文/明真(米国)
【明慧日本2025年3月20日】近年、米国司法当局は次々と動き出し、米国に長年潜伏していた中共の代理人やスパイを逮捕している。2024年12月19日、米国司法省は、FBI(米連邦捜査局)が「米国華人大型コンサートの総監督」である孫耀寧を逮捕したことを発表した。彼は、中共スパイの陳軍と共謀し、米国の法輪功学習者を迫害する中共の代理人として活動し、アメリカの地方の公職者に影響を与えていた疑いが持たれている。
中共は留学生を利用してアメリカに浸透
多くの人が、中共が西側、特にアメリカに浸透していることを知っている。筆者が中国国内にいた頃、大学の同級生が国家安全局で働いていた。ある日、彼が突然私を訪ねてきて、「我々の局で、多くの人をアメリカに留学させる計画があり、今まさに人選を進めている。アメリカの学校、奨学金、宿泊施設など、すべての手配が整っており、1カ月以内に出発できる。興味はあるか?」と尋ねてきた。その同級生の所属を考えれば、私はすぐに「これはスパイ活動だ」と理解した。そして、「考えてみる」とだけ答えた。同級生は私が乗り気でないことを察し、「もう少し考えてみて」と促したが、その後は再び勧誘してくることはなかった。
スパイ戦を描いた映画や小説が好きな人は多いが、多くの人にとってそれは遠い世界の話のように感じられる。しかし、実際に自分が関わる可能性があることに気づいた時、私は衝撃を受けた。同時に、中共が国外にスパイを派遣していることは現実であり、それが自分の身近で起きていることを認識した。その後、私は自費で海外に出て、多方面からの情報を得ることで、中共が数多くのスパイを派遣していることを知った。特に留学生の身分を利用して海外へ送り込まれるケースが多く、アメリカはその主なターゲットとなっている。中共によるアメリカへの浸透は、現実のものであり、すでに深刻なレベルに達している。
中共の元シドニー領事館政治部一等書記官であった陳用林は、法輪功迫害に関与したことで罪悪感を抱き、悪夢に悩まされるようになり、最終的にオーストラリア政府に亡命を求めて中共から離脱した。彼は、当時オーストラリアで1,000人の中共スパイが活動しており、その中には拉致事件を実行した者もいることを暴露した。
アメリカ国内にどれほどの中共スパイが潜伏しているかは、いまだに不明である。
金無怠、利用された末に見捨てられた中共のスーパースパイ
アメリカ籍の中国人スパイ、金無怠(キム・ウーテイ)は「中共のスーパーエージェント」として知られている。このスパイ事件は当時大きな話題となった。金無怠はアメリカの情報機関に37年間も潜伏し、米国側に発覚することはなかった。しかし、1985年に彼が引退した4年後、中国 国家安全部北米情報司司長であった俞強生がアメリカへ亡命したことで、金無怠の正体が暴かれ、逮捕されることとなった。これは当時、世界的なニュースとなった。しかし、金無怠が逮捕されると、中共はすぐに彼の香港銀行口座を凍結し、すべての連絡を断った。彼は41年間も中共のために働いたが、結局は無駄死にさせられたのである。
中共には、彼のような地下工作員(スパイ)が数多くいた。彼らは「敵の心臓部で戦う」(中共の言葉)として働き続けたが、中共が政権を掌握した後も、結局は報われることなく悲惨な末路をたどった。これは、中共が「用済みになれば処分する」体質であることを示す典型的な事例である。
陳一新の陰謀計画
最近、海外メディアが報じたところによると、中共の第20回党大会において、中共の最高指導部が秘密会議を開き、「海外での法輪功弾圧は失敗した」と認めたものの、それを諦めず、特にアメリカでの迫害を強化するために、新たな戦略を策定したという。その戦略は「一つの中心、二つの基本方向」とされている。
一つの中心:法輪功創始者およびその家族への攻撃
二つの基本方向:①世論戦(プロパガンダ)、②法律戦(訴訟を利用した弾圧)
この計画を主導しているのが、新任の国家安全部長である陳一新であり、彼が具体的な指揮を執っている。国安部と公安部が全面的に協力して、この計画を進めている。
この陰謀計画の重要な部分の一つは、アメリカに長年潜伏している中共のスパイや情報提供者(潜伏スパイや高官スパイを含む)を総動員し、法輪功(ファールンゴン)と神韻(シェンユン)を徹底的に攻撃することである。2024年の夏以降、海外のソーシャルメディア上では、突如として神韻芸術団や法輪功を中傷する情報が大量に拡散されるようになり、『ニューヨーク・タイムズ』も連続して法輪功と神韻を攻撃する記事を掲載した。これは単なる偶然ではない。
この計画の核心は、中共がアメリカで長年築き上げてきたスパイネットワークをフル活用することにある。しかし、すでにアメリカで長年生活している者の中には、中共の本質を理解し始めた者もいるはずだ。彼らは、わずかな利益のために、まだ中共に従い続けるのだろうか?
アメリカでは現在、中共の代理人やスパイの摘発が進んでおり、孫耀寧や陳軍の事件はその実例である。さらに、トランプ政権は中共への取り締まりを一層強化することが予想される。したがって、アメリカに潜伏する中共のスパイたちは、自分と家族のためにも、今後の行動を慎重に考えるべきだ。闇から光へと転向するのが最善であり、中共に加担して自らを犠牲にするような愚かな行動は避けるべきである。