文/中国の大法弟子
【明慧日本2012年7月31日】2006年の冬、秦嶺山脈は既に雪で覆われて真っ白でした。月が明るく、星が少ないある夜、私たち姉妹5人はいつものように、真相資料を背負って遠くの村に向かいました。
村は深い山奥に点在していて、交通はとても不便でした。村と村の間は険しく、でこぼこした小道しかなく、雪が積もってとても歩き難かったです。遠くの村に真相を届けるので、普段より資料を多く持って行きました。山道には慣れていましたが、滑って転んだこともしばしばありました。
ある大きな山を登って山頂に着きました。山頂は雪が厚く積もっており、道は狭く両側は切り立った崖でした。20斤(10キロ)以上の資料を背負っていた下の妹は、突然滑って落下しそうになりましたが、すばやく小さい樹を掴んで、体勢を立て直しました。危なかったのですが無事でした! しっかり立ち直ってから妹は「怖いとは思わなかった。ある力が私の落下を止めてくれたので立ち直れました」と語りました。「師父が助けてくださいました。師父に感謝のお礼を言わなければ!」と私たちは話しながら、目的地に向かいました。
すべての資料を配り終えると午前1時になり、私たちは家に戻り始めました。気候は寒く、荷物を背負っていないとはいえ、長い距離を歩いた私たちは額に汗をいっぱいかいていました。私たちは風を避けて、ある枯れ木の下に座って休憩しようとしました。
「喉が渇いた。お腹も空いた。りんごが食べたいな」と妹は言いました。「食べたいけど・・・」という私の言葉が終わらないうちに、「トン!」という音がして、私の目の前に積もっていた雪の上に何かが落ちました。拾って見ると、まさにリンゴでした。「これは本当なの? 本当なの?」と妹たちは私を囲みました。「間違いない! ほら、みんな一口ずつ食べましょう」と私は提言しました。しかし、そのリンゴがどこから落ちてきたのか、私たちは誰も考えませんでした。
「甘い!」と一番下の妹は叫びました。皆一口ずつ食べて、3、4回回すと、りんごはすぐに食べ終わりました。「確かに甘かった。美味しかったね。私たちもりんごの生産農家だけど、こんなに甘いりんごは食べたことがない。もう1個食べたいな!」とすぐ下の妹が言いました。「まさか! このりんごがどこから来たかまだ分からないのに」と一番下の妹は返事しました。ところが、妹が話し終えた途端、「トン!」という音がして、また何かが上から落ちてきました。妹が拾って見ると「お姉さん、また大きなりんごだよ!」と叫びました。私たちは完全に驚きました。「師父がくださった。師父がくださった!」と下の妹は大喜びしました。「そうだね。師父が私たちにくださったご褒美だよ」と私たちは同時に分かりました。「師父に感謝しなければならない」と私は思って、向きを変えて跪きました。妹たちも跪きました。その時、私たちの顔は涙でいっぱいでした。
リンゴは私たちの手を順番に回りましたが、皆もう食べようとせず、家に持ち帰って周りの皆に見せようと思いました。
家に帰って、リンゴを師父の写真の前に置きました。師父の弟子になることができて、本当にこの上ない幸せです。慈悲なる師父は私たちに、たくさんの良いものをくださいました。