文/中国の大法弟子
【明慧日本2024年9月2日】師父は次のように説かれました。「私が生まれたとき、多くの神が一緒に降りてきました。その後毎年、たくさんの神が降りてきています。私が法を伝える時になると、神は雪が舞うように降りてきました。それほど多いのです。年齢を計算してみたら、私が法を伝えて現在まで計算すれば、25歳前後の若者になりますが、まだ多くの人が救われていません。彼らはみな、神だったのです」(『各地での説法十四』「二〇一六年ニューヨーク法会での説法」)
師父がおっしゃったこの若者は、現在33歳前後の人です。私たちが救おうと呼びかけている人たちについては、40歳以上の人が多いように感じます。最近は小学生も多く、一部、中学生もいて、20代から30代の若年層は比較的少ないです。なぜでしょうか。分析してみましょう。人を救うには、彼らのことをもっと理解することで、済度しやすくなると思います。
33歳の人たちは1990年前後に生まれています。1999年に中国共産党(以下、中共)が法輪大法を迫害した時、彼らは10歳ぐらいでした。学校に入学すると同時に、絶えず中共の党文化を教え込まれていました。さらに不運なことに、彼らが入学当初または進級したてのころは、ちょうど中共が世界中で法輪大法を迫害している時で、幼い心に大法を誹謗中傷する嘘が植え付けられました。
大法弟子が迫害に反対してきた25年間、特に中国の大法弟子は、法輪功迫害の資料を村や都市のマンションから民家まで隅々に配っていました。しかし、彼らは当時学生で、毎日朝から晩まで外にいたため、これらの資料を受け取る機会があまりありませんでした。そのような環境下で、一部の保護者はたとえ受け取ったとしても、子供に見せる勇気はありませんでした。大法弟子が面と向かって人に迫害を伝える際、意図的にそのような集団に接触しない限り、他の集団に比べてチャンスは少ないのです。
中共の法輪功学習者に対する残酷な迫害は25年経った今も続いています。それにより中国社会全体のモラルが低下し、世の中の風紀が乱れ、誠実さと信頼は喪失し、ポルノ、ギャンブル、麻薬、欺瞞が蔓延し、この集団もその中に浸って、大きな被害を受けています。
この若者の多くは一人っ子であり、家族から非常に愛されてはいるものの、幼い頃から「頑張って勉強して、大学に入れば、将来は良い仕事に就ける」という概念を植え付けられてきました。詰め込み教育の下で10年以上も勉学に心血を注ぎますが、卒業後、社会に出ると、残酷な現実に直面します。想像していたのとは全く違うことに気づき、大きな心理的ギャップを受けるのです。
若者の生活は多種多様で活発なはずですが、中共体制下の中国では、政治腐敗、モラルの低下、社会的不正、国民の不満で溢れています。加えて3年にわたる疫病の都市封鎖により、外資の撤退、多数の中小企業の倒産、各業界の不況、若者の失業率の上昇、新卒の失業という問題が出ています。これらの若者は希望が見えず、未来が見えず、生きていく上でのプレッシャーが高まり、寝そべって努力することを諦めました。そして今では、恋愛しない、結婚しない、家を買わない、子供を産まないという「四不青年」が流行っています。四不青年の中には、それらをしたくないのではなく、単にそれらの目標を達成する能力がないのだと言う人もいます。
ここ数年、真相を伝えるなかで、こうした若者たちはあまり電話に出ず、出てもあまり話を聞かずに切ってしまうと同修は言っています。なぜ彼らは話が聞けないのでしょうか。小さいころから汚され、害され、社会の混乱の中で生きている、最も不幸な特別な集団だからです。彼らを救うためには、彼らの現在の心理状態と、彼らが何に興味を持っているかを理解しなければなりません。希望も未来も見いだせず、生きがいもない時、彼らは何をしているのでしょうか。
近年、中国の若者が「祈祷」のためにお寺に押し寄せていることが話題になっていると大紀元が報じました。線香をあげて仏を拝むことは、若者が生活に対する不安を和らげる方法として最も流行っています。メディアの報道によれば、お寺のチケットから、50%近くが90年代あるいは2000年代生まれの人であることが分かったそうです。今の若者は、仕事に行くことと目標を達成することとの間で「線香をあげに行くこと」を選びました。他の人や自分に頼るのではなく、彼らは仏に助けを求めることを選びました。
祈禱をしに行く若者たちは、様々な数珠や各寺のおみくじなどを高くても買っています。また(中国版インスタグラムと呼ばれているSNSアプリ)「小紅書」をはじめとするプラットフォームでは、「線香の攻略」や「数珠の攻略」などが相次いで注目を集めています。そこから若者たちが何に執着し、何を追い求めているのかを知ることができます。
ある中国の同修は、この問題について次のように言いました。「最近の中国の若者は、天災や人災に対して非常に麻痺し、どうせ天が落ちて来たら皆が死ぬので、末日の気持ちになっている。だから、誰かが地震や疫病などについて投稿しても、コメントする人は非常に少ない。しかし、修行、特に修道に関することを投稿すれば、何万人、あるいはそれ以上のコメントがつく」と。
また塾の教師である同修はこのような現象を語りました。「中国の小中学生の間で、『盤珠』という言葉が現れていることに気づきました。お坊さんが使う数珠のことです。もちろん、子どもたちの数珠はとても小さく、一連ずつ手につけており、これは普遍的な現象です。これをどうするのかと聞くと、瞑想の時に使うと言いました。そうすると頭が落ち着ついて、勉強にとてもいいというのです」
これは『共産主義の最終目的』で描写された情景を思い起こさせます。文化大革命の後......『楊家将根』、『嶽飛伝』、『三国』、『水滸』などの名作のラジオを人々が聞いたとき......街は静かになり、どの家族も聞き逃すまいと集中して耳を傾けました。警察さえもパトロールする必要はいりませんでした。中共が「儒教、仏教、道教などの各宗派を破壊したからといって、世の人が神によって目覚めないわけではありません。「数千年の神伝文化の蓄積」は、とっくに中国人の心に根付いています。若者が熱心に寺を訪れるのは、彼らの中に伝統文化が根底にあり、心の奥底で伝統文化に追随しているからです。
正法の過程がここまで来たのも、天象の変化によるものです。この面を追及する若者が多いのなら、私たちはこの方面に力を入れればいいと思います。彼らの執着に沿って真相を伝え、彼らを救うべきです。
実際、中国五千年の伝統文化の中には、八仙の物語をはじめ、薑子牙、諸葛亮、劉伯溫、名医の孫思邈、華佗など、修煉にまつわる物語がたくさんあります。こうした古代の修煉物語や伝統文化を切り口にして、真相を伝えることができます。明慧ネットの「文化チャンネル」にある「文史漫談」や「歴史修行物語」あるいはガンジンワールドにある「修煉物語」を参考にできます。
この若者たちの状態から、中共統治下の社会の混乱が反映されています。それと同時に、中共の教育制度によってもたらされた深刻な教育の欠落が見えてきます。ソクラテスは、教育の目的は人々の善良な性格を培うことであると言いました。韓愈の『師說』では、「師とは、人間の正しい在り方を伝え、学業を授け、疑問を解決するための人である」と述べています。 教育とは知識を広めるだけでなく、人々の考え方や思考力を養うことでもあります。 中共によって教育された人々は、独立した思考がなく、疑問を解決する能力もありません。人としての基準がないため、善悪の区別も真偽の区別もつきません。中共は 伝統文化を破壊し、党文化を植え付けてきたため、これは中国の教育の失敗だと言えます。
従って、彼らに真実を伝える際には、「躺平(寝そべり主義)」になった原因を伝えるべきです。親のコネ、金、人脈が人に負けているからではなく、この体制がもたらしたのです。この中共の専制政治下での腐敗、公権力の疎外、道徳の低下、信頼の失墜等々によってもたらされたのです。この体制から抜け出してこそ、本当の解脱ができ、そして三退へとつながるのです。
以上の認識は、立派な意見を引き出す呼び水なだけであり、不適切なところがあればご指摘ください。この特殊な集団を救うために、同修が知恵と能力を発揮してくれることを願っています。