文/ミズーリ州の法輪功学習者
【明慧日本2017年5月6日】米国ミズーリ州下院は4月25日、中国共産党の生体臓器狩りを譴責する第7号HCR決議案を議会にかけ採択した。
同下院のキップ・ケンドリック(Kip Kendrick)議員は、「臓器狩りは人権に対する迫害です。もっと多くの人がこのことについて知るべきです。私はすべての人に対して、この決議案を支持してほしいし、もっと多くの人にこのことを知っていただきたいのです」と話した。
第7号HCR決議案の発起人の1人であるリンモリス 議員は、審議の中で、「本議案はもっと多くの人に、人間性に対して不公正で恐ろしいことを注目させることができます」と話した。
同決議案は党派を超えて賛成149、反対1の絶対多数でミズリー州下院において採択された。
決議案の説明を聞いたあと、スティーブ・クックソン(Steve Cookson)下院議員は発起人に対して、「私自身が臓器移植を必要とする患者ですが、議案を支持します。この議案を提案したあなたに感謝し、全身全霊をもってこの議案を支持します」と話した。
「平和的な団体の法輪功(学習者)が、臓器強制摘出の被害者に」
議案を議論するに際して、ディーン・ダーアフマン(Dean Dorhman)下院議員は、「決議案の基本的な内容は法輪功に関するものです。法輪功は中国の伝統的な気功団体です。しかし中国においては、国家の敵と見なされています。中国共産党は彼らを政治問題と見なしているのです」と話した。
リンモリス議員は事実をさらに明らかにするために、「共産党がこのように彼らに対応しているのは、法輪功学習者の人数が共産党員の人数を超えているため、脅威を感じているのです。法輪功学習者は共産党に危害を加えようという考えは一切ないのですが、彼らは迫害され続けています」とつけ加えた。
ランディ・ダン(Randy Dunn)下院議員は、「この問題はこういうことです。一群れの人たちが煉功することが原因で臓器を当局に収奪されているのです」と話した。
ある議員は臓器の摘出は処刑されたあとに行われるのかと尋ねた。リンモリス議員は「全体的に言えば、臓器の摘出はこの人たちが生きている状態で行われています。彼らは通常麻酔されることはありません。なぜならば臓器を摘出するときに臓器に血液が流れ込むことが必要だからです」と答えた。
リンモリス議員は、「この決議案はミズーリ州の公民を覚醒させることができます。もし彼らが中国へ臓器移植に行けば、虐殺の手助けをする可能性があります。彼らが得た臓器は不幸にも謀殺された誰かの臓器であるかもしれず、自らの意志で寄付された臓器ではないからです」と話した。
「すべての州において行動をとるべき」
リンモリス議員は第7号HCRような決議案が、もっと多くの州、また全世界の議会で同様な行動を取ることを希望している。「これは全世界規模での重要な問題であり、人類にとって悲劇です。ですから私が思うには、米国すべての州がこのことについて理解し、同時に類似の行動を取るべきです」と述べた。
被害者が国土安全委員会の公聴会で証言
この議案を審査する以前に、中国共産党の迫害政策の被害者である耿颯さんが、ミズリー州の国土安全委員会に証言者として招かれた。彼は渡米するまでに受けた迫害の状況、不当に連行され、残酷な迫害を受けたこと、彼の妻が法輪功を修煉していることで迫害され死亡したことを証言した。
臓器強奪のドキュメンタリー映画を議会ホールで放映
今年の初め、第7号HCR決議案を推進するために、リンモリス議員は同僚の議員と、議会の従事者と共に、臓器狩りを記録するドキュメンタリー映画「人狩り」を観賞した。議案の発起人の1人であるジルシュップ(Jill Schupp)議員もこの映画を観賞した。
決議案の内容
同決議案は、中国共産党が法輪功学習者の生体から臓器を摘出している証拠を概括している。中国政府にこの犯罪行為の停止を要求するほかに、米国大統領および政府にこの犯罪行為の調査を呼びかけ、ミズーリ州の医学界に州の居住民に対して教育を行い、中国への臓器移植の危険性について理解してもらい、知らないうちに謀殺に加担することを防止すると同時に、措置として人体からの臓器摘出に加担した人の入国を禁止し、ミズーリ州内でこのような人を探し出すことに同意するものである。
決議案全文
広範囲にわたる信用できる報道によると、中華人民共和国は良心犯を大規模に殺害しており、それは主に法輪功学習者であるが、ほかの宗教と少数民族団体も含まれ、移植臓器を収奪している。
中国の臓器移植システムは世界衛生組織「臓器経路のトレーサビリティ(追跡可能性)および透明性の指導原則」に符合していないこと、中華人民共和国政府はこの制度の独立調査をすでに排斥した。
伝統的な中国の風俗よると、死後の身体は完全な状態で保存されることになっている。臓器の寄付があったとしても稀なことで、中国の臓移植業界は2000年から大幅に増えている。
2011年の中国人権報告が指摘したように、海外や国内の媒体ならびに宣伝団体が継続的に生体臓器摘出の発生を告発し、特に法輪功学習者やウイグル人を対象している。
昨年6月に発表された調査報告は人権弁護士デービッド・マタス氏、カナダ前アジア太平洋局長デービッド・キルガー氏、記者のイーサン・ガットマン氏の3人により行われた調査である。この報告では中国で毎年行われた臓器移植件数を6万〜10万件と推計されている。これは「国家政策を通して資金をコントロールする」工業規模的なもので、国家が指導する臓器移植システムであり、軍民の衛生制度に関連されている。
中国の肝臓移植登記システムが明らかにしたところによると、25パーセントが緊急移植手術で行われ、数日、甚だしき至っては数時間で適合する臓器を見つけ出している。非緊急臓器の移植の待機時間も数週間である。その他の国の臓器移植待機時間が数年である。
中国政府は臓器の出所の90パーセントが死刑囚のものと説明している。しかし2002年から処刑を10パーセントを減らしており、移植した人数より遥かに少ない。政府は良心犯から臓器を獲得していることを一度も認めたことがない。
法輪功は瞑想を中心とする精神の実践であり、真・善・忍を原則としている。90年代に中国において大いに歓迎され、修煉する人数が7千万を超えている。
1999年7月、中国共産党が全国規模で厳重な迫害を始め、主旨としては法輪功の精神的な実践を取り除くとし、身体と精神上の拷問を含む。これは共産党が長期に大型の独立した社会民間団体に対して不寛容であること。
1999年以来、数千万の法輪功学習者が中国の労働教養所、留置場および刑務所に拘留され、法輪功学習者に対して拷問が行われ、虐待や不合理的な検体や血液検査など、常軌に逸することが行われている。
「フリーハウス」の報道では、2015年中国法輪功学習者が良心犯の大部分を占め、死亡やあるいは拘留の危険に直面している。
国連拷問禁止委員会、および拷問問題特別員の報告で、法輪功の受刑者が強制的に臓器を摘出されることを指摘し憂慮していること、ならびに中華人民共和国政府に臓器移植システムの問責制度や透明度を高めることを求め、違反者に対して処罰するよう呼びかけたこと。
昨年6月、米国下院で第343号決議案が議会で採択され、中国共産党の法輪功およびその他の良心犯に対する系統性のある、国家が授権する臓器摘出を譴責していること。
臓器を売買するため宗教あるいは政治犯を殺害することは、基本的生活権に対して容認できない侵害であること。
中国への臓器(移植)ツアーは医療機密保持を理由に隠蔽されてはならず、オープンに監督されること。中国が過去と現在の良心犯から臓器摘出についての全面的な調査を許可するまでは、いかなる国家も自国民の中国への臓器移植ツアーを許してはならない。
ミズーリ州立法機関の決定
(1)中華人民共和国政府はすべての受刑者と良心犯に対して、特に法輪功およびその他の宗教、少数民族団体のメンバーに対して、強制的な臓器摘出行為の即時停止すること。
(2)中華人民共和国政府に法輪功に対する17年間の迫害の停止、ならびに法輪功学習者およびその他の良心犯に対して即時釈放すること。
(3)米国大統領および米国政府に対して、中華人民共和国に対する臓器移植の全面的な調査を行い、透明性に対する調査、ならびに発見したその不道徳な行為を行った人への告発を呼びかける。
(4)ミズーリ州医学界を励まし、ミズーリ州の同僚や居住民に対して教育を行い、中国への臓器移植ツアーの危険性を理解してもらい、同州の居住民が強制的に摘出された臓器を得るために知らずのうちに謀殺に参与することを防止する。
(5)措置を取られるのを同意し、非合法的に人体臓器の摘出に参与した人の入境を禁止し、ならびに同州内においてこれらの人たちを探し出すこと。
付属決定として、同州の法務大臣がこの決議案の副本を、米国大統領、米国上院議長および議長秘書、米国上院議長兼米国衆議院秘書、上院外交委員会主席、外交関係委員会主席およびミズリー州上院、ならびに国会議員にそれぞれに一部ずつ渡すこと。