なぜ江沢民が中国人の道徳を堕落させた元凶だと言えるのか?
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文/文啓明

 【明慧日本2022年12月7日】11月30日、中国共産党(以下、中共)は江沢民の死を発表した。中国のネット封鎖により、江沢民に対する正確な評価は中国国内ではなかなか見られず、国民は注意しなければ、中共が唱える論調に流されるしかない。では、江沢民は一体どのような人物だったのだろうか? 中国の古い言葉では、人は徳行(徳の高い行い)があってこそ真に善であり、徳行がなければすべてが悪くなるとされている。

 中国の伝統では、高い地位にいる人は常に「修身、斉家、治国、平天下(自らの身を修め、家庭を整え、国家を治め、天下を平定すること)」で内面的な品行が計られ、忠孝、礼節、礼儀、誠実などが、中国人の血脈によって伝承される価値観となった。文化大革命で荒廃した1980年代でも、精神文明や雷鋒に学ぶなどが提唱され、党文化の色合いが濃いものの、社会道徳に一定の制約作用を果たしており、社会道徳は救いようがないところまで堕落していなかった。隣人や親友同士の信頼関係はまだ普遍的に存在していた。

 明らかな変化は、1990年代以降に始まった。「こっそりと財をなす」、「貧乏人を嘲笑っても娼婦を笑わない」がますます潮流となり、「偽り、悪、闘争」が社会の規範となった。なぜこうなったのだろうか?

 転換点は1989年の「六四天安門事件」で、中共による天安門での大虐殺以降、共産主義イデオロギーが崩壊し、幻の共産主義「理想郷」が経済発展に置き換えられた。「六四天安門事件」で積極的に振舞った江沢民は、弾圧の鮮血を踏みつけながら権力の座に就いた。

 「六四天安門事件」によって上がってきた心もとない江沢民は、何に頼ったのだろうか? 彼は手にした権力に頼って取引をした。彼に反対しない限り、汚職や腐敗は問題にはならない。江沢民は中国のネットユーザーから、中国の「腐敗における総監督」と呼ばれている。それは、江沢民が自ら「黙って財をなしている」だけでなく、中共の各級幹部の汚職や腐敗を導き、放任したからである。

 道徳的な誠実さとは何か? 精神文明とは何か? 江沢民の天下では、最低限の隠れ蓑も要らなくなった。「自らの身を修める」と言えば、江沢民は率先して淫乱を重ね、国中の笑い者になっており、「家庭を整える」と言えば、彼は家族の私腹を肥やす行為を放任させ、その額は億万単位でも収まらない。「国家を治める」にして言えば、現行の「安定維持」は彼から始まったもので、納税者のお金で巨大な凶悪軍団を養い、身に寸鉄も帯びない国民を弾圧しているのが現状である。そして「天下を平定する」に関して言えば、彼は腐敗をもって国を治めているため、水、土壌、空気などの国土の環境が犠牲となり、模倣品や粗悪品、極悪非道なビデオや薬物が氾濫している。

 汚職や腐敗を推し進めるには、江沢民は中国人の心にある価値観を覆し、長い間形成されてきた道徳理念を打破しなければならなかった。そうでないと、汚職すれば、人々に一目でばれてしまう。なぜならば、皆の心には秤(はかり)があるからだ。これが江沢民が法輪功を憎む原因の一つでもある。

 1992年、「真、善、忍」を原則とする法輪功は、李洪志先生によって長春から伝え出された。考えてみれば、もし「真・善・忍」を道徳基準とするならば、「汚職腐敗」、「誰もが近い敵である」、「偽りや虚偽の蔓延」、「貧乏人を嘲笑っても娼婦を笑わない」、「自分のために計らぬ者は、天地の罰を受ける」などが、中国という悠久な歴史を持ち、古代文明を誇る国で通用するのだろうか?

 法輪功が心身を浄化し、道徳性を高めることが、当時の中国では常識となっていた。なぜなら、当時(1992年~1999年)の中国では、10人に1人が法輪功を学んでいたからである。体に病気があって治らない人は、「法輪功をやってみては?」と勧められることが多く、徳行が悪すぎる人は、「法輪功を見習いなさい」と言われることも多くあった。前全国人民代表大会主席の喬石氏はかつて、「法輪功は国と人民にとって百利ありて一害なし」と評したことがある。「偽・悪・闘」で国を害してきた江沢民は、どうして「真・善・忍」を重んじる法輪功を許せるだろうか。度量の狭い江沢民は、他のすべての上層部が同意しない状況で、独断で法輪功に対する弾圧を始めた。「法輪功問題で積極的に振舞って、はじめて昇進する資格が得られる」と、江沢民は法輪功を迫害するよう公に役人をそそのかし、法輪功に対処する専門機関「610弁公室」を設置させた。

 「610弁公室」はいかなる手続きも経ておらず、紛れもない違法な組織であるが、江沢民は「610」に超法規的な権力を握らせた。公安・検察・法院は法輪功に対して法律を適用せず、裁判を経ずに判決を言い渡し、「610」の言いなりになった。中国の司法は、このような白黒が逆転し、善悪の区別がつかない状況下で、急速に破綻した。

 江沢民は1989年6月から2002年3月までの13年間、そしてその後の2003年から2012年までの10年間も政法委の勢力を掌握し続けていて、中国を左右する闇の力となっていた。

 まずは経済、環境、生活など、物質的な面から見てみよう。江沢民の死後、一部の外国メディアは、「江沢民は少なくとも在任中に経済成長を確保した」と評した。つまり、江沢民時代の中国のGDPは8%で、経済発展が比較的速かったという。しかし、この速さの背後には、どんな代償があったのだろうか? 中国科学院持続可能発展戦略研究チームのチーム長で、首席科学者の牛文元氏は、「中国のGDPの数字のかなりの部分は、将来世代を犠牲にして得られたものだ」と述べた。2003年の世界経済に占める中国の割合は4%に満たないが、石炭、鉄鋼、セメントなどの資材の消費量は世界全体の約1/3を占めた。中国国家環境保護総局の解振華総局長は、世界銀行の推計によると、1995年の中国の大気汚染と水質汚染による損失が当年GDPの8%を占めたことを明らかにした。中国科学院の試算によると、2003年の環境汚染と生態破壊による損失はGDPの15%を占めている。

 1980年当時、中国の耕地面積は1人当たり2ムー(約1333平方メートル)であった。しかし、1990年以降、江沢民は汚職で国を治め、環境や子孫が生存の糧にする土地に責任を負う者がいなくなった。環境生態の悪化による砂漠化と土壌流失で、2003年には1人当たりの耕地面積が1.4ムー(933平方メートル)しか残っていなかった。

 さらに驚くべきことは、中国の土地の変化であった。土壌中のカドミウム含有量の平均値は、1990年の0.097mg/kgから2014年の0.3 mg/kgまで上昇し、大量の汚染物カドミウムが土壌に入った。アメリカのコロンビア大学公衆衛生学院の研究報告によると、ニューヨークに移民した中国人の体内の鉛、カドミウム、水銀の含有量は他の民族の人より遥かに高く、血中のカドミウムの濃度は他の民族の人より69%も高い。

 もう一つ人々にあまり知られていない変化がある。江沢民が推し進めた計画出産により、1990年に2.3人だった出生率は2000年には1.22人にまで低下し、(計画出産は早くやめるべきだったが、彼はなんと2001年に「人口家族計画法」を制定し、一人っ子政策を継続させた)、その結果、2012年に経済が下降し、その後、長期的に衰退していく人口構造が固まった。

 次に、文化、娯楽、精神など、精神的な面も見てみよう。江沢民が容認の下、軍隊はかつてない、前代未聞の大規模な性産業を展開し、参謀本部、兵站部、総務部などではエロチックな行為が氾濫し、道楽の限りを尽くしているにもかかわらず、反対する者はいなかった。1995年だけでも、総参謀部3部の傘下には15の娯楽施設があり、編成外で476人の「完全なサービスを提供する」女性を募集した。さらに全国の都市や農村部を見てみれば、売春の場所はどこにもあって、地上と地下は空気が澱んでいた。

 人は、良いことを学ぶのは難しいが、悪いことはすぐにできる。性産業以外に、ギャンブルも蔓延るようになった。ある民謡はギャンブルの盛況を生々しく表現した。「10億人のうち、9億がギャンブルをし、残りはマルチ商法を行っている」。2003年の関係機関による年次統計報告によると、中国における賭博行為と賭博犯罪はさらに増加傾向にある。

 清朝の蒲松齢氏はこう言ったことがある。「賭博する者より、家庭を早く壊す人はおらず、賭博する者より、徳を大きく失う人はいない」

 ポルノとギャンブルの蔓延に伴い、麻薬も氾濫するようになった。性欲・賭博・麻薬が中国社会に危害を及ぼす一卵性三つ子となった。中国政府が毎年発表している麻薬禁止に関する報告書を見ると、中国の麻薬使用者数は年々増加している。

 1989年に発表された全国の麻薬使用者数は7万人で、
 1991年は14.8万人、
 1995年は52万人、
 1999年は68.1万人、
 2000年は86万人、
 2002年は100万人、
 2003年は105万人、
 2004年は114.4万人、
 2009年は133.5万人であった。
 これはあくまで、表向きの記録されている麻薬使用者数で、表立った麻薬使用者1人の背後に少なくとも7人の隠れた麻薬使用者がいると計算すれば、中国の麻薬使用者は1千万人近くになる。

 これらの種々の変化はいずれも、江沢民支配下の10数年の間に起こったことである。中国人がよく言うように、数えなければ分からないが、数えてみればショックを受けるだろう。中国社会の変化を振り返ってみて、初めて江沢民が美徳を堕落させ、国を滅ぼしたという浮き彫りになった滔天の罪悪が見えてくる。

 しかし、江沢民の最も邪悪な行為は、中国人の精神世界を毒したことである。『明慧20周年報告』のデータによると、「1999年7月20日から2019年7月10日までの20年間、中国本土で中共に逮捕された法輪功学習者の延べ人数(1人が何度も逮捕されれば、複数回としてカウントされる)は、少なくとも250万から300万人である」。罰金、家宅捜索、公職追放、労働による再教育、判決、虐待、さらには暴利を貪るために法輪功学習者の臓器を生きたまま摘出している......。

 「真、善、忍」という普遍的価値に対する狂気的な弾圧は、世人の観念を歪め、社会道徳の崩壊と堕落を加速させた。

 無数の中国の家庭を深く悲しませているのは、臓器移植の災禍が法輪功学習者、異議申立者、ウイグル人から一般家庭にまで広がっていることである。ここ数カ月、10代の子供の失踪事件が絶えず起きている。家族から世間まで、人々の疑いはこの地球上にかつてない罪悪である臓器移植に向けられている。

 米国の中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)は現地時間の11月16日に、『中国の人権と法の支配に関する2022年報告』を発表し、引き続き中共による法輪功学習者への残忍な弾圧に焦点を当て、「一部の中国人は臓器狩りのために殺害された可能性がある」と指摘した。報告は、『米国移植雑誌』が2022年に発表した研究を引用し、法輪功学習者などの良心の囚人が臓器狩りのために処刑されたことを確認したと述べている。米議会が法輪功学習者が生きたまま臓器摘出を受けたと報告書に明示したのは、これが初めてである。

 国際社会が慎重に疑念を抱く状態から、態度を明確にするようになったのは、江沢民と中共による法輪功への臓器狩りの迫害に対する証拠の連鎖(録音、録画、証言)、および法的根拠(2019年、イギリスの御用弁護士のジェフリー・ナイス卿が主導した「人民法廷」は、中共による臓器狩りが存在し、法輪功学習者が最も主要な臓器の供給源であると結論付けた)の実証である。

 江沢民は善良を迫害し、悪事をやり尽くし、腐敗や下品を好み、いずれは歴史の恥辱の柱に釘付けされるだろう。歴史による審判は、必ず魔物たちの罪を清算する。正義は遅れるかもしれないが、必ずやってくる。法輪功を迫害した多くの悪人がすでに報いを受けた。江沢民の死は中共の崩壊を加速させている。今なお迫害を維持しようとしている人々は、直ちに時勢を再認識し、崖っぷちの手前で踏み止まり、過ちを償う必要がある。

 
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2022/12/2/452631.html)
 
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