【明慧日本2022年2月3日】中国共産党(以下、中共)の政法委員会(治安・司法などを統括する機関、以下、政法委)、610弁公室、司法機関の関係者は、2021年も江沢民グループによる法輪功学習者(以下、学習者)への迫害を継続していた。具体的には、「名誉を汚し、経済力を断ち、肉体を消滅させる」、「殺しても自殺と見なし、身元の確認をせずに直接火葬する」という学習者を絶滅しようとする政策で、学習者に嫌がらせや迫害を加える「ゼロ行動」が開始された。
明慧ネット報道の統計(2021年)によると、131人の学習者が迫害により死亡、1,184人が不当な判決を宣告され、5,886人が身柄を拘束された。そして10,527人が嫌がらせを受け、2,747人が家財を押収、142人は年金の支給を停止された。不当な判決を宣告された人数は前年比+93%とほぼ倍増。嫌がらせを受けた人数も前年比で23%増加した。
中国本土で迫害された学習者数 |
中国本土で迫害(身柄を拘束、嫌がらせ、不当判決、洗脳)された学習者数 |
(期間:2021年1月1日〜2021年12月31日、以前の未発表データ含む)
一、131人の学習者が迫害により死亡
2021年は131人の学習者が中共による迫害で死亡した(内訳は、1月に9人、2月に8人、3月に10人、4月に13人、5月に6人、6月に19人、7月に12人、8月に12人、9月に3人、10月に9人、11月に16人、12月に14人)。
2021年に中共による迫害で死亡した学習者の一部 第一列左から:丁桂英さん、呂観茹さん、毛坤さん、呂松明さん、劉秀芳さん、謝徳文さん |
迫害による死亡事例は中国本土の24の省、自治区、直轄市に分布している。最多地域は遼寧省25人、黒竜江省24人、吉林省15人である。
死亡した131人の学習者の地域別分布 |
死亡した学習者は、皆生前に迫害を受けていた。濰坊市政法委幹部の学習者・姜国波さんは生前77種類の拷問を受け、そのため39回も瀕死の状態に陥った。瀋陽市の王素梅さんは10年間不当に拘禁され、遼寧省女子刑務所で20種類以上の拷問を受けた。黒竜江省依蘭県の李桂月さんは黒竜江省女子刑務所で毎日殴られ、十分な食事も与えられず、睡眠禁止、トイレ禁止、小さい腰掛けに座り続ける、首を絞められるなどの虐待を受けた。湖南省湘潭市の「正義のために勇敢に事を行った賞」を受賞した教師の呂松明さんは、刑務所で受けた様々な迫害で20本の歯が抜け、出所時は僅か6本の歯だけとなった。
中共による法輪功への迫害は、1日も止まることなく、いまだに続いている。
(迫害で死亡した人数:2017年2人、2018年4人、2019年2人、2020年22人)
迫害で死亡した事例:
1、付貴華さん 吉林省女子刑務所で迫害されて死亡
2021年5月27日、学習者・付貴華さんは懲役7年6カ月の不当な判決を宣告され、吉林省女子刑務所で拘禁されていた。しかし、わずか2カ月後の7月25日、付さんは迫害されて死亡した。付さんの死因には疑問点が多い。2020年に新任の監区長・銭偉は囚人を指図し、学習者を転向させようとしていた。銭偉は付さんの死に責任がある。
銭偉は詐欺犯の郭麗華に指図し、付さんへの迫害を担当させた。郭麗華は毎日付さんを高さ15センチ程度の小さくて表面がデコボコの腰掛けに12時間以上座らせ、両足の間にカード1枚を挟ませ、カードが落ちると付さんを殴り、罵った。
付貴華さん |
付貴華さんの臀部からは出血、膿が出た。ズボンに血痕があちこちについて固まった。
さらに郭麗華は、付さんに水分を取らせずに苦しめた。付さんは喉が乾き、食事すら喉を通らなかったという。
付さんは310番の牢屋で43日間拘禁されても転向しなかった。銭偉は付さんを重点迫害の311番の牢屋に移動し、囚人・呂金淼に迫害を担当させた。付さんは睡眠、飲水、瞬きを禁じられ、さまざまな迫害を受けた。わずか3日間で付さんは迫害によって死亡した。
銭偉は責任から逃れるため、310番の牢屋にいた囚人に付さんが持病を持っていたという証明を書かせた。
2、黒竜江省鶴岡市の李双燕さん 連行され終日にわたり迫害されて死亡
黒竜江省鶴岡市興安区の学習者・李双燕さんは2021年12月16日に身柄を拘束、終日にわたって迫害され、翌日17日に死亡。享年45歳。
李さんは12月16日に富力派出所の警官に身柄を拘束され、派出所で30時間近く拘禁された。警官は李さんが重体に陥ったのを見て、17日の夜、李さんの夫に迎えに来るように連絡した。李さんの夫が富力派出所に到着すると、李さんは歩けず3人の警官に支えられながら出てきた。そして息も絶えだえに「家に帰ろう」と言った。
しかし、帰宅途中で李さんは危篤状態に陥り、救急車が到着した時は既に息絶えていたという。
3、山東省の孫丕進さん 連行された翌日に死亡
山東省臨沂市蒙陰県東儒来村の学習者・孫丕進さんは2021年6月17日、野良仕事をしていた際、県の蒙陰街道第一派出所に身柄を拘束され、翌日に死亡した。8日後の6月26日、蒙陰当局は家族に秘密裏に遺体を火葬させた。孫さんの妻も数年前に死亡し、娘の孫玉嬌さんは現在、臨沂市留置場で拘禁されている。
1999年7.20以降、孫さんと妻の于在花さんは法輪功を学び続けているという理由で、それぞれ蒙陰鎮の王世鑫、公丕宝、姜懐忠、王欣などから迫害を受けた。そしてまた蒙陰610弁公室の類延成、房思敏、王欣(その後610に異動)などから残酷な迫害を受け、家財も全て押収された。孫さんは2003年に懲役5年の不当な判決を宣告され、潍坊刑務所でさまざまな拷問を受けた。
4、郭振芳さん 赤峰市松山区留置場で迫害されて死亡
内モンゴル赤峰市松山区の学習者・郭振芳さんは2021年6月9日夜、松山区留置場で他界した。家族は公安からの電話を受けて直ちに病院へ到着、そして郭さんの遺体の鼻に血痕があり、背後の腰から下は紫色に染まり、片足の膝の内側の傷を確認した。
しかし、数十人の私服警官は、家族がそれ以上遺体に近づけないように現場で見張っていた。その後、家族の同意を得ず、郭さんの遺体は松山区斎場に送られた。
病院からの情報によると、郭さんは病院に搬送された時、すでに死亡していたという。6月8日、松山区裁判所が郭さんと馮玉華さん夫婦に対して開廷した時、郭さんはまだ元気で、自分で車から降りて法廷に入ったが、わずか1日で留置場で迫害されて死亡した。
5、李建設さん 河南省駐馬店市留置場で拘禁中に死亡
2021年6月20日、駐馬店市駅城支局の国内安全保衛部門(法輪功迫害の実行機関。以下国保)の隊長・王鵬雲などは駐馬店雪松路紗工場の社宅に住む学習者・李建設さんを同市留置場に連行した。
7月2日、李さんの家族は李さんが病院のICU病室に送られたと知らされた。家族が見舞いに行くと、李さんの背部、腕、首などが腫れて症状は酷いものだったという。そして7月6日、李さんは病院で死亡した。
6、大連市第三刑務所「生きている限り帰宅できない」 劉希永さんは迫害で死亡
劉希永さん |
遼寧省大連市金州区石河村出身の学習者・劉希永さん(80歳男性)は、懲役3年の不当な判決を宣告された。2021年4月9日の出所の日に、刑務所で金州区の警官に連行されて金州三里留置場に送られ、再度、懲役4年の不当な判決を宣告されて大連市第三刑務所に拘禁された。刑務所側は「生きている限り帰宅できない」と宣言した。劉さんは2021年12月29日、迫害で死亡した。
二、1184人の学習者に不当な判決
明慧ネット報道の統計(2021年)によると、1,184人の学習者が中共により不当な判決を宣告された。判決は、中国本土の27の省、自治区、直轄市に分布している。対象は、局長、大学講師、高級エンジニア、監査役、農芸士、医者、ラジオ局の編集者、軍隊の復員幹部、銀行行長、警官、工場長など各業界のエリートである。
1184人の学習者が宣告された不当判決の刑期別分布 |
不当判決を宣告された1184人の学習者の地域別分布 |
迫害事例:
1、ハルビン市の李力壮さん 懲役10年8カ月、罰金8万元の不当な判決
李力壮さん(48)は1995年にハルビン医科大学を卒業した。同年から法輪功を学び始め、「真・善・忍」の教えに従い、より良い人になることを目指し、心身ともに恩恵を受けた。当時の李さんはハルビン医科大学附属第一病院の骨外科主治医として働き、技術の高さ、品格の良さで高い評価を得ている。27歳で修士の学位試験に合格し、骨外科の修士学位を取得する準備が整い、これまで学んだことで社会に恩返ししようとした際、災難に遭った。
李力壮さん |
2020年の初め、ハルビン市ではコロナが猛威を振るった。人々は家に閉じこめられ、恐怖を感じていた。4月7日、8日、ハルビン市香坊区の学習者・李力壮さん、霍暁輝さん、唐竹茵さん、李艶清さん、丁燕さん、焦其華さん、趙麗華さんは電話で人々に「法輪大法は素晴らしい。真・善・忍は素晴らしい」を念じれば災難から身を守れると伝え、多くの人に感謝された。
4月8日午後、李さんは区を跨いて見張りをしていた大慶市国保、大慶市龍南支局の警官に身柄を拘束された。そして2021年11月17日、大慶市譲胡路区裁判所に懲役10年8カ月、罰金8万元(約13万円)の不当な判決を宣告された。李さんはすでに控訴した。
同時に連行された唐竹茵さん(70代女性)は大慶市譲胡路区裁判所に懲役9年4カ月、罰金5万元(約80万円)の不当な判決を宣告された。
(続く)