孫茜さんは十カ月間拘禁され 家族は三度告訴
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 【明慧日本2018年2月7日】孫茜さんの80歳近くの母親は、昨年12月4日、大雪という節気の前に、実家の威海から出発し、5時半に北京に到着し、午前中に北京市検察庁第一分庁まで行き、告訴状を手渡した。

 今回は昨年5月31日に続く告訴で、孫さんが北京市第一刑務所で受けた拷問の被害について、母親が告訴したが、ずっと回答をもらっていなかったので、その件で今回は2回目になるが、再び上京して告訴しにやって来た。

 昨年9月11日、孫さんの代理弁護士は、刑法第300条の実施により北京で孫さんを不当に拘禁したことは間違っているということを理由に、北京市公共交通安全保衛局局長を訴え、拷問を実施した容疑に及んだ北京市第一刑務所を訴えた。

孙茜
孫茜さん

孙茜的母亲
孫茜さんの母

 今回の告訴は2回に分けられており、一つは、北京市第一刑務所が孫さんをみだりに拷問したことを訴え、ビデオを公開し公平に法律を執行することを要求した。もう一つは、北京市交通公共安全保衛分局・局長の郝志剛と北京市朝陽区検察官の張欣が刑法第300条を乱用し、冤罪を作り、罪名をでっちあげ、国民の信仰の自由を奪った罪の容疑に及んだことを告訴した。

 北京市第一検察庁の人員は、告訴状を読んだ後、検察庁に常駐する弁護士を探した。すると、この弁護士は家族に「ここではこの類の告訴を受理しないので、拷問について北京市公安局陳情事務所、あるいは他の陳情事務所に告訴し、国家機関の責任者に訴えてください」と説明した。さらに、この弁護士は検察庁の人員を弁護し「彼らは法に基づいて案件を処理しています」と言った。そこで家族は「公安・検察などの法律機関は国民が罪を犯したことを疑い先に捕まえ、後で審判するのですが、現在、法律機関の責任者が犯罪したと疑われる場合、国民はどのように告訴するのですか?」と指摘した。しかし、この弁護士は何も答えなかった。

 孫さんの家族が北京市検察庁第一支庁を離れた時は、すでに正午になっていた。午後、家族は今度は北京市公安局陳情事務所に行った。北京市公安局陳情事務所の人員は、簡単に状況を聞いて「資料の中の拷問の告訴についてのみ関連部門に転送します」と言った。そして、公安・検察などの法律機関の人員への告訴については、北京市公安局陳情事務所では受理しなかった。また、昨年5月末頃に家族がここに渡した告訴状について、受付担当者は回答せず「ここでは、資料を受け取ったり関連部門に転送したりすることを担当するだけだ」と言っただけだった。

 家族は仕方がなく、北京市公安局陳情事務所を離れ、北京市政府陳情事務所に行った。ここの受付担当者は「公安・検察などの法律機関については、直接に北京市公安局陳情事務所に苦情を言うべきで、ここでは受理しません」と言った。

 12月5日、孫さんの母と妹は引き続き告訴し、北京市検察庁第二支庁へ告訴状を渡した。それは「孫さんの案件は検察庁第二支庁が上訴を担当する」ということが家族にわかったためだった。しかし、第二支庁の人員は「検察庁第二支庁は案件を審理した後の苦情を受理するだけで、孫さんのようなまだ開廷していない案件は受け取りません」と説明した。

 12月4、5日、家族は3回目の告訴をし、北京市検察庁第一支庁、北京市公安局陳情事務所、北京市政府陳情事務所、北京市検察庁第二支庁に告訴状を渡したが、これらの機関は相変わらず受理しなかった。

 今回の再告訴では、弁護士が圧力を受けたことに家族が気付き、積極的に法律に基づいて告訴した。

 孫さんは中国で法律違反していないのに、不当な侵害を受けた。

 孫さん(52歳女性)、カナダ国籍の中国人、35億の資産で長者番付の100位に入った。仕事と家庭の圧力の下で、孫さんは肝壊死にひどい抑鬱症、心停止、肩こり、便秘などの病気にかかり、いろいろな方法で治療したが、診察費が毎回5万元かかった。200万余りの医療費をかけても効果がなかったそうだ。2014年、孫さんが法輪功を修煉すると、わずか十数日の間で病気がなくなった。今回、連行された後、孫さんは刑務所から手紙を出して「法輪功を修煉することは人生で最大の光栄です」と書いた。昨年2月19日、孫さんは北京公安保衛分局および北京市朝陽区大屯派出所に自宅から連行され、後に逮捕されたが、調査不足のため2回差し戻された後、起訴された。

 家族が弁護士を訪れると、前回の弁護士と同じ結論を得た。共産党の法律機関は刑法300条に基づいて孫さんの真・善・忍への信仰に対して逮捕、家宅捜索、拘禁、起訴を行ったが、すべて違法であり、法律機関が共同犯罪を行った。共産党の法律機関は刑法300条を乱用し、法輪功学習者に罪名をでっちあげ、法曹関係者がすでに法律をゆがめ私利をむさぼる罪を行った容疑があり、国民の信仰の自由を奪った、というものだった。

 孫さん本人はカナダ政府への手紙の中で次のように主張した。「私は中国で法律を違反したことがないし、また、これは冤罪の問題だけではない」。中国の弁護士は、共産党の法律機関が刑法300条を乱用した問題を説明し、孫さんに罪名をでっちあげ、迫害に陥れたことが犯罪になったことを説明した。要するに、カナダの国民として中国政府から不当に迫害され、カナダの国民が真・善・忍という信仰のために拘禁されており、共産党の法律機関はカナダ国民を犯罪に陥れているということである。(手紙の中で孫さんはまた、次のようなことを述べた。孫さんの夫は共産党による法輪功への迫害を利用して、カナダ国民の資産を奪い、信仰への犯罪を行なった。カナダ政府と弁護士が法律に基づき、正義を勝ち取ることを希望する)

 家族は代理弁護士を頼んだ後、告訴代理のできる弁護士を探している。

 多くの代理弁護士が共産党の法律機関からの圧力を受けた

 孫さんの家族が弁護士を頼み、拷問および不当な侵害に対して告訴した後、数人の弁護士が仕事からの圧力に耐えられずに手を引いた。その中で、高承才弁護士は省の司法庁の圧力を受け、司法当局は高弁護士に対して任意の事情聴取を行い、高弁護士が所属する弁護士事務所を通して孫さんの案件(さらには法輪功の案件)から手を引くよう要求した。また、黄漢中弁護士も区と市の司法管理部門を通じて、孫さんの案件について状況を報告することを要求されたが、黄弁護士は断った。熊冬梅弁護士も省の司法庁から任意の事情聴取を受けた。

 孫さんの案件を代理できる弁護士は多くはおらず、現在の共産党の政権の下で、人権弁護士も迫害を受けており、弁護士は大きな圧力を受けている。

 法執行機関が何もしないので、北京市政府に苦情を出した

 昨年2月19日、カナダ籍の商人・孫さんは法輪功を信仰したために刑法300条の罪名をでっちあげられ、家で逮捕された。5月、北京市第一留置場で拘禁された期間中に拷問を受けた。家族と弁護士は昨年5月末と9月中旬、紀律検査委員会の監視部門、北京市検察庁第一支庁、北京市公安局陳情センターなどの機関に告訴状を渡したが、さまざまな理由で断られた。

 その中で9月11日、弁護士は北京公共交通安全保衛分局の局長、および北京市第一留置場に正式な告訴をした。監視部門、検察庁は互いに仕事をおろそかにし、告訴状を受け付けずに何もしなかったので、後に弁護士は10月、北京市政府に苦情を出した。

 弁護士は苦情書に「北京でのすべての告訴と告発の事務は北京市監視部門に受理される、と知らされたので、六里橋にある北京市紀律検察局の受付に行ったが、窓口で受付係に断られ、その理由は『弁護士には面会しない』というもので、資料だけでも受け取るよう要求したが、それも断られた」と書いた。

 苦情書の最後の部分に「原告が北京市紀律委員会監視部門に告訴したことに不適当な所はなく、北京市紀律委員会監視部門の窓口が『弁護士に対応しない』という理由で告訴資料を受け取らないことは本来の仕事を行っておらず、典型的な違法行為である」と書いた。 

 この苦情書はつまり、北京市政府に苦情を出し、法に基づいて処理し回答するように依頼した、ということであった。

 カナダ社会が孫さんを救うよう求めたため、カナダ首相は中国に訪問した時孫さんの案件を取り上げた

 カナダは人権を尊重する国であり、政治家から国民までカナダ籍の孫さんを救うことに参加している。10月18日『グローバルマグニツキー法案』という法律がカナダで有効になり、アメリカとイギリス両国に続き、カナダは汚職した外国人官僚に対する責任を追及する法案を通した3番目の国となった。自由、民主、多文化という理念はカナダの立国の元である。カナダ首相トルドー氏は12月3日から7日まで、中国へ訪問した期間に習近平氏と李克強氏に孫さんの案件を取り上げた。

 以前、カナダ法輪功学習者も中国領事館の前で数回集会を開き、政治家に連絡し、記者会見を開き、カナダ国民に署名を呼びかけた。

 5月カナダ外交部の会議で、議員のケンター氏が中国駐カナダ大使に孫さんの案件を尋問して以来、カナダ社会は孫さんを救うよう呼びかけ、数人の議員が支持し、APECサミットおよび中国訪問期間にカナダ首相が習近平氏に対して孫さんの案件を取り上げるよう呼びかけた。

前国会人权委员会主席、国会议员Scott Reid先生给总理写信,希望他见到中国主席时提出孙茜被非法关押的问题,并请总理帮助孙茜回加拿大的家。
元国会人権委員会主席、スコット・リード国会議員

 元国会人権委員会主席、国会議員のスコット・リード氏は首相に手紙を書き、中国主席と会う時、孫さんが拘禁されたことを取り上げ、孫さんがカナダの家に帰れるよう望んでいる。

加拿大前司法部长Irwin Cotle先生也为孙茜案上书总理,在受访他说:“孙茜案事关一名加拿大公民,中共政权要知道他们不能随意侵犯加国公民的人权而不受惩罚。”
元司法部長アーウィン・コトラー氏

 元司法部長アーウィン・コトラー氏も孫さんの案件のために首相に手紙を書いた。インタビューを受けた時「孫さんはカナダの国民なので、共産党政権がカナダ国民の人権を勝手に犯しても罰を受けないことが許せません」と語った。

 カナダ緑の党の党首・エリザベス・メイ氏は「カナダの国民であるかどうかにかかわらず、すべての法輪功学習者が不当に拘禁されるべきではなく、ましてやカナダの国民であればなおさらです。首相がこれを重点事項として取り上げることを望んでいます」と語った。

加总访华前,加拿大外长方惠兰(女),提到了加拿大访华代表团会在中国提出的四个个案。其中包括法轮功学员孙茜(Qian Sun)。
方恵蘭外交部長(中央・女性) 

 カナダ首相が中国に訪問する前、外交部長の方恵蘭氏(女性)は、カナダ代表団が中国で取り上げる四つの案件を説明した。その中には法輪功学習者・孫さんの案件が含まれていた。

 同時にカナダの主流メディアも孫さんの案件に注目し報道した。昨年10月21日、エドモントンで行われた記者会見で『大紀元時報』の記者はカナダ首相トルドー氏に中国の人権問題および法輪功学習者からの生体臓器狩りの問題について質問をした。トルドー氏は「人権問題をずっと取り上げています。カナダは世界のために人権問題に声を出しています。これはカナダ人の希望であり、政府の希望および世界各国の希望です。カナダは引き継ぎ人権問題を取り上げ、中国のリーダーと会談する時、毎回この問題を取り上げます」と答えた。

 10月27日、カナダ首相トルドー氏がべトナムへAPECサミットに参加しに行く前、カナダ議員は、首相が習近平氏と会う時カナダの国民・孫さんを直ちに無条件に解放するように要求するよう呼びかけた。カナダ外交部長、国会秘書のオマル・アルハブラ氏は「われわれは孫さんが帰るまで、ずっと中国共産党政権に圧力をかけ続けます」と発言した。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2017/12/20/358103.html)
 
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