大紀元社でのフルタイム勤務の体験
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文/ドイツの大法弟子

 【明慧日本2021年10月28日】

 尊敬する師父、こんにちは。

 同修の皆さん、こんにちは。

 数年前から、私はソーシャルメディアを通じて真相を伝えることを試みたいと思っていましたので、2017年、同修と一緒にチャンネルを作り、そこに様々な動画をアップロードしました。私たちはこのプロジェクトに多大な努力を払い、私は、この新しい方法で真相を伝えることができ、とてもやりがいを感じていました。しかし、思っていたほどの効果がなく、動画の再生回数は数百回しかなく、このプロジェクトに払った苦労は結果的に見合っていないようでした。どのようにスキルを活かし、より良い結果を出せるのかを考えていました。

 その後、私たちの小チームと大紀元は部分的に共同製作を始めて、ようやく私たちの動画の再生回数が増えました。そこで2018年、週末の1日を使って大紀元の仕事をサポートすることを決めました。しかし、自分が作ったチャンネルを断念することはしたくありませんでした。ベルリン本社で大紀元の同修と数日働いた後、担当者は私に「いろいろ、複数のやりたいことがあっても、一つに絞らないといけない」と言いました。

 師父は「まさにこのこぶしを突き出すように、五本の指は固く握って初めて威力が発揮できます。(こぶしを握るしぐさをする) 各指がそれぞれ自分のやりたいことをやっていれば(五本の指を広げ、各指を示して)、力が入らず、威力が発揮できません。そうではありませんか? 皆さんは企画を立ちあげて、段取りをすべきであり、しっかり協調し、互いに良く協力しあうべきです」[1]と言われました。

 内に向けて探してみると、出しゃばる心や、自分のチャンネルを成功させたい顕示心がが見えてきました。私は、執着心を持っている指のように、こぶしと最良の結果を考えておらず、自己に固執している、と痛感しました。

 フルタイムで大紀元で働くことを決意する

 2018年からは、常人のフルタイムの仕事のほか、大紀元で動画の仕事をサポートしてきました。週末の1日だけですが、真相を伝えることに良い貢献ができ、クリエイティブ的な仕事も好きなので、満足していました。

 常人の仕事からはそんな充実感は感じられません。そこの仕事も良くできていて、会社で真相も伝えていますが、何か物足りないと思い、心の中では、いつか大紀元でフルタイムで働きたいという願望がありました。しかし、大紀元の報酬はとても少ないため、ためらいました。

 2020年10月になると、当時勤めていた会社で受けていた資格認定コースが終わり、大幅な昇給になります。2020年の初めから、いかに多くの時間を大紀元に使えるかを考えていました。常人の会社で働く時間を減らして、大紀元の仕事により多くの時間を使って同時に十分な収入がある案をじっくり考えました。毎月の生活費、今の収入総額、10月からの昇給、大紀元の仕事に使える時間などを考えに入れて、いくつかのパターンを想定して計算しました。その結果、昇給前であろうと昇給後であろうと、労働時間を半分に減らしてもなお良い収入があるだろうという結論にたどり着きました。

 2020年8月、会社の管理層に勤務時間を減らしたい希望を出すと、管理層は乗り気ではなくて、昇進に伴い、あなたはもっと多くの責任を負うべきだと言いました。管理層は私の人柄と仕事の成果を認めてくれているのですが、「許可がもらえなければ、退職も考えている」と言うと、引き留めようとしませんでした。少しがっかりしました。上司が私を引き止めようとしなかったため、労働時間と収入に関する計算は結局、まったく必要ないことになりました。

 ですから、この会社に残れば、もうすぐ給料が上がりますが、つまらない無意味な仕事を続けるか、それとも大紀元でフルタイムで働いて、給料は今の1/3以下でも、充実した重要な仕事ができるかの選択を迫られました。そこで、昼休みに大紀元の責任者に電話をかけ、「労働時間を減らす計画は成功していないが、大紀元のためにフルタイムで働きたい」と話しました。

 その瞬間、私はただ心の声に従い、収入についての考えや心配を排除して、「何とかなる」と思いました。午後、退職届を社長の机の上に置いた時、社長はちょっと驚いていました。

 経済的課題に挑戦

 これからの収入に合わせて生活スタイルを変えないといけないので、まず固定費を下げることから始めました。私の最も高い支出は家賃です。1人で60平米、三つの部屋がある家に住んでいるのですが、それを退去し、同修とシェアルームにしました。2人のルームメイトを探すことは意外と順調で、大紀元の仕事を始める前に家のことはもう解決しました。以前の家では私の寝室、居間、仕事部屋はそれぞれ分かれていたのですが、今は17平米の一部屋しかありません。以前は三つの部屋でやっていたことを、これからすべてこの部屋でやらなければならず、すべての荷物もここに詰め込まないといけません。

 これで、快適さと金に対する執着を除去して、その試練に簡単に通過したと思いましたが、しかし、そう簡単ではありませんでした。大紀元の仕事を始めてから、急に多くの高額な支出がありました。例えば、車のメンテナンス、ノートパソコンの高価な修理、いくつか新しいものの購入も必要となりました。これらの費用は大紀元の収入では負担できないので、貯蓄を崩すことにしました。

 新しい仕事の状況と収入の低さを両親に伝えたところ、父は「現時点では足りるかもしれないが、これから結婚する時にどうするのか」と言いました。それには心が激しく動かされました。その時、生活に対する多くの心配は隠せませんが、「その時はその時の対策がある」と冷静に答えることができました。

 昔のカメラを売って金を作ろうと思ったのですが、カメラは郵送中に紛失しました。多くの時間をかけて、賠償してもらえるか試みたのですが、数週間も引き延ばされ、結果は出ませんでした。「まあ、何かを失って損することが、今の私の修煉にとって必要かもしれない」と思って放下しました。

 損得に心が動じる執着を放下してから、ある日突然、銀行口座に多額の金が入金されました。金の出所を調べてみたら、大手の通販会社からで、12年前にそこでカメラを買ったのです。そして入金された金額は当時の購入金額であり、古いカメラの売れる金額よりはるかに高いのです。さらに不可解なのは、なぜ今カメラを紛失したばかりなのに、通販会社は全額補償するのでしょうか。

 次から次へとおきる金銭面の損失を平静に受け入れることができた時、そのような試練も止まり、多く失った分はカメラの補償としてまた戻ってきたということでしょうか。神は何かを失わせることを通じて、私に金に対する執着を放下させているのだと思いました。

 大紀元の仕事の中でのスキルアップ

 2020年9月から、私は大紀元の仕事にフルタイムで勤務することになりました。最初は動画の分野でスキルを生かし、すぐに新しい任務が決まりました。

 最初は、自分で編集した映像にほかの人がナレーションの原稿を書くという流れになって、とても楽しかったのです。私は大学で法律を勉強したので、文章力はあまりなく、ナレーションの原稿を2回書いてみましたが、あまり情熱的ではなく、時間もかかってしまって、しかも退屈な原稿になってしまいました。

 しかし、しばらくして、私が編集した映像に合わせて編集部の人がナレーションの原稿を書くのがいかに不便か、気になりました。そのやり方では能率が高いとはいえません。そこで、文章力を磨いて自分でナレーションの原稿を書くようにしようと決めました。

 以前は、ナレーション原稿を書く興味と意欲がなかったので、書いた原稿は読みづらく、退屈なものになっていたのですが、今、全体の能率を上げるために自ら書くという意志が出てから、急に文章力が上達して、良い文章の書き方も会得しました。

 師父は「修煉者のすべての功の演化は他の空間では、きわめて複雑な過程であり、しかも一つの空間ではなく、すべての空間のそれぞれの身体に変化が起こっています。 これを自分で取り仕切れますか? とても無理なことです。それらすべてを師が段取りをして、やってくれるので、『修は己にありて、功は師にあり』と言われるのです。 あなた自身はそういう願望を抱いて、そう思うだけで、実際のことは師がやってくれるのです」[2]と言われました。

 私はニュースの書き方を習ったことがないのですが、仕事の改善に励みたいという願望があるため、師父は智恵を授けて下さったのだと思います。

 真相を伝えるためのプロジェクトにフルタイムで参加する機会を与えられて感謝しています。この機会を下さった師父と、そして貴重な修煉環境を提供してくれた同修たちに感謝します。

 最後に『洪吟五』の中の詩、「何のために、ここへ来たのか」をもって同修たちと励まし合いたいと思います。

 末後に、みな創世主の救いを待っており
 壊滅の前、人を救う法理はすでに伝えられた
 しかし、人々が追求するのは名利であり
 一生で奮闘し、追求したものを持っていくことはできない
 来ては去り、ただあなただけ
 忙しい中、ここに来た目的を分からなくなってしまった
 世に下る前、多くは自ら天国の帝であり
 天の衆生を救うため、神の体を放棄した
 人の世の利益は、重要ではなく
 聖縁と接し、再び自分を成就する
 真相が見つかれば、迷いから出られる
 世に来た宿願を果たすことこそ、あなたの大きな喜びである

 注:
 [1] 李洪志師父の著作:『各地での説法九』「二〇〇九年大ニューヨーク国際法会での説法」
 [2] 李洪志師父の著作:『轉法輪

 (2021年ドイツ法会の交流原稿)

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2021/7/25/428657.html)
 
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