退役将校・公丕啓さん 山東省の刑務所で迫害され死亡
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 【明慧日本2021年4月28日】山東省青島市の法輪功学習者で退役将校・公丕啓さんは懲役7年6カ月の実刑判決を受け、同省済南市刑務所に収容された。2021年4月12日夜、刑務所の迫害により、公さんは死亡した。享年66歳。公さんの遺体の頭部は、腫れて濡れている状態で傷があり、耳から血が流れだしていた。

'上校军官公丕启'

公丕啓さん

 公さんの家族は4月12日夜、刑務所からの電話を受けた。公さんの血圧が高く病院に運ばれて、救急処置を受けていることを告げられた。その直後に家族は、刑務所からの電話で、公さんが脳溢血で中心病院に搬送され、救急処置を受けたが亡くなったという通知を受けた。そこで、公さんの家族や友人は、翌朝早く、済南中心病院に駆け付け、遺体との対面を求めたが、病院と刑務所側から拒否された。しかし、家族は諦めず、遺体と対面することを強く要求した結果、公さんの兄と甥が遺体との対面を許された。しかし、写真もビデオも撮らないようにと言われた。

 家族は公さんの突然の死に対して死因の説明を求めたが、刑務所側からは納得できる説明は得られなかった。遺体と対面した家族は、公さんの遺体の頭部が腫れて傷があり、耳から血が流れていたと話した。それに対して、刑務所側は、公さんは血圧が高かったが治療に協力しないため、脳溢血を引き起こしたのだと説明したが、家族はまったく無責任な説明だと言った。

 刑務所側は疫病蔓延の理由で、1年6カ月前から公さんと家族の面会を許さなかったため、家族も拘禁されていた公さんの健康状況を把握できなかった。

 刑務所の監視カメラには、その日、公さんは体調が悪そうでずっとベッドに横たわっていた姿が映っていた。その間、刑務所の医者が血圧を測りに部屋に入ったがそのまま出てきた。そして、夜8時32分、公さんは地面に倒れたが、救急車が来たのは9時だった事が監視カメラに映っていた。家族は「高血圧はいつからなったのか? 刑務所で治療を受けたのか? 血圧を測った記録があるのか? 当日、医者が血圧を測ったのに、なぜすぐ病院に送らず、何の措置もしなかったのか? なぜ、倒れたのに救急車が来たのは30分後なのか」などと、多くの疑問を持っている。

 公さんの家族は「すでに寝込むような重い高血圧症であれば、1日や2日前に発病したことではない。その状況で、刑務所側が治療のための仮釈放の手続きもせず、家族にも健康状態を知らせず、家族との面会も拒否した。脳溢血で亡くなったとすると、倒れてから救急車が来るまで30分もかかり、刑務所側はその間何の処置もせず、放置していた。『刑事訴訟法』と『監獄法』によれば、刑務所は拘禁している人の健康を保持させる義務があり、健康状態がそれほど悪いのであれば、早めに治療を施すか、刑務所外での治療のための仮釈放をするべきである。公さんの死は完全に迫害死だ」と考えている。

 公さんは大佐で、退役する前は山東省予備役砲兵師団副参謀長だった。1995年、公さんは『轉法輪』を読み、本の中の道理は人生の中で初めて知ったものばかりだと震撼させられた。しかし、観念と執着、それに仕事のことを考え、公さんはすぐに法輪功を学ばなかった。しかし、1999年4.25、法輪功学習者が平和的な陳情を行った後、中国共産党当局のメディアは法輪功への攻撃的な文章を次から次へと出した。軍隊の上司が公さんの妻と妻の両親が法輪功を学んでいると知り、公さんに法輪功を学んでいるのかと聞いた。公さんは、私はまだ、法輪功を学ぶ資格がない状態だと答えた。

 1999年7.20から、江沢民グループは法輪功迫害を発動した。公さんは同年8月15日に法輪功を学び始め、酒とたばこをすぐ断ち、それ以来、二度と口にしなかった。仕事上においても清廉潔白で、給料以外は1元足りとも受け取らず、汚職などしたことがなかった。汚職している軍の官僚らの中で清廉潔白な公さんは新鮮な空気のような存在だった。公さんは周りに法輪功の真実を話したりしたため、上司に法輪功を学んでいると察知され、軍を退役をさせられた。

 2005年5月13日、公さん夫婦はともに自宅から連行された。その後、公さんは軍隊に送られ強制洗脳を行われ、妻は懲役5年の実刑を言い渡された。軍隊で公さんは長期にわたって小さい部屋に入れられ、法輪功を誹謗中傷する言葉を書くことを強いられたが、従わなかった。その後、公さんは青島明霞路34号にある青島市610弁公室洗脳班に移送された。監視役3人によって24時間監視され、毎日、中共のニュースと法輪功をけなすビデオを見せられた。公さんはそこで大声で当局が法輪功を迫害している事実と、当局の自分に対する迫害を話したが、洗脳班の若者に殴られ、内臓に傷を負った。病院に運ばれ、内臓が破裂して出血していると診断された。公さんは洗脳班に7カ月半拘禁されていた。

 2017年10月17日、公さんは法輪功学習者・宿桂花さん(当時70歳)の家に訪ねた際、宿さんの家の近くで待ち伏せている警官に連行された。その後、瑞昌路派出所の警官は公さんを連れて、公さんの家に行き、家宅捜索し、多くの私物を押収した。警官は家にいる公さんの妻も連行したが、その後、解放した。公さんは青島市第一留置場に拘禁された。

 2018年6月22日、青島市北区裁判所は2回、留置場で公さんに対して不当に開廷をした。法廷で公さんは、「『真・善・忍』を信仰して良い人になろうとすることは罪ではありません。私は国の法律を犯していません」と自己弁護した。弁護士は「案件の取り調べの過程に重大な違法行為があって、案件の記録にも問題点があります。意図的に証拠をあちこちに寄せ集め、当事者を罪に陥れるためです」などと指摘した。

 最後に弁護士は「当事者の行為は社会に危害性をもたしていません。ですから、社会的な公平と正義や個人の良知、法律の権威性の維持などの面から、当事者を無罪釈放すべきです」と話した。

 弁護士の弁護に対して、検察官に反論する言葉はなかった。裁判長は陪審員1人が午後3時に用事があるとの理由で、弁護士の話を中断し、早々に裁判を終わらせた。その後、青島市政法委、610弁公室、北区公安分局の国内安全保衛部門の裏操作で、裁判所は2018年7月20日、公さんに懲役7年6カ月の判決を下した。そして、公さんは済南市工業南路91号にある山東省刑務所に送り込まれた。

酷刑演示:拳打脚踢

拷問の再現:蹴られたり殴られたりする

 山東省刑務所は、法輪功学習者に真・善・忍への信奉を捨てさせるために、精神的にも肉体的にも苦しめるようと受刑者を唆した。拷問の例として、殴る、蹴る、ビンタを食らわす、棒で体を挟む、靴で叩く、足を掻く、何日も睡眠を許さない、何十時間も立たせる、24時間手錠をかけたまま独房に拘禁、長時間にわたり法輪功の誹謗中傷のビデオを見させるなどである。さらに、警官は学習者がトイレに行くのを制限したり、命の危険にさらされた学習者と怪我や障害を負った学習者を刑務所の病院に送り、救急手当を受けさせた後も、引き続き洗脳を行う。このような残酷で長期にわたる拷問で、同刑務所では、少なくとも3人の学習者が迫害されて死亡し、負傷したり障害を負ったりした人も数多くいる。

 公さんの死に対して刑務所側に責任があるだけではなく、冤罪を作っている青島市の司法関係者らにも責任を負うべきだと、家族はその責任を追及するつもりである。

 
(中国語://www.minghui.org/mh/articles/2021/4/18/423493.html)
 
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