空腹の鬼の叮嚀:生きている時だけに懺悔は効く
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 【明慧日本2015年10月15日】

 司馬光(中国宋朝時代の有名な歴史学者、文学者、有能な大臣で、有名な作品に『資治通鍳』がある):「過ちを改め」について

 司馬光はかつてこういうことを他人に話した:私は小さい時、姉ちゃんと一緒にウォールナットの皮剥(かわむ)きをして遊んだ。途中で姉ちゃんが離れていき、自分ひとりではあまり剥き方が分からなかった。その時、下女の一人が皮を剥いだ。姉ちゃんが戻って来て、誰が剥いのかと私に尋ねた。私は姉ちゃんに「自分だ」と答えた。父親は当時「子供はうそを言ってはいけない」と私に厳しく叱責した。それ以後、私はうそを言うことは敢えてしない。『徳育古鍳』による

 タイムリーな懺悔が必要だ

 昔にいたある読書人は胆っ玉のある人でした。ある夜、雨がやんで明るい月が出た時、彼は若い下僕の一人を連れて、大瓶の酒を持って墓地に行った。「こんな良夜に独りで遊びは寂しい。冥土でともにお酒を飲む者がいますか」と周りに呼びかけた。少し過ぎてから、燐火がまたたくのが見え、草むらの中で出没した。再び呼びかけると、諸々の鬼が「うんうん」と声を出しながら中心にやって来た。読書人のところまであと1丈(訳注:約3・03メートル)ほどの距離で止まった。影を数えると、およそ10余りの影があり、読書人は大盃で酒を地面にまき散らすと、すべての衆鬼は頭を下げて酒のにおいをかいだ。「この酒はたいそううまいので、もっといただけますかな」とひとりの鬼が言った。読書人は「あなた達はどうして輪迴しませんでしたか?」と尋ねると、鬼は「善行があった者は、すべて、すでに転生した。悪行の者は、すべて地獄に落ち込んで懲罰を受けた。我々13人、この中の輪廻を待つ者は4人で、業報で輪廻に入らない者は9人です」と言った。

 読書人は「なんであなた達は、懺悔して解脱を求めませんか?」と聞くと、鬼は「懺悔は必ず死ぬ前にしなければならない。死後は懺悔しても無駄だ」と言った。お酒を飲んで衆鬼が立ち去る時、鬼の一人が「餓鬼は美酒を頂いて、その恩返しに、謹んで一言を贈ります:生きている時だけに懺悔は効く」と教えてくれた。

(『閲微草堂筆記』により)

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2015/9/13/314141.html)
 
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