【慶祝5.13】「問題地域」が変わった
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文/四川省の大法弟子

 【明慧日本2014年6月1日】2008年~2010年、私は某会社のA市マネージャーを担当していました。あの2年間の経歴は私の人生の中で深い記憶を残しました。

 A市は社内で有名な「問題地域」です。1市9県を管轄して、潜在市場は大きいのですが、問題点も多く存在しています。私がA市に異動する前、そこのマネージャーは何人も更迭されて、管理が混乱するほか、内部闘争も激しかったのです。社員のAさんは少しも隠さずに「前任の数人のマネージャーはすべて私にやられて退陣した」と私に宣告しました。彼女は私に強い嫉妬心と嫌悪を抱いて、私を連れて販売店を表敬訪問する時、ずっと皮肉な喋り方をして、私に多くの恥をかかせました。

 多くの管理問題と同僚のひどい態度に直面して、私はプレッシャーを感じました。異動の辞令を受けた時、本社のトップマネージャーは私に「丸秘の行動指針」を授けました。それは、協力しない人間を直ちにクビにし、あなたが誰をクビにしても私は許可する、ということでした。

 救いようのない従業員に対して、直ちにクビにするのは別に悪い事ではありませんが、李洪志師父が『二〇〇三年元宵節での説法』に説かれた言葉の、「誰に対しても慈悲をもってこのように対処し、鉄鋼を溶かすほどの慈悲があれば、良く行うことができます」を思い出して、私はクビにしませんでした。周囲の人はみな私と縁のある人なので、本当に真・善・忍をやり遂げる時、すべてが変わってくると私は信じました。

 以前、私は不当に労働教養所に拘禁された時、凶暴に大法弟子を殴打した警官と悪人らがだんだんと大法弟子の善良さに感動して変わったことを、私は何回も身を持って経験しました。彼らの誰もが善良な法輪功修煉者を心から尊敬しています。私は法輪大法を十数年も修煉していますが、大法は私たちに困難に直面する時の固い信念、意志、および相手を円融する寛大な心を与えてくださいました。

 私は密かに市場調査を始めました。A市では、当社の製品の小売り価格はとことん低いのが現実で、一部の店舗の小売り価格はなんと問屋の卸売り価格よりも低くしています。当社の製品は全国でも有名なブランドのため、客に指名されたら、これらの店鋪は売らなければならないのですが、当社の製品を売っても利益が出ないため、店舗は少量の在庫しか持たず、しかも製品は普段隠して、顧客に聞かれた時だけ取り出すのです。

 また、A市では当社の信用も地に落ちるほど低いのです。私が初めて某取引先を訪問した時、最初その社長は私に礼儀正しく挨拶しましたが、私が会社の名前を告げると、彼の顔色が変わって、憤激して「○○会社か、この詐欺会社め、お前らとはビジネスをしない、早く出て行け!」と怒鳴りました。代理店も我々にとても冷たくて、代金回収のために我々とやむを得ず協力関係を保っていますが、もしそうでなければ、とっくに私たちと関係を断ち切ったと思います。

 A市と私が以前マネージャーを務めたB市とは雲泥の差があります。B市では、どの店鋪にも当社の商品が統一価格できちんと陳列されて、どの取引先と店鋪に行っても、わが社の名前を言うと、心からの尊敬と歓迎を感じます。同じ会社、同じ製品なのに、A市ではどうしてこんな状況になったのでしょう?! 私は初めて「雲泥の差」という言葉を身近に感じました。

 赴任する前にある程度心構えはありましたが、A市の一部の社員の傲慢な態度、でたらめな店鋪、前任のマネージャーと社員たちが残した未解決の難題が絡み合って、私に前例のない圧力をかけて、本当に「内憂外患」(内にも外にも憂慮すべき問題が多いことの意)でした。腹が立って怒りたい時は何回もありましたが、幸い私は師父が『轉法輪』で教えられた言葉を思い出しました。「本気で怒ったりせず、理性的に教育して、はじめて本当に良い子供を育てることができます」。私は落ち着いて、彼らを自分の子供のように扱おうと思いました。自分はまず理性かつ冷静になろう、と私は自分の心理状態を調整しました。

 穏やかな心境は私に知恵を開かせました。私は次のように情勢を分析しました。現状はどんなに難しくても、粘り強い決意と良い方法があれば、最後にはきっと解決できます。私はその辺の経験を持っています。社長が私をここに来させたのも、私の能力を信じているからです。しかし、私と現地社員たちが心を一つにしてチームワークを取らなければいけません。そうでなければ、内部で消耗する中で私はきっと内外ともに苦境に立つ結末になり、「やられて退陣する」マネージャーになりかねません。

 一部の現地社員は態度が悪く、仕事の中の不足点が多いのですが、現地の環境をとても熟知しています。彼らは多くの残留問題の内部事情を知っているため、最短の時間で解決することができますが、新しく来た人はまったく解決できません。彼らはそれぞれ長所を持っているので、もし私が彼らの長所を発揮させ短所を避けられるなら、彼らはきっと私の有力な助手になれます。もし私が簡単に誰かをクビにすると、それらの残留問題だけでもきっと私の精力を多く消耗して、その後の仕事はもっと展開し難いと思いました。

 私の仕事のポイントは「人間」にしぼられたと感じました。そうです。「人間」の問題を解決してこそ、経営管理の問題がはじめて解決できるのです。ひとまず現地社員たちとコミュニケーションを取ろうと私は決めました。

 私はピクニックや会食パーティ、会議などの機会を掴んで大法が与えてくださった知恵、楽観的な性格、ユーモア溢れる話し方をもって、少しずつ現地社員の抵抗を解消する努力をしました。和やかな雰囲気になると、私は優しく彼らの問題点を指摘します。指摘する時、私は他の地域のよい経験を写真、図表にして彼らに見せて、A市と他の地域との間の差を直観的に分かってもらいます。もちろん、当時はさほど今の段落で書いたように楽ではなくて、それはとても苦しい日々だったので、私の善と忍耐力が限界まで試されました。

 長期にわたり大法のウェブサイト、『明慧週刊』から収集してきた物語に挿絵を加えて、スライドに作成して彼らに見せました。それはすべて彼らが今まで聞いたことのない物語で、彼らは震撼して、視野と心を広げました。ふだん、彼らの間にトラブルがあったり互いに悪口を言ったりする時に、私は彼らに、「人間は誰にも長所があって短所があり、私たちが職場に集まって一緒に仕事をするのは、互いに長短を補完するためで、互いに力比べをして内部闘争をするためではない。他人の不足を見れば補ってあげ、彼を向上させれば、チーム全体はきっと能率を上げられる」と話しました。私が言った時、彼らはみな慎重に考えていたようです。今まで彼らにその道理を教える人がいなかったのかもしれません。彼らの価値観はだんだん変わって、狭苦しい名利闘争から抜け出て、相手に協力することをはじめて覚えました。

 だんだんと、同僚は私が法輪功修煉者であることを知るようになりました。彼らが見た私は悪い遊びを一切せず、会社の規定に違反することを一切せず、仕事に没頭して、誠実に信用を守って、みんなの悪い態度も気にしない人間です。私はみんなに法輪功の真相を伝えるほか、また実際の出来事を結び付けて彼らに善悪応報、失わなければ得られないなどの道理を教えると、彼らは快く受け止めました。みんなは私を貴重で希少な「最高級の良い男」と褒めています。

 営業マンに対して、私は彼らの正当なマージン収入を認めて、またできるだけ彼らの利益を守りました。A市に来てから、優秀社員の推薦の機会や昇給の機会を私は全部同僚たちに譲りました。だんだんと彼らは私の誠実さと善意を感じて私の人柄を理解し、私がしたことは本当に彼らのためだと分かってくれました。そして、私に対する警戒と排斥の心はだんだん氷解しました。

 後日、私はみんなを率いて大型スーパーで大規模なイベントを行いました。私は前文に触れた社員のAさんの企画能力を充分発揮させ、彼女は積極的に活動してまず場所を選定してくれました。そしてイベントの前に、彼女は長年集めた膨大な顧客の電話番号に電話をかけ、イベント開催の情報を広範囲に広げました。彼女が考え出したこの方法は確かに私も思いつかなかったので、感心しました。イベントはとても成功して、当日の参加人数は非常に多く、良い宣伝効果を収めました。

 後日、私は多くの写真を使ってイベントの光景を内容豊かなスライドに作成して、みんなと分かち合い、Aさんおよび他の現地社員の能力と協力姿勢を高く評価しました。最後のまとめのところに、私はこのように書きました。「今回のイベントは大きな宣伝効果を収めました。ビジネス効果のほかに、我々のチームがたいへん試されたことも忘れてはいけません。最初の企画からすべての細部の実行まで、どのメンバーの努力が欠けてもうまくいかなかったのです。その中で、メンバー一人ひとりの能力も鍛えられ、向上したと思います。今、みんなは疲れていますが、みんなの気持ちはすっきりしていると思います。今回の活動はきっと我々の貴重な記憶になると思います」。スライドの最後に、私はイベント現場で全員が撮った記念写真を出しました。写真には我々10数人が共に楽しく笑って、右手の二本指を出して、勝利のサインをしています。

 今回のイベントは本社に手本として各地域に広められ、私を含めてA市の全員が我々のチームを誇りにしています。Aさんは「あなたから多くのものを学んだ」と私に感謝しました。

 互いに協力できるチームはどんな困難にも打ち勝てます。その後、私たちはA市の各種の難題、例えば価格調整、店頭陳列、資金回収など一つずつ解決しました。当然、解決するまでは言葉で表し難い辛い日々でしたが、来た当初に感じた難しさとはまた一味違います。私と皆さんは互いに励まし合い支え合いました。社員は毎回良い提案を出してくれました。とうとう、A市の売り上げはトップまで上がりました。

 A市に視察に来たトップマネージャーは一新した市場を見て、たいへん喜んで感心していました。以前、彼が来ても視察に回りたくなく、現場を見たら腹が立っていたからです。A市の状況を安定させて、人員も大きく変動していないのに、とても小さい代価で現状を変えた、と私の仕事を評価しました。特に、かつてトップマネージャーは社員のAさんを解雇しなかったことで私を「女々しい」と批判したのですが、今、彼は私のやり方を「ソフト・ランディング」と言って認めました。

 その後、私に企画能力があるため、私はまたB市の企画マネージャーに抜擢されました。A市の同僚と代理店はみな私に行ってほしくないのです。私と仲良くなったほか、今後私のような上司はなかなかいないと皆が分かっているからです。

 A市にいた2年間、そのような困難を乗り越えたからこそ、その後の成功は余計に喜んで大切に思われています。実をいうと、最も困難な時、こんなまずい環境に来たことを私は後悔していました。もし法輪大法を修煉していなかったら、私はきっと今日まで歩んでこられなかったでしょう。

 あのAさんに、私は修煉する前の自分を見ました。傲慢で自尊自大な自分でした。時に昔の自分を振り返ってみると、本当に全身に悪い性格が溢れていましたが、しかし当時はとても自惚れていました。中国に「山河は変えられても人の本性は改めがたい」ということわざがあります。人間は長年にわたってできた観念や習慣を変えるのは本当に難しいのですが、法輪大法の真・善・忍は本当に私を変えました。また、私の周囲の人、周囲の環境も変えました。実は、真・善・忍はすでに幾千幾万の人を大きく変えて、無数の人に明るさ、希望と素晴らしい未来をもたらしたのです。

 
(中国語:http://www.minghui.org/mh/articles/2014/5/16/291436.html)
 
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