重慶事件の背後に見られる法輪功迫害との関係
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 【明慧日本2012年4月21日】元重慶市副市長、公安局局長である王立軍と、元中共(中国共産党)重慶市党委員会書記の薄熙来は現在、法輪功修煉者への迫害と臓器狩りに加担した嫌疑がかけられている。彼らは江沢民に重用されたため、派閥間闘争の矢面に立つことになり、今日の結末を運命づけられた。

 今年初め、王立軍と薄熙来の関係が悪化した。王は薄に関する多くの裏情報を知っていたため、薄に消されることを恐れ、2月6日、女装した王は米国在成都総領事館に駆け込んだ。そして薄熙来、周永康ら中共高層部の内部情報を提供するという条件で、政治亡命を申請した。この事態に気づいた薄が、70台以上の警察車両を動員して総領事館を包囲させたため、重慶事件は国際的にも影響力のある大事件にまで発展した。

 中共が政権を奪取してから60年、副部長級の官員が米領事館に政治亡命を申請したことは今回が初めてのことであり、中共政権の内部ですら中共を信頼していないことが分かる。さらに、今回暴かれた薄熙来のスキャンダルを通して、中共高層部の腐敗と邪悪さが見て取れた。

 激しい内部闘争を経て、2012年4月10日夜11時ごろ、新華ネットは、中共中央委員会が薄熙来の中央政治局委員、中央委員の職務を停止し、そして薄の問題について立案・調査する方針を決定したと報じた。このことを通して専門家は、中共内部はすでに分裂し始めていると指摘している。

 今となっては中共内部の分裂に留まらず、国民はもはや中共に対して、いかなる信頼も持っていないのが実態だ。例えば、中共が重慶事件を処理する際、一連の情報はデマだと発表したが、多くの国民はこれがデマではなく、本当にことだと気づいている。法輪功迫害の主導者である江沢民は今や植物人間となり、迫害政策によって中共は自分自身を打ちのめし、中共の全面的な解体はもはや遠い未来の話ではない。今や中共内部ですら、中共はいつ解体するのかという話がささやかれている。薄熙来自身も80億元の資産を海外に移転し、自分のための逃げ道を残そうとしていた。

 王立軍は、薄熙来の腹心として、薄の多くの裏事情を知っていた。加えて、王は盗聴を通して、秘密裏に薄の多くの録音記録を取っていた。王が米国領事館で亡命を申請した際に提示した、中共高層部の秘密資料には、薄熙来と周永康らが軍事クーデターを企てている内容も含まれていた。二月中旬、副主席・習近平が米国を訪問した際、この秘密情報は米国政府によって習に告げられた。そのため習は帰国後、温家宝首相と胡錦濤主席による薄熙来への処罰を支持した。

 海外のマスコミ報道からみると、薄と周が計画した軍事クーデターの背景には、江沢民の同意と指示があったことが分かる。では、なぜ支持が得られたのか? この背景の原因を理解するには、まず中共が最大のタブーとして指定している「法輪功」問題を深く理解する必要がある。

 1999年7月、江沢民が法輪功弾圧の決定を下した際、中共中央委員会の常務委員7人のうち、江沢民を除く6人(胡錦濤も含む)全員が反対した。当時、江沢民を含む7人の常務委員は、いずれも法輪功の書籍『転法輪』を読んだことがあった。しかも1998年、退職したばかりの喬石(元常務委員)が北京、広州などで大規模な調査を行い、「法輪功は国民に百利あって一害なし」との調査結果を政治局に提出した。そのため、中共高層部も法輪功に対する深い理解があった。

 江沢民はその他の常務委員に弾圧を支持させるため、高圧的な態度に出ながらも、中共の情報系統を操作し、嘘の情報を作り上げ、米国の中央情報局(CIA)が法輪功に金銭を供与しているというデマを流した。江沢民、羅幹らはさらに、1400人の死亡事例のように、法輪功を中傷する多くのデマを作り上げた。当時、多くの人が騙されたが、時間の推移にしたがって、虚言と暴力だけで迫害政策を維持するのは難しくなった。そこで江沢民、羅幹らは迫害政策を継続するため、天安門焼身自殺という茶番劇を演出し、法輪功に対する中国国民の憎しみを扇動した上、法輪功修煉者への臓器狩りによる臓器売買によって暴利をむさぼった。

 江沢民は2002年10月に米国を訪問した際、シカゴで法輪功修煉者によって米国の裁判所に提訴された。帰国後、中共の規定上、江沢民は権力を胡錦濤に譲り渡すはずだったが、法輪功迫害に関する罪を問われることを恐れ、中共中央軍事委員会の主席を2004年まで継続した。江は権力を失うことを恐れたのだ。

 法輪功迫害の中で江沢民政権は、昇進、仕事の評価、ボーナスの支給などすべてを迫害政策と関連付け、積極的に迫害に加担した人を抜擢した。さらに、中共中央政法委員会書記を政治局常務委員に昇任させ、それによって政法委員会と公安部門の権力を拡大させることによって、法輪功への迫害を強行した。

 法輪功への迫害を継続させるため、江沢民政権は極力、中共中央政法委員会書記のポジションを維持し、公安と司法を手中におさめてきた。当時書記だった羅幹の退職後、周永康が引き継ぎ、江沢民の迫害政策を継続させた。そんな中、薄熙来は昇進のため、手段を選ばず江沢民に迎合し、遼寧省長、大連市長を務めていた際、積極的に法輪功迫害の指示を出していた。

 2004年4月、当時商務部部長であった薄は、米国訪問の際、法輪功修煉者からの起訴状を手渡された。さらに2008年、周永康がオーストラリアを訪問した際も、周は法輪功修煉者によって提訴された。このため、江沢民派閥は法輪功への迫害が停止され、彼らの犯した未曾有の罪が清算されることを極度に恐れている。

 重慶事件の推移は現在、中国国内のみならず、世界各国で注目されているが、この事件の背後には中共内部の熾烈な権力闘争があり、そしてその主軸は、法輪功弾圧に対する意見の相違である。中共は依然として強盛を誇っているが、実質上すでに民心を失い、さらに中共党員、幹部からの信頼すらも失っている。中共政権は遠からず崩壊の運命を避けられないと思われるが、その過程において中国国民、そして世界はどのような選択をするのだろうか。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2012/4/12/255486.html)     更新日:2012年4月22日
 
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