逃がさなかった。また労せずして何かを手に入れようとする地域のギャングたちを用心棒や協力者として採用した。拘束され中で50代の女性、匡餘良さんは、龍坪郷の洗脳班で5カ月間、毎日、窓から手錠をかけられ、つま先だけが地面に付く状態で、やせ細るほどの迫害を受けた。2005年6月14日、匡餘良さんは毒薬を使って拷問され亡くなった。

 廊坊市洗脳班は、1999年末に河北省の610弁公室と廊坊市の610弁公室の直接の命令によって設立された。洗脳班は外部には嘘をつき自らを「廊坊法制教育センター」と名乗り、それは学校ではないが、学校と同じような名前を持ち、洗脳班は教育施設は備えておらず、教師による授業もなかった。しかし「教育、リハビリ、救済」という名目で、洗脳班は法律の旗の下にありながら、しかし法律を語らない。洗脳班は何の法律執行権も持っていないが、公安局、検察庁、裁判所を凌駕し、洗脳班は病院ではないが、無差別に注射を打つことができ、あるいは食べ物に毒を入れることができる。洗脳班はいつでもどこでも人を捕まえてくることができ、さらに刑罰の乱用と拷問による転向(すなわち強制的に「真・善・忍」への信仰を放棄させる)を行った。洗脳班の中心的な仕事は学習者に転向と信仰の放棄を迫ることである。

 洗脳班からの内部情報によると、2000年以降、数千人の学習者が廊坊の洗脳班に不当に拘禁されている。不完全な統計ではあるが、迫害で亡くなったのは少なくとも13人、少なくとも12人が発狂し、少なくとも18人が障害が残り病気になったという。

 610弁公室は あらゆる手段で法輪功を中傷し憎しみを煽り人々を毒害

 中共の法輪功への迫害は嘘に基づいており、 610弁公室は法輪功を誹謗中傷するために嘘を捏造し、各級幹部と一般の人々を欺き、迫害の言い訳を作った。610弁公室が裏で捏造した嘘の危害は非常に大きい。610弁公室が2008年の北京オリンピックを利用して法輪功を誹謗中傷したのはその典型的な例である。

 オリンピックに向けて、中共は法輪功への迫害を強化するよう指示した。中共の弾圧に合わせて、2008年4月、中央610弁公室は全国に向けて「法輪功による北京オリンピックの妨害を防ぐことについての要点説明」という秘密のメッセージを発した。この「要点説明」は中共の慣習的なでっち上げ手法であり、法輪功への誹謗中傷を積極的に行い、法輪功と「国際的な反中勢力」との間に誤った関連性を持たせることなどを含み、愚かにも迫害を強めるという目的を達成しようとした。秘密のメッセージは、一人でも多くの人を欺くために、村や社区の居民委員会、学校などに配ってほしいというものだった。同時に全国各地で学習者の大規模な不当な逮捕が行われた。この「要点説明」は中国の人々にとって非常に大きな毒害になっていることが、入手可能な情報からわかる。

(続く)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/7/21/428312.html)
 
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