文/善果
【明慧日本2021年2月8日】本文は、偽りの「焼身自殺事件」20周年に際して、読者の要望に応え、英霊を慰め、良知を鼓舞するために、明慧記者が「焼身自殺の真相を周知させる週間」に合わせて、以前に掲載した関連報道を整理し発表したものである。
1938年12月のドイツでは、ユダヤ人への公の迫害がとりたてて珍しいことではなくなった。大多数の人は沈黙を保ち、被害者がプロパガンダによって弾圧されているのを恐怖の中で見ていた。当時の宣伝大臣であったヨーゼフ・ゲッベルスは、ドイツ人が読むことや見ること、そして聞くことができるすべてのメディアを厳しくコントロールしていた。
その時、もし少数のユダヤ人がナチスの放送センターの配線に割り込み、流したメッセージがユダヤ人に対する嘘と誹謗中傷を暴き、進行中のユダヤ人への迫害を暴露し、闇に呑まれている民衆を目覚めさせるものであったならば、これらのユダヤ人は犯罪者だったのか、英雄だったのだろうか?
今日、私たちがコンピューター画面の前に心地よく座り、インターネット上の爆発的な情報を拾い読みしているとき、この地球上には14億人もの中国人は、昔のナチス・ドイツの市民と同じように、政府が入念に設計し、政府が許可したメッセージを聞くことしかできず、この事実を知っていながら抵抗しようともしない者も多数いた。余計なことをするより物事を控えめにした方がよく、稼ぐことや暮らしていくことができればよいという考え方に慣れているからだ。
しかし、こんな「平和」な暮らしが本当にこのまま続いていくのだろうか?
一、「焼身自殺?!」
1、イメージの急変
20年前の2001年1月23日、新年を迎える前日の大晦日、中国共産党(以下、中共)メディアは突然、北京の天安門広場で5人が焼身自殺をし、「焼身自殺者」は法輪功学習者(以下、学習者)であると公言した。その日までに人々が見聞きしていたのは、法輪功が「真・善・忍」に基づく道徳の向上を提唱し、病気治療や健康保持に不思議な効力があるということだけであった。当時の中国では、庶民から高官まで、平均して10人に1人が法輪功を修煉していたため、人々は多かれ少なかれ法輪功に好感を抱いていた。
しかし、突然、メディアによる砲撃を受けて、元々法輪功を「取り締まる」ことをナンセンスだと思っていた人たちは怖くなり、学習者を慰めていた人たちが急に目を背けるようになり、学習者の修煉を支持していた親族たちが反対するようになった。天地を覆い尽くさんばかりのメディアのプロパガンダと、全国的に繰り広げられた糾弾と署名運動の中で、多くの人々はかつてプロパガンダに耳を傾けたせいで、地主や富農、走資派、そして「天安門の暴徒」を憎んでいたことを忘れてしまった。
「人類の最大の歴史的教訓は、人類は一度たりとも歴史の教訓を受け入れたことがなかった」と言われている。今回も残念ながら的中したようだ。今回、あまりにも多くの人々が再びCCTVのプロパガンダに従うことを選択し、法輪功の話をするだけで顔色が変わってしまうほどになった!
当時まだ小中学生だった子供たちは、なおさら免れることはなかった。若い彼らは社会経験がなく、両親や祖父母から「政治」の話を聞く機会もない。しかし、親たちが子供の勉強や健康のための金稼ぎに奔走する中、江沢民一味はCCTV版の「焼身自殺」を教科書に載せてしまった。終始、子供たちが学校で教えられているのは「党との一貫性を保つ」ことであるため、20年の間、学校は一期また一期と子供たちの純粋な心に法輪功に対する恐怖と憎悪を刻み込んだ。
20年が経った今、当時の子供たちはすでに卒業し、自分の生活や仕事のために駆け回るようになっている。しかし、彼ら自身も親の多くも、「焼身自殺」という嘘が今もなおこの若者たちの心に刻まれ、しかも今回の人類の歴史の最後の瞬間に彼らの命を脅かしていることにまだ気付いていない……。
2、異なる環境と背景の下、待遇と認識も大きくかけ離れる
『極東経済レビュー』は2002年12月26日、「北京(江氏グループ)は台湾が法輪功プロパガンダの発信源だと言っているが、そうかもしれない。いずれにせよ、台湾海峡の両側では、法輪功が受けている待遇には雲泥の差がある」と報じた。
中国大陸と台湾の法輪功に対する態度が大きく異なっているだけでなく、修煉界と非修煉界の認識も遥かに異なっている。中共の焼身自殺プロパガンダによって、多くの人が未来を失い、災難に晒されることになることをすぐに意識した。どうすればいいのか?
まもなく、明慧ネットには関連文章が掲載され、真相ビラが配られ、面と向かって老婆心ながらの真相伝えや真相ディスクが市街で見られるようになった。多くの学習者は家族の離散や命の危険を顧みず、世人の良い未来のために昼夜を問わず駆けずり回った。
二、「焼身自殺」の真相
20年前のCCTV版「天安門焼身自殺事件」の映像をスローモーションで分析すれば、この「焼身自殺」事件が完全なデマであったことを示す多くの疑問点が見えてくる。
1、『焦点訪談』の映像によれば、劉春玲は火に焼かれて死亡したのではなく、警官に重い物で頭を殴られてから倒れたこと。
2、天安門広場を巡回していた警官らは、このいわゆる「焼身自殺」、いわゆる「突発的な」事件に対処するために、数分以内に2台のパトカーから20個以上の消火器と消火用毛布を取り出したこと。
3、「焼身自殺」事件で広範囲の火傷を負った少女・劉思影は、気管を切開されて4日後にインタビューに応じ、歌も歌えるようになったこと。
4、北京積水潭病院は「焼身自殺」による広範囲の火傷を負った患者の治療にあたり、何の保護措置も取らず、記者による近距離取材を許し、患者をガーゼでしっかり包み、医学的常識に完全に反していたこと。
5、「王進東」は衣服が焼けてしまったが、一番燃えやすい髪の毛が頭に残っており、両脚の間のガソリンが入ったペットボトルも無傷のまま残っていたこと。
6、さらに、2001年2月4日、ワシントン・ポスト紙は一面に「焼身自殺の炎は中国の内幕に光を当てたー法輪功との戦いを強化するために動機づけられた焼身自殺」という調査報告を掲載した。ポスト紙の記者が、自害で亡くなった劉春玲の故郷である開封市に赴き個人的に調査したところ、近所の人たちは劉春玲が法輪功を修煉しているところを見たことがないと言った。
7、2001年8月14日、国際教育開発機構(IED)は、国連人権推進保護委員会第53回会合でこう述べた。「我々の調査では、本当に命を残虐にしているのは、まさに中共当局である。我々が入手した(天安門焼身自殺)事件のビデオを分析した結果、この事件は政府の指示によるものであることを結論づけた」。決定的な証拠を前にして、中共代表団は唖然とし、弁護のしようがなかった。
8、2002年の初め、CCTVの「焦点訪談」のベテラン記者である李玉強(女性)が、河北省法律制度教育育成訓練センターで王博にインタビューした際、学習者に「焼身自殺」の映像に関する疑問点と抜け穴について質問された。みなの道理に叶った分析や証拠を前にして、李玉強は認めるしかなかった。広場にいた「王進東」の両脚の間のペットボトルは彼らが置いたもので、そのカットは彼らが「撮り直したものだ」と。その後、彼女はこじつけの弁解をし、撮影は法輪功が焼身自殺していると人々に信じさせるためにやったことであり、発覚すると事前に知っていたら、撮影しなかったと主張した。
三、電波ジャックの効果とその代価
10数億人の中国人を相手に、昼夜休まずに3年間も真相を伝えたが、焼身自殺の真相を知る人はまだまだ少なく、この捏造された焼身自殺事件に深く騙されている人は数え切れないほどいる。ついに、「焼身自殺」の火種が「電波ジャック」の発想に火をつけた。我々にはメディアがなく、学校もないが、真相や勇気、そして善の心がある。
1、吉林省長春市での電波ジャック
2002年3月5日夜、吉林省長春市内の四つの区の住民の一部と、八つのケーブルテレビの視聴者が放送を受信し、「法輪大法が世界に広がる」と「焼身自殺? それともやらせ?」のニつのドキュメンタリー映画の映像を50分間にわたって見ることができ、衝撃を受けた。瞬時に数百万人もの長春市民は焼身自殺の真相を知り、友人や親戚に電話をかけてテレビを見るように伝えた。
偽りの焼身自殺事件が、無数の善の行動を奮い起こした。この正義ある行動によって、数百万人が真相を聞くことができた一方で、5000人もの学習者が逮捕され、中には、長春市緑園区病院のCT室の34歳の劉海波医師(男性)を含む十数人が殴り殺された。
2、黒龍江省鶴岡市での電波ジャック
2002年4月20日、鶴岡市の学習者である張耀明さん、王樹森さん、郭興旺(郭興国)さん、楊永英さんは、身の安全を気にせずにテレビ番組に割り込み、天安門焼身自殺事件の偽りを暴露する20分間の真相映像を流し、中共の嘘は見破られた。当時の鶴岡市委員会の書記であった張興福は激怒し、こう叫んだ。「1000人間違えて捕まえてもいい、1人も逃すな!」。その直後、500~600人もの学習者が不当に連行され、中には張耀明さん、王樹森さん、郭忠権さんと郭興旺さんもいた。
王樹森さん(男性50歳前後)は鶴岡市興安区に住んでおり、かつて鶴鉱グループ興安鉱山地測科の副科長を務めていた。2002年10月、彼は懲役18年の刑を言い渡された。郭興旺さんは懲役15年、郭忠権さんは懲役13年の判決を受けた。収監される前の王樹森さんは若者の風貌をしていたが、今ではすべての歯を失い、瘦せこけた猫背の老人になってしまった。
郭興旺さんは胡蘭刑務所で死ぬほど迫害され、2009年に医療仮釈放で釈放された1カ月後の2009年6月3日に、無実の罪を着せられたまま亡くなった。
3、長春市双陽区での電波ジャック
2002年5月19日、長春市双陽区の劉海嘯さん(男性46歳)は数人の地元の学習者と共に、双陽区で真相を伝えるためのテレビで電波ジャックを行った。2003年、劉海嘯さんと栗懐明さんは懲役16年、武子龍さんは懲役13年の不当判決を言い渡された。
4、貴陽市内の二度にわたる3カ所での電波ジャック
2002年7月9日と10月19日、貴州省の省都貴陽市では、学習者がテレビシステムに割り込み、「見証」、「焼身自殺の真実」、「北京での西洋人36人の平和的な陳情」および「法輪大法が世界に広がる」などの真相番組を2回にわたって流し、成功した。電波ジャックは約2時間だったという。3カ所での2回の電波ジャックにより、貴陽市の10万近い人々が法輪功の真相を見ることができた。
5、北京での数回にわたる電波ジャック
2002年6月23日夜、中国中央テレビ(CCTV)の複数のチャンネルから法輪功の真相番組が放送された。農村放送専用のCCTVの衛星を通じて、1番、3番、4番、9番、そして7番を含むいくつかのチャンネルは同時に法輪功の真相番組を受信できた。その前後の数日間、さらに多くの配信があり、他の多くの地区も受信できた。
2003年8月12日夜、北京TVの3番教育チャンネルでの電波ジャックが成功し、映像と音声も鮮明であり、江沢民が犯した八つの罪が暴露された。
2004年11月20日の夜8時頃、北京衛視に『風雨天地行』という真相ドキュメンタリーが電波ジャックされた。番組を見た視聴者の中には、10分程度しか見られなかった人もいれば、30分ほど見た人もいた。その後、信号が切断され通常番組の再開もなかったという。
2007年5月1日の夜7時50分、北京衛視のテレビ画面に、「共産党は殺人の党、共産党はごろつきの党、共産党こそがカルトの党」という文字が数分ほど映り、人々ははっきり見えたと言った。
2002年、学習者の夢蘭さんは拘束された時、毒薬を注射されただけでなく、週に2回も強制的に血液を採取されるという拷問を受けていた。夢蘭さんによると、北京市豊台区公安局の王局長が跳び上がりながら、「李洪志には無数の弟子がいて、誰も電波ジャックしていないのに、お前が電波ジャックしやがって! 今日はお前の臓器を生きたまま取り出して、お前をチベットに送ってやる!」と言ったという。
2003年8月8日、北京市豊台区裁判所(または北京第二中級裁判所)は、黄建さん、魏世均さん、馬俊さん、李凱さん、王桂清(黄桂芹)さん、孫敬平さんに対し不当な裁判を行った。理由は「真相ビラを配ったこと」と「電波ジャックの準備」であった。黄建さんは12年、魏世均さん、馬俊さん、李凱さんは11年6カ月の実刑判決を宣告された後、北京前進刑務所に収容された。王桂清(黄桂芹)さんは8年、孫敬平さんは7年の実刑判決を宣告され、北京女子刑務所に収容された。
北京市石景山の学習者で、ポリオを患っていた30代の孫敬平さんは、テレビの電波ジャックを行った罪で懲役7年を言い渡された後、労働による再教育も受けた。
6月に逮捕された北京市石景山の学習者である黄建さんは、団河労働教養所に1年間収監された後、天堂河女子刑務所に移送された。彼女は大法の修煉を放棄する誓約書に署名することを拒否したため、同所の警官らは彼女を通電している鉄製の檻に閉じ込めたため、動く度に、彼女は電気ショックを受けていた。
(続く)